第弐拾六話







    #026 『まごころを、君に』 新脚本(第 06 稿改・社内検討用)

      ※ノンモンの画面に、製作メッセージを入れます。

      ○ アバン ##25 ・弐号機惨殺シーンから、一部リピート有り。

      ○ メインタイトル『NEON GENESIS EVANGELION 』タイトル新作・黒バックに白地のみ/カットインで)

      ○ ターミナルドグマ

        リリスの前に立つ、碇と全裸のレイ。
        碇 「アダムはすでに私と共にある。ユイと再び会うにはこれしかない」(#24新作で見せとく)
        碇 「アダムとリリスの、禁じられた融合だけだ」
        突然、レイの左腕が、ボトッと取れる。(蝋細工が溶け落ちたように)
        碇 「時間がない。AT フィールドが、おまえの形を保てなくなる」
        変わらず、無表情のレイ。
        碇 「始めるぞ・・・レイ。AT フィールドを、心の壁を解き放て」
        碇 「欠けた心の補完。不要な身体を捨て、全ての魂を今、ひとつに」
        碇 「そして、ユイのもとへと行こう」
        ゆっくりと目を綴じるレイ。
        素手をレイの胸にあてる碇。
        小さな声を挙げるレイ。
        その手が、レイの身体の中に埋まって行く。
        下腹部へとその手を下げて行く碇。(フレーム外での芝居)
        押し殺していた声を漏らす、レイ。

      ○ サブタイトル『まごころを、君に

      ジオフロント

        森をとどろかし、2 枚の翼で空中に滞空する初号機。
        周辺には、根っこごと引き抜かれた木々や、戦自兵器の破片等も宙に浮いている。
        悪魔のような、初号機の顔。
        プラグ内のシンジ。(頭のインターフェイスは、ナシで)
        シンジ 「アスカ?」
        エヴァシリーズの口に咥わえられた弐号機の頭部。
        (切り口はきれいではなく、無理やり引きちぎったように)
        シンジ 「うわあああああああああああっ!!!」
        シンジの異変に気づくレイ。(半面UP ・インサート)
        レイ 「碇君?」
        ただ、激昂するシンジ。
        4 枚の翼を、イッキに開く初号機。

      ○ 月の表面

        長い影を落とし、地表に刺さっている、ロンギヌスの槍。(#24 新作部と"25で見せとく)
        バシュッ、と飛び出していく。

      ジオフロント周辺部

        画面OFF で、パニクっている通信兵の台詞等有り。
        戦自情報参謀 「大気圏外より、亜光速で飛来する物体あり!」
        同・隊長 「何だと!?」
        大気圏に突入する光。(インサート)
        冬月 「いかん、ロンギヌスの槍か」
        ピタッ、と初号機の目前で停止する、ロンギヌスの槍
        ゆっくりと掴み、槍を手にする初号機。
        シンジ(半べそ) 「もういやだ・・・こんなの、もういやだ!!」
        一瞬、槍の色が虹色に変わる。
        初号機の翼も6 枚になる。
        周囲が全て、光に変わり吹き飛ばされていく。
        ズズンッと、衝撃に揺れる、第2 発令所。
        青葉、床に膝をつき、ノイズの走るコンソールモニターを見上げ乍ら? ? ?
        青葉 「エヴァ初号機、S2 機関を開放! 分析パターンが青に変わっていきます!」
        冬月 「まずいな」
        森も、廃虚も、兵器も、そして人々も光の粒となり、吹き飛んでいく。(ヒトだけ赤い光)
        そこに立つエヴァシリーズと弐号機を除いて。
        無感動にその様を見つめている、エヴァシリーズ。
        同 じく、それを見ているかの様に見える、エヴァ弐号機の頭部の眼。
        絶叫しているシンジ。
        光の翼が左右同時に、2 本づつ増え、生えていく。

      ○ ゼーレの会議室

        「ついに、我らが願いが始まる」
        ロンギヌスの槍も、オリジナルがその手に還った」
        キール 「いささか数が足りぬが、やむおえまい」
        全員 「エヴァシリーズを、本来の姿に」
        全員 「我ら人類に福音を齎す、真の姿に」
        全員 「等しき死と祈りをもって、全ての人々を真の姿に」
        キール 「それは、魂の安らぎでもある」
        キール 「では、儀式を始めよう」

      ジオフロント

        一斉に羽を広げる、エヴァシリーズ。(バラバラにされた機体も)
        光り輝く、4 枚の翼とロンギヌスの槍
        初号機を中心とした円陣を組み、(魔方陣を描く?)そのまま宙へと浮かぶ。
        弐号機にバラバラにされたエヴァシリーズ、そして弐号機の首や胴体も上っていく。

      ジオフロント

        観測している戦自の指揮車。
        に、OFF 台詞からスタート。
        「初号機に続きエヴァシリーズも、S2 機関を開放っ!」
        「目標を中心に、強力な相転移空間が展開中!」
        「次元測定値がマイナスを示しています。観測不能。数値化できません」
        戦自・隊長 「AT フィールドか?」
        振動に揺れる、発令所。
        日向 「違う! そんな生易しいモンじゃないぞ、これは!」
        青葉 「アンチAT フィールド! セカンドインパクトと同じ、初期現象です」
        伊吹 「じゃあ、これって、まさか、サードインパクトの前兆なの?」
        光の衝撃波が、ジオフロント周辺を走っている。
        戦自・隊長(ごちる) 「作戦は、失敗だったな」
        瞬時にして光と化し、吹き飛ぶ戦自指揮所。(下手から上手に)
        初号機を中心とした球状に地面が削り取られていく、ジオフロント周辺部。

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      ○ 発令所

        銃声のない様子。落ち着きを取り戻している。響くアナウンス。
        その状況を血が付着したマギのPAN 等で説明。(#21 や制作#14 のBANK 利用)
        弾痕のついた空のイス。割れたライトテーブル接触不良でノイズだらけのモニター。
        死体の手を取ったまま泣いている、女性オペレータ。
        ネコクッションを改めて引いたイスに、座り直す伊吹。
        男アナウンス(ノイズ多し) 「制圧部隊は、第2 層まで後退したようです」
        青葉 「指揮系統も簡単にはもどらないだろ。上の主力大隊が、瞬時に全滅したんじゃな」
        日向 「こんな状況じゃ、誰だって泡食うよ」
        俯瞰・大ロング(ゆっくりT.B )
        高空に滞空している、全てのエヴァ。(エヴァシリーズは円陣を組んだまま)
        その下方では、地面がそがれジオフロントを構築していた『黒き月』が姿を現している。
        冬月(台詞先行) 「謝った人類の生命の源、リリスの卵」
        冬月 「黒き月か。いまや、無用の長物だがな」

      ○ ターミナルドグマ

        この深度ではジオフロントの影響は受けない。静かである。
        人々の故郷たる、リリスの仮面。
        碇 「エヴァたちが事を始めたようだ。急げ、レイ」
        レイの身体に右手を融合させたままの碇。
        碇 「私をユイの所へ導いてくれ」
        苦痛に歪む碇の顔。
        碇 「まさか、イヤなのか? レイ!?」
        冷たく微笑む、レイ。
        レイ 「私はあなたの人形じゃない」
        一瞬のうちにその右腕だけが、取り込まれてしまう碇。
        レイ 「私はあなたじゃ、ないもの」
        同じく、一瞬のうちに再生される、レイの左腕。
        驚きの表情のまま、右手の跡を押さえる碇。(痛みはない)
        碇 「レイ!?」
        碇に対し、背を向けるレイ。
        何事もなかったごとく、スッと宙に浮かぶ。
        碇 「頼む。待ってくれ、レイ」
        レイ(碇を見ずに) 「だめ、碇君が呼んでる」
        碇 「レイっ!」
        リリスと対峙するレイ。
        レイ 「・・・ただいま」
        『おかえりなさい』
        碇を置き去りにしたまま、リリスへと戻るレイ。
        リリスと溶け合い、融合していく身体。(互いに吸着する感じで)
        両手の杭を擦り抜け、動きだすリリス
        リリスの仮面が取れ、現れるレイの顔。
        LCL に落下する、ゼーレの仮面。(碇ごしに?)
        寂しさを伴う表情で、その様を見つめている碇。
        身体もレイと同じシルエットに変化する。
        ただし、顔に眼は生まれていない。(うつむいたままなので、まだ、顔はよく見えないが)

      ○ 発令所

        スペクトルから青紫色に代わり乍ら、人型のシルエットに変化しているモニターのUP。
        青葉 「ターミナルドグマより高エネルギー体が上昇中! 人の影なのか、これは?」
        死体だらけの通路を下から通過する、巨大な右手。(分子の間を擦り抜ける様に)
        日向 「分析パターン青! まさか、使徒!? いや、違う。ヒト、人間です!!」
        発令所の人々の前に現れる、巨大なレイの姿。
        驚愕の伊吹。
        冬月(ごちる) 「リリス。いや、レイか」
        伊吹 「いやぁあぁあああああっ!!」
        混乱し、頬に両手をあて叫ぶことしかできない伊吹。

      ○ 高々度の空

        抜けるような蒼い空。
        海上に滞空している11 体のエヴァ。(絵画的に・疑似回り込み)
        絶叫を続けているシンジ。
        初号機の光の翼が、ついに12 枚となる。

      ○ ターミナルドグマ

        LCL に浮かぶ、リリスの仮面。(いらんか)
        残っている碇。
        その左手。周辺を舞う、赤い光粒。
        親指の付け根辺りから、人面ソの様に、カヲルの上半身が出来ている。
        その姿が微笑んだレイと変化する。
        碇 「アダムがリリスの姿へと変わっている」
        碇 「これは、始まったのか? レイではない。ユイ? まさか、シンジが?」
        碇 「シンジなのか?」
        絶叫を続けているシンジ。
        輝いている、初号機の12 枚の光の翼
        雲海下よりゆっくりと起き上がる、巨大なレイの姿。
        涙目のまま、驚愕しているシンジ。
        シンジ 「綾波、レイ?」
        名前を呼ばれ、瞬時に眼を開く(または生成される)、レイ。(初号機ごしに)
        声の出ないシンジ。
        雲海の上。対峙する、レイと11 体のエヴァ

      ○ ゼーレの会議室

        全員 「万物が皆、無へと回帰した後、健やかなる未来が、改めて始まる」
        『01 』のモノリスが消え、キールの姿が現れる。
        その下半身は無数のコードで固定されている。まるで、木が大地に根を降ろしているように。
        キール 「我らがしもべ、エヴァシリーズは、皆この時の為に」
        レイの頭上へと飛行し、円陣を作る、エヴァシリーズ。
        取り残される、初号機と弐号機の肢体。
        エヴァシリーズの機体が、輝き始める。
        レイの頭上に、光の輪を作るエヴァシリーズ。
        それはあたかも、天使の光輪のように見える。
        を、見ているエヴァ初号機
        エヴァシリーズの顔が、全てレイの微笑みに変わっている。(眼はナシか、丸い穴状)
        混乱に対処できず、涙顔に微笑みが混じるシンジ。
        シンジ 「もういやだ。もういやだ。もういやだ。もういやだ。(叫び)もういやだっ!!」
        レイ 「もう、いいの?」(初号機ごしのショットで)
        顔を上げる光の巨人。
        その顔が、カヲルになっている。
        笑顔が浮かぶシンジ。
        シンジ 「そこにいたの?カヲル君」
        微笑む巨大なカヲル。

        12

        差し出される右手。
        その手に近づいていく初号機。
        全裸のレイに近づいていくシンジの姿。(イメージショット。インサートで使うか?)

      ○ 発令所

        冬月 「初号機パイロットは?」
        日向 「健在です」
        青葉 「微弱ながら、AT フィールドが検出されています」(モニターUP 付き)
        冬月 「まだ少年の自我は、保たれているか」
        ○ シンジの内面世界(冬月の台詞とカットバックで挟み込む?)
        青い空。青い海。真っ白なレイの肉体。
        その胸の上に横たわるプラグスーツのシンジ。
        そのままゆっくりとレイの中に溶け込み、沈んでいく。
        その映像が初号機のコアに溶け込むシンジと、クロスしていく。
        母へと還っていくシンジ。(ディゾルブでレイの姿に溶け込んでいく?)
        安心、幸せ、至福感(全ての似非の)に包まれるシンジの表情。
        が、LCL の波に溶け込む。(ディゾルブで)
        冬月 「サードインパクト発動の鍵は、碇の息子が握ってしまった」
        冬月 「リリス、いやレイと同化してしまった彼が、世界の終わりを望めば、全ての魂ははじけ、宇宙へと還ろうとするだろう」
        冬月 「いまや、地球以外では、生きて行けないのに」
        冬月 「全ての魂は、無へと還るか」
        コンソールの手を止めたままの伊吹。
        伊吹(同意を求めるように) 「ねぇ、私たち、正しいわよねっ」
        青鹿(ポツリと、吐き捨てるように) 「わかるもんか」
        碇 「いいのか、ユイ。シンジに全てを委ねるつもりなのか?」
        イメージの中のシンジ。(ユイの顔の映像が、常にダブっている)
        ユイ 「今のレイは、あなた自身の心。」
        ユイ 「あなたの願い、そのままなのよ」
        レイ 「何を願うの?」
        シンジ 「ただ、手を握って欲しかったんだ・・・誰かに」

      ○ 公園(舞台のセットっぽくするか)

        バックで流れている幼稚園児(生音でドキュメンタリーっぽく)の唄う、童謡。
        空のブランコ。その奥には、山の上に傾いている太陽が見える。
        滑り台の下にある小さな砂場。
        シンジ 「そうだ。何かあると思ってた。チェロを始めた時と同じだ」
        シンジ 「ここに来たら何かあると、思ってた」
        砂の城(ピラミッド型か?)を作っている幼いシンジと女の子。(幼いアスカにするか?)
        女の子 「がんばって完成させましょ? 」
        女の子 「りっぱなお城を」
        幼いシンジ 「うん!」
        張り切る幼いシンジ。
        公園の入り口にたつ女の子の母親。(ユイいや、ミサトの姿にするか?)
        女の子 「あ、ママだ。じゃあね」
        スコップを掘り出し、母親の所に一目散にかけだす女の子。
        ポツンと、一人取り残される幼いシンジ。
        笑いながら、幼いシンジには一瞥もくれずに、母親と帰って行く女の子。
        一瞬、手をつないだ若い男女に見える。(いらんか?)
        今にも泣きだしそうな顔の幼いシンジ。
        が、気を取り直してまた、城を作り始める。
        陽がすでに落ちている、砂場。
        完成している、砂の城
        しばらく見つめている幼いシンジ。
        いきなり、ケリを入れ壊し始める。(シネカリっぱく波線でSE の表現?)
        見るも無残な城跡。
        今度は泣きながら、再び元に戻そうとしている幼いシンジ。
        小さな砂場に、幼いシンジの嗚咽が響く。
        一人、教室の机で泣いている、小学生のシンジ。
        バックノイズで、下校のミュージックとアナウンス。
        男子クラスメイトの声 「チッ、先生のところにいるからって、いい気になりやがって!」
        女教師の声 「もう、うっとおしい子ね」
        女子クラスメイトの声 「じゃまなのよ」
        女子クラスメイトの声 「何も自分一人で出来ないくせに」
        一人、教室の机に座っている、小学生のアスカ。
        バックノイズで、キャッキャッと遊んでる子供らの声等。(独語?)
        男子クラスメイトの声 「テストが一番だからって、何も話せないじゃないか」
        小学生のアスカの声 「バカバカしくって、話さないだけよ」
        男子クラスメイトの声 「ケッ、お高くとまりやがって、何様だよっ!」
        小学生のアスカの声 「何よっ! あんたたちとは違うんだからっ!」
        アスカの声 「一緒にしないで!」

        ※この2 シーンは、カットごとにシャッフル。シンジとアスカを交互に見せる。

        アスカ 「あんた見てると、イライラすんのよっ!」
        シンジ 「自分みたいで?」
        ぬいぐるみを抱いた幼いアスカ。(TV#25BANK )
        アスカ 「だから、私を見てェ!」
        アスカ 「私を殺さないで!」
        ぬいぐるみの臓物が出てくるイメージ。(TV#25BANK )
        アスカ 「ママっ!」(#24BANK )
        アスカ 「ママ?」(#25BANK )
        アスカ 「ママ」(#9BANK )
        シンジ 「母さん?」(#16BANK ・T.B ・ポジ反転画像・Mac 処理)
        アスカ 「ママ、そこにいたのね、ママ!」(#25BANK )
        シンジの左手にあるミサトの形見のペンダント。
        ミサトの声 「結局、シンジ君の母親にはなれなかったわね」

      ○ ミサトのアパート(学生時代)

        けだるい昼下がり。
        窓外に夏の空。洗濯物が干してある。(男物も有り)
        ラジオと扇風機の音。そして、セミの声。
        ミサトの声 「・・・セミが鳴いてる。なつかしいわね」
        うらぶれたアパートの4 畳半。
        下向きの扇風機が回る。
        万年床の周りには散らばったカップ麺や社会心理学の本。
        ミサトの声 「ん??、ねぇ、しよ ? 」
        加持の声 「またかぁ。今日は友達と会うんじゃなかったっけ」
        ミサトの声 「ん、ああ、リツコね。いいわよ、まだ時間あるし」

        13

        加持の声 「もう一週間だぞ。ここでゴロゴロし始めて」
        ミサトの声 「だんだんね、コツがつかめてきたのよ。だから、ネ? 」
        パサッとミサトが転がる音。
        ミサトの声 「多分ね、自分がここにいることを確認するために、こういうこと、するの」
        以下OFF で続く、ミサトの情事。
        アスカの声 「バッカみたい。ただ、寂しい大人が慰めあってる、だっけじゃないの」
        リツコの声 「身体だけでも、必要とされてるものね」
        扇風機ごし、ミサトの情事を無表情に見ているシンジ。(TV#25BANK )
        ミサトの声 「自分が求められてる感じがして、うれしいのよ」
        アスカの声 「イージーに自分にも、価値があるんだって思えるものね、それって」
        ポン寄り。嫌悪感を示しながらも見ているシンジ。(TV#25BANK )
        シンジの声 「これが、こんなことしてるのが、ミサトさん?」
        ミサトの声(左) 「そうよ。これも私」
        ミサトの声(右) 「お互いに溶け合う心が写しだす、シンジ君の知らない私」
        ミサトの声(後) 「本当のことは、けっこう痛みを伴うものよ。それに耐えなきゃネ」
        アスカの声 「あ?あ、私も大人になったら、ミサトみたいなことするのかなぁ」

      ○ ミサトのマンション

        #15BANK でシーン構成。
        アスカ 「ねぇ、アレ貸してよ」
        ミサト 「ダメ。子供のするもんじゃないわ」
        アスカ 「ねぇ、キスしようか」
        ミサト 「ダメ。子供のするもんじゃないわ」
        アスカ 「それとも、怖い?」
        シンジに近づくアスカ。(#15BANK )
        アスカ 「何も分かってないくせに、私の側に来ないでっ!」
        シンジ 「わかってるよ」
        アスカ 「わかってないわよ、バカ!!」
        アスカ 「あんた、私のことわかってるつもりなの?」
        アスカ 「救ってやれると、思ってるの?」
        アスカ 「それこそ、傲慢な思い上がりだわ」
        アスカ 「わかるはずないわ」
        シンジ 「わかるはずないよ」
        ミサト 「アスカ何も云わないもの」(アスカの後ろに立ってる)
        シンジ 「何も云わない。何も話さないくせに、分かってくれなんて、無理だよ!」
        レイ 「碇君はわかろうとしたの?」
        #25 病室のシーンにOFF 台詞。
        アスカの声 「バ?カ。知ってんのよ。あんたが私をオカズにしてること」
        アスカの声 「いつもみたくやってみなさいよ。ここで見ててあげるから」
        アスカ 「あんたの全部が私のものにならないのなら、私、何もいらない」
        シンジ 「だったら、僕に優しくしてよっ!」
        ミサト 「優しくしてるわよ」(#20BANK )
        アスカ 「優しくしてるわよ」(#20BANK )
        レイ 「優しくしてるわよ」(#20BANK )
        女性たちの声 「やさしくしてるわよ」(#20BANK )
        シンジ 「ウソだ。やっぱりウソだっ!」
        ディゾルブで微笑む女性たち。(#20BANK )
        シンジ 「笑った顔でごまかしてるだけだ。曖昧なままにしておきたいだけなんだ」
        レイの声(右) 「本当のことは、みんなを傷つけるから」
        レイの声(左) 「それは、とてもとてもつらいから」
        シンジ 「曖昧なものは、僕を追い詰めるだけなのに!」
        レイの声(後) 「その場しのぎね」
        シンジ 「このままじゃ、怖いんだ。いつまた僕がいらなくなるのかも知れないんだ」
        シンジ 「ザワザワするんだ! 落ち着かないんだ! 声を聞かせてよ! 僕の相手をしてよ! 僕にかまってよ!」
        沈黙のアスカ。レイ。ミサト。

      ○ ミサトのマンション

        の、リビングで口論している二人。(ペンギンもいる)
        シンジ 「何か役に立ちたいんだ! ずっと、いっしょにいたいんだっ!」
        アスカ 「じゃあ、何もしないで。もう側に来ないで」
        アスカ 「あんた、私を傷つけるだけだもの」
        シンジ 「アスカ、助けてよ、アスカじゃなきゃダメなんだ」
        アスカ(あっさりと) 「ウソね」
        ドキッとするシンジ。(インサート)
        アスカ 「あんた、誰でもいいんでしょ。 ミサトもファーストも怖いから、お父さんもお母さんも怖いから、私に逃げてるだけじゃないの」
        アスカ 「それが一番ラクでキズつかないもの」
        アスカ 「ホントに他人を好きになったこと、ないのよ」
        アスカ 「自分しか、ここにいないのよ」
        アスカ 「その自分も好きだって、感じたことないのよ」
        アスカ(冷たく) 「哀れね」
        アスカを押し倒し、もはや、叫ぶことしか対処できない、シンジ。
        シンジ 「助けてよ! ねぇ、誰かお願いだから僕を助けて!! 僕を一人にしないで! 僕を見捨てないで! 僕を殺さないでっ!!」
        アスカ(無感情に) 「・・・イヤ」
        精神の何かが切れて、アスカの首をしめるシンジ。
        ※女性たちの唄スタート予定。(歌詞は、よくわからない英語発音で。日本語字幕付)

      ○ 突如、連続するイメージショット

        アナモフィックレンズ調に、Mac 処理で歪めた画も有。レンズ、カメラワークも多用。
        首をしめられているアスカ。
        主観で、色々なキャラクターの首をしめている画。(Mac 処理でアブノーマルに)
        首をしめられている幼いレイ。(#21BANK )
        首を締めているエヴァ初号機と3 号機。(#18BANK )
        夏、蝉の声、山の中。(BANK 処理)
        赤い街、赤い空、赤い海、赤い、赤い、赤い、血の色の世界。
        (あらゆるBGBANK やスチールを駆使して、表現/全てMac 処理)
        ハエが、渦巻くガラス瓶の中の魚の頭。
        ブロック塀の上のネコ。
        川に浮いている犬の腐乱死体。
        水の張った青いポリバケツ。(OFF でネコの鳴き声)
        線路の上で首を切られた黒猫。(OFF で電車の通過音)
        湯船に流れる、一筋の血。(主観・女性の両足の問を)
        高速で流れる、血と肉色の雲海。(CG )
        ネルフ職員の死体。(#25BANK )
        点滅している、警報機。
        エヴァ使徒や3 号機を、殲滅しているショット。(BANK )
        ヒトを殺している映像。(#25BANK )
        父母を殺したクレヨンの絵。
        ? ? ? 等、色々な『死』や『血』や『破壊』のイメージ。
        ※#26 では全体的にBANK 処理の画は、見慣れた印象を払拭するため極力、CG加工する。

        14

        ラフな線画やMac 処理したスチール等も混ぜる。
        他 映像とのディゾルブも混ぜる。(CG 画像も利用)
        唄とダブって流れる、合唱曲と水中のイメージ映像。(三途の河の水中映像)
        STEREO 大音響で流れる、赤ん坊の泣き声と笑い声。
        同じくSTEREO 大音響で流れる、女性たちの荒い生き。(でき得る限り、生でリアルに)
        主観移動。遠くを無数の赤い光点が流れる画面。(赤い光点は、ヒトの魂の具象化)
        その奥には、巨大な黒い月。
        海中(下方の空には黒い月)を漂う人々。
        まるで血管中の白血球のようである。(CG で2CUT )
        ただ、行進を続けているだけの人々。(CG )
        ただ、何もせず、流れに任せているだけの人々。(CG )
        身体が融合したまま動かない人々。(CG の止め絵)
        ? ? ? 等も、挟み込む。
        シンジの声 「誰もわかってくれないんだ」
        レイの声 「何もわかっていなかったのね」
        シンジの声 「イヤなことが何もない、揺らぎのない世界だと思っていたのに」
        シンジの声 「みんなわかってくれると、思っていたのに」
        レイの声 「何も変わっていなかったのね」
        シンジの声 「裏切ったな。僕の気持ちを裏切ったんだっ!!」
        レイの声 「全てが自分の勘違いだったのに」
        シンジの声 「みんな僕を、いらないんだ。だからみんな死んじゃえ」
        レイの声 「では、その手は何のためにあるの?」
        シンジの声 「僕がいてもいなくても、同じなんだ。何も変わらない。だからみんな死んじゃえ」
        レイの声 「では、その心は何のためにあるの?」
        シンジの声 「むしろ、いない方がいいんだ。だから僕も死んじゃえ」
        レイの声 「では、何故ここにいるの?」
        シンジ 「みんなみんな、死んでしまえぇえええええええええぇええええっ!」
        夜の地表から打ち上がり、高速で地球表面が流れていく主観映像。(CG )
        カメラはそのまま、月へ。(無音?)
        突如、海中深く沈降していくイメージ。
        急速に太陽光の透ける水面が、主観で遠ざかっていく。(回転加味で・CG)
        に、水中に飛び込む音が響く。

      ○ 赤い海中のイメージ映像

        水面の直下を進む、主観イメージ。(ED の様に・CG )
        画面奥。海中に浮かぶ赤い月。
        遠くに赤い無数の光点。
        何条もの海上からの光の束。
        (画面全体の色が紫から赤に虹のごとく、ゆっくりと変化している)
        STEREO で流れる、女性の荒い息や笑い声、言葉にならない悦楽の声。
        赤い光点と共に、群れをなして海中を泳ぐ小魚のような、無数のレイ。
        主観で迫ってくるレイたち。(何重にもダブッた映像で)
        恍惚とした、シンジの表情。
        アナモフィックレンズでつぶした色々なレイの映像。(BANK ・Mac 処理)
        画面全体がレイの姿で埋まっている。
        (#25BANK ・アナモフィックレンズでつぶした画面/Mac 処理)
        シンジ(依存した喜びに満ちて) 「・・・綾波
        一斉に、カメラへ振り向くレイ。全てがシンジの微笑んだ顔に変わる。

      ○ 発令所

        『≒0 』が点滅しているモニター表示。(横に『≒∞』の表示も有)
        伊吹 「パイロットの反応が限りなく、0 に近づいていきます!」
        青葉 「初号機よりのAT フィールドも、消失していきます」
        日向 「リリスよりのアンチAT フィールド、さらに拡大!」
        沈黙の冬月。

      ○ 宇宙

        成層圏に浮く、黒い月。
        それを包み込むかの様に現れる、巨大な手。(F.I )
        そのまままるで地球から生まれ出るかのように、上半身が地球表面から出現してくる。
        超巨大なレイの姿。
        (サナギから生まれて出るかのごとく、背中から。カメラは天地逆で)
        地上にはエヴァシリーズの造る、光の輪。
        ○ 発令所
        日向 「アンチAT フィールド、臨界点を突破!」
        青葉 「だめです! このままでは、生命の、個体生命の形が維持できません!」
        冬月 「ガフの部屋が開く。世界の始まりと終わりの扉が、ついに開いてしまうか」

      ネルフ本部内

        点在する職員の死体。(#25BANK )
        の、側に幽霊のようにあちこちの人々の前に立っているレイ。(ヒトニグサのごとく)
        LCL に浮かぶ、リツコの白衣。
        レイたちの声 「世界が悲しみに満ち満ちていく」(サラウンド全開で、館内に響き渡る)
        レイたちの声 「空しさが人々を包み込んでいく」(同上)
        レイたちの声 「孤独がヒトの心を埋めていくのね」(同上)

      ○ 発令所

        日向の顔UP 。恐怖と喜びの混じった表情。
        日向の前に立つ、レイ。
        ミサトの顔になる。
        弾け飛ぶ、日向。
        レイの姿を認められない青葉。
        おののきつつ、顔を小さく横に降るだけ。(止めでいいか)
        弾け飛ぶ青葉。LCL と化す、その姿。
        レイ(髪の毛の色が、ユイに変化していく)を見ている冬月の笑顔。
        冬月 「碇、お前もユイ君に会えたのか」(違うか?)
        そのまま弾け飛び、LCL と変わる。
        その様を目撃している伊吹。(先の日向らの映像の間に挟み込むか?)
        脅える、その眼。
        近づいてくるレイが、ユイに変わる。
        割れたマグカップ
        伊吹 「AT フィールドが、みんなのAT フィールドが消えて行く」
        STEREO ・OFF でバシャッと人々の弾け散る音。(水風船が弾ける様な効果音で)
        床でLCL で覆われる第2 発令所。
        伊吹 「・・・これが答えなの?」
        伊吹 「私の求めていた?」(カメラ・ポン寄り)
        ハッと振り向く伊吹の傍らに立つレイ。
        その姿がリツコに変わる。
        伊吹 「先輩?」
        偽りの微笑みと共に、伊吹に抱きつくリツコ。

        15

        涙と笑顔、恍惚で満たされる伊吹の表情。
        伊吹 「あ」
        弾け散る伊吹。(引き画で)
        赤い光の粒子とLCL と化す、その身体。
        発令所フロアが真っ赤に変色したLCL に埋まる。
        あふれたLCL が下のマギのフロアにも、こぼれ落ちている。
        その水面上に立つ、レイたちの無機質な微笑み。(カメラ目線で)

      ○ 宇宙

        胸のコアを露出させている、レイの顔をしたエヴァシリーズ。(レイの姿がダブっている?)
        コアの色が、鮮やかな紺青から、血の赤に変わっていく。
        それぞれのコアに、自ら、槍を刺そうとしている。(槍の形は一考)

      ○ ゼーレの会議室

        次々と赤い光の粒子となり、消えていく、モノリス群。
        「ヒトは真実の痛みと自らの愚かさを忘れ、常に同じ過ちを繰り返す」
        「自ら贖罪を行わねば、人は変わらぬ」
        「アダムや使徒の力は借りぬ」
        「我らの手で、未来へと変わるしかない」
        「不完全な群体としての生物」
        「その行き詰まった人類を、完全な単体としての生物へと、進化させる補完計画」
        キール 「真の安らぎと平等の、理想の世界へと、生命は行き着く」
        キール 「よい。全てはこれでよい」
        下半身が、コード等で固定されているキールの、満足な表情。
        固定部分と服を残し、瞬時に、赤い光の粒子と化す。

      ○ 宇宙

        地表に次々と立っていく、十字架状の光の柱。
        無数の赤い光の粒子も、舞う。
        地表を埋め尽くしていく、十字架状の光の柱。(何度も挟み込む?)

      ○ ターミナルドグマ

        碇 「この時を、ただひたすら待ち続けていた。ようやく逢えたな、ユイ」
        碇の前に立つ、白衣のユイ。
        碇 「オレが側によるとシンジを傷つけるだけだ」
        碇 「だから、何もしない方がいい」
        ユイ 「シンジが怖かったのね」
        碇 「自分が人から愛されるとは、信じられない。私にそんな資格はない」
        カヲル 「ただ怖いんだ、自分が。人を傷つけることしか、できない自分が」
        (碇の後ろに立っている)
        ユイ 「そんなことないわよ」
        レイ 「自分が嫌いなのね」(全裸で、ユイの後ろに立っている)
        碇 「その報いがこのあり様か。すまなかったな、シンジ」
        碇も、赤い光の粒子とLCL と化す。
        ドグマ内のLCL に流れ落ちていく、碇だったLCL 。(止めにして、後で見せるか?)
        眼鏡がその場に残っている。(#5 を受けて)大事そうに、その眼鏡を拾い上げる手。
        その傍らに立つ、二人目のレイ。(制服・包帯姿)

      ○ レイの身体の中(イメージ?)

        露出する初号機のコア。
        ロンギヌスの槍を、自ら胸のコアに刺そうとしている初号機。

      ○ 宇宙(何度も挟み込む?)

        まるで地球から生まれ出るかのように、上半身が地球表面から出現している巨大なレイ。
        頭上にはエヴァシリーズの造る、光の輪。
        その周辺をもおおいつくしていく、十字の光の柱。
        ※この辺り一連のシーンには、女性たちの唄が入ります。

      ○ M? 10 日本語歌詞・字幕用(唄は女性たちの声で・ラストはやたらと盛り上がる)

        不安なの。
        不安なの。
        みんなに嫌われるのが、怖い。
        自分が傷つくのが、怖い。
        でも、ヒトを傷つけるのが、もっと怖い。
        でも、傷つけてしまう。
        好きなヒトを傷つけてしまう。
        だから、ヒトを好きにならない。
        だから、自分を傷つけるの。
        嫌いだから。
        だいっキライだから。
        好きになっては、いけないの。
        だから、自分を傷つける。
        優しさはとても残酷
        心を委ねたら、私は壊れてしまう
        心が触れ合えば、あの人は傷つく
        だから、私は壊れるしかない
        無へと還るしかない
        無へと還ろう
        無へと還ろう
        それは、優しさに満ち満ちたところ
        そこは、真実の痛みのないところ
        心の揺らぎのないところ
        無へと還ろう
        無へと還ろう
        他人のいない
        無へと還ろう
        無へと還ろう
        無へと還ろう
        傷つくことのない
        無へと還ろう
        無へと還ろう
        無へと還ろう
        無へと還ろう
        無へと還ろう

      ○ シンジ(客観)の聞く、云葉のイメージシーン(他人による、侵略と恐怖)

        手に持っている受話器のUP 。(主観・#11BANK )

        16

        ラジオ・TV ・マンガや小説の1 ページ。(あの人、嫌い。等とひたすら書いてある)
        電車の中での会話(#BANK )。口パクのUP 。(BANK 探す)
        立ち入り禁止や進入禁止、非常口、等の標識。
        ? ? ? 等に、聞こえてくる色々な云葉。
        「嫌い。あんたのこと、すきになるはず、ないじゃない。
         さよなら。もう電話して来ないで。
         しつこいわね。
         もう、よりもどすつもりは更々ないの。
         ごめんなさい。
         バカがホントにやってる。
         やっぱ、友達以上には思えないのよ。
         あんたなんか、生まなきゃよかったのよ。
         バイバイ。
         もう、さっさと死んじゃえばぁ。
         あんたさえ、いなけりゃいいのに。
         誰、この子?知らない子ね。あんたなんか、いてもいなくても、同じじゃない。
         はっきりいって、迷惑なの。
         余計なお世話よ、これ以上付きまとわないで。
         もう、ダメなの、別れましょ。
         カン違いしないで、だぁれが、あんたなんかと。
         じゃあ、何もしないで。じゃまなのよ」

        ? ? ? 等、自己否定や自我崩壊に直結するような台詞の羅列を、あちこちに挟み込む。

        女性の乳房(水彩画)に近づくカメラ。(DF 付・主観映像で)
        女性はミサトにもアスカにもレイにもユイにも見える。(ディゾルブで)
        ミサトの声 「そんなにつらかったら、もうやめてもいいのよ」
        レイの声 「そんなにイヤだったら、もう逃げ出してもいいのよ」
        髪の毛で隠れているその乳首。(水彩画)
        女性の手が髪をどけ、乳首が露になる。(水彩画・中OL で)
        その乳首に触れようと近づいて行くシンジの口唇。(客観と主観のディゾルブで)
        女性たちの声 「楽になりたいんでしょ。安らぎを得たいんでしょ」
        女性たちの声 「私と一つになりたいんでしょ。身体を重ねたいんでしょ。」
        アスカの声 「ほら、私としたけりゃ、お願いしなさいよ。いつもみたいに」
        瞬間、無へと還るシンジ。(唄もCUT ・OUT )
        つまり、その世界の『終わり』である。
        フィルムは『セルアニメ』ではない世界へと、変わる。
        ※これより『実写』パートに入る。(当たり前の日常を、極力、生々しく記録映画のように描く)
        こ こでは『実在』そのものをフィルムに切り撮る。ゆえの実写映像である。
        目覚めるアスカ。(24 歳)
        6 帖のワンルームマンション。(やたらと生活くさく)
        隣の部屋(下手)からTV の音が漏れ聞こえている。
        裸の男が横で寝てる、そのベッドの上。
        上半身だけ起き上がり、ボーっとしてるアスカ。(キャメラ・俯瞰で)
        アスカ 「夢?」
        アイキャッチ] B? TYPE のみ 英題『I need you.』

      ○ 6 帖のワンルームマンション

        散らかった床に、昨夜脱ぎ散らかしたままの服とブラ。
        起き上がるアスカ。
        隣で寝ている裸の男。(顔は見せない)
        アスカ 「バカトウジ?」
        だらしなく寝ているトウジ(24 歳くらい)
        アスカ 「そっか、仕事帰りに飲んで、まぁたこいつと寝たんやっけ」(よくわからんけど神戸弁で)
        アスカ 「最近、合ったらすぐにアレばっかだし」
        アスカ 「男なんて一回やらせると、いっつもそればっか。他に考えることないのかしら」
        アスカ 「ま、一回やったらあとはもう、100 回やっても、同じか」
        ムッと嫌な顔になるアスカ。(口の中が気持ち悪い)
        その辺に落ちてたパンツとシャツ(男物)着て、ベッドから出ていくアスカ。

      ○ 洗面所

        で、うがいしてるアスカ。
        アスカ 「うっげぇ、ヤッダぁ?。まだ口ん中に残ってるみたい」
        アスカ 「あのバカ、すぅ?ぐこうやって、ウヤムヤにごまかしやがって。その場しのぎだって、わかってんのに」
        アスカ 「なぁ?んか、いつのまにかズルズルズルズル、同棲してんなぁ?。何でだろ」

      ○ コタツ

        で、目覚めるミサト。
        同じく、6 帖ワンルームのマンション。(年期の入った感じ、更にやたらと生活くさく)
        ミサト 「夢?」
        ミサト 「ヤな夢ェ。バランス取ってんのかしら、ストレスの」
        ミサト 「いまさらあの男とうまくいくなんてね・・・絶対に、ありえないわ」
        ミサト 「ま、夢ん中で現実のグチ云ってりゃ、世話ぁないか」
        隣(下手)からハデに漏れ聞こえる、男女の痴話ゲンカ。
        大阪弁の男(トウジ)と神戸弁の女(アスカ)である。
        うんざり顔のミサト。
        ミサト(けだるそうに) 「ど?ぉせまた、仲直りの儀式を始めるくせに。馴れ合いのカップルが」
        痴話ゲンカが、突如聞こえなくなる。
        ミサト 「ホラ、準備にかかった」
        鳴る電話。
        タツからズルズルとはい出て、うっとおしそうに取るミサト。
        (このシーンは中抜きショットで構成?)
        ミサト(かったるそうに) 「ああ、リツコ」
        ミサト 「今度の休み? ああ、いいわよ、O..K 、O.K 」
        リツコ 「アラでも、予定あるんじゃなかったの?」
        ミサト 「もち、キャンセル。今さら、実家には帰んないわよ。見合いさせられたら最後じゃない」
        隣(下手)から『女の声』が盛大に漏れ聞こえてくる。
        リツコ 「何? いい歳して、H ビデオ見てんの?」
        ミサト 「まっさかぁ、お隣よ、お隣。さかったネコみたいに、飽っきもせずまぁ、毎晩毎晩。他にすることないのかしら、極楽なやつら」
        リツコ 「あら、にぎやかで、いいじゃない」
        ミサト 「人ごとだと思って」
        リツコ 「でも、お隣さんの彼氏って極最近できたって聞いてたんでしょ」
        ミサト 「そ、で、もうドーセーしてるみたなのよ、この間から。わっかいくせにさ」
        リツコ 「若いからできるんでしょ」
        ミサト 「男は甘えさせてくれる母親を望み、女はその心地よさに酔ってる。寂しいモン通しの付け合わせのカップルよ。長持ちしそうにないわ。もうすぐ修羅場ね、多分」
        リツコ 「自らの経験を元にした推論ね」
        ミサト 「一般論よ母親がどうして子供を手放さないと思う?母親には子供が必要だからよ。子供がいないと母親は存在できないわ。それと同じよ、バッカみたい」

      ○ 第2 新東京市・全景(マット・CG 合成で)

        可能であれば、薄い雪景色で? ? ?
        瓦屋根。電信柱。第2 新東京市ロゴ入りの燃えないゴミ袋の山。
        町中の高圧鉄塔。踏切。駅前の自転車の群。カード電話の列。
        マンションの某所でバッタリと会い、挨拶と世間話をしている、ミサトとアスカ。
        お互いに、外面は良いらしく、表層的なハズむ会話をしている。(ミサトはゴミ袋付き?)
        ? ? ? 等、日常の点描。(BGM /M? 15 、流すか?)
        チャリリン、と自転車に乗った女性の背を追う、キャメラ
        ガチャ、と自転車のスタンドを止める足のUP 。
        カションッ、と自転車の鍵を抜く手のUP 。
        自転車のネームプレートにアスカの住所とフルネーム。
        駐輪場。駅に向かって早歩きの、アスカの背。(カメラ、ハンドで付けて)
        アスカ 「もぉ?隣のオバさん、つっまんないことで、時間つぶさせやがって」

        17

        アスカ 「チッ、今からじゃ、31 分の特快には間に合わないか。チョームカツキぃイっ」
        ガード上を通過する、リニアの音が響く。

      ○ 勤め先

        の、コピー室。ガーッとあちこちのコピー機の音がうるさく響く。
        に、立つ制服姿の二人の女性。コピー機の照り返しが、規則的に二人に当たっている。
        レイ(アスカは見ずに) 「別れたら? いっそ、その方がスゲー楽んなるわよ」
        アスカ(レイは見ずに) 「そうスね、それもいいスね」(会社では、努めて標準語)
        レイ 「ま、安直な方法論だけどさ」
        レイ 「あいまいにしたまま、いい顔ばっかしてると、ひどい目に逢うわよ」
        レイ 「思い詰めた男は、立ち悪いしね」
        レイ 「そう、何すっかわかんないわよ」
        レイ 「ガッキのくせにさ」
        アスカ 「先輩、何かあったんスか?」
        ? ? ? 以下、彼方此方の場所に移動してのダイアローグ劇。台詞のみ時間軸を繋ぐ。
        エレベーター・エスカレーター・昼食時・屋上・近くのコンビニ・弁当屋・他等。
        レイ 「いいじゃないの、ロマンといっしょに性欲満たされて」
        アスカ 「そんな感じじゃないっスよぉ。色っぽいインナーも、最初のうちだけっス。今ではゴム、びろーんチョの使い込んだヤツばっかだし。一緒にいても、日常にどっぷり浸かって、ドンブラコって流されてる感じだしィ?」
        アスカ 「んもォ?全っ然、ロマンチックじゃないですっ」
        レイ 「やっぱ、恋ってさぁ、TEL 切った後に実感わくのよねぇ」
        アスカ 「はぁ、そうなんですかぁ?」
        レイ 「ヤってる時ってさ、身体重ねるのが目的みたいで、なんかこう、ホンワァって来ないのよね。ガツガツしちゃってさ、お 互いに」
        アスカ 「いっつもですね。いったん距離おいちゃうとぉ。ホントに好きだったのかなぁ?って、わっかんなくなっちゃうんですよね」
        アスカ 「好きだと無理やり思い込んでいただけなのかなぁ?って思うのが毎度のパターン」
        アスカ 「長続きしないんですね、私って。スタンス短いんスよ」
        レイ 「あんた、冷たいけどすぐに情が移るだけでしょ。犬飼ってるのと同じなのよ」
        レイ 「それに、男にやたらと勝手にいらぬ勘違いを与えるタイプだしね」
        アスカ 「もうあいつ、すぐに僕には、バカだって逃げちゃってさ」
        レイ 「そりゃ、自分から口に出して、馬鹿と云えば許される、と思ってんのよ」
        アスカ 「いっつもこっちの同情をもらえる、と思ってやがるんですよ」
        レイ 「そりゃ、言い訳を用意してないと、怖いのよ。後で自分が傷つくからさ」
        アスカ 「うっとおしいんスよ、マジで。いちいち仕事先まで携帯鳴らしやがって」
        アスカ 「で、逆に電話かけてない時なんか、すっごいイラつく、チョームカツキィっ」
        レイ(割と冷たく) 「あんた、それって、ただのワガママなんじゃないの」
        日常的な風景。その山の稜線奥に、高層ビル街。
        (CG 合成/どこかにさりげなく、挟み込めないか)
        街中を歩いているアスカ。(信号待ち?)
        の、背をずっと追っているキャメラ。(気持ち、俯瞰目で)
        シンジの声(唐突に) 「アスカ」
        キャメラに振り向こうとするアスカ。
        瞬間、ローアングルで電柱の蔭に隠れるキャメラ。(とっさに、脅えた感じで)
        何事もなかったごとく、再び歩きだるアスカ。
        を、クレーンUP 後にまた追いかけるキャメラ。(見えないシンジの主観っぽく)
        シンジの声(コレも唐突に) 「僕がいない」
        ガッと突然、コマ送りが停止する、フィルム。(キャリキャリとモーターの空転音)
        そのまま、ガガガッと無理して止まっている画面に、シンジの声がかぶる。
        シンジの声 「これは現実じゃない。僕がいない世界だ」
        シンジの声 「僕がいなくても、世界は変わらない」
        シンジの声 「僕との関係が消えただけに過ぎない」
        シンジの声 「そう、ここには僕がいない」
        レイの声(左) 「都合のいい夢で、現実の復讐をしていたのね」
        シンジの声 「いけないのか?」
        レイの声(右) 「夢に逃げて、真実をごまかしていたのね」
        シンジの声 「夢を見ちゃいけないのか!?」
        レイの声 「それは、夢じゃない。ただの、幻想。現実の埋め合わせよ」
        ブツッと、いきなり切れるフィルム。(SE 付で)
        突然セル画面。(頭の部分はロールアウトで、露出が飛んでる所から始まる感じに)
        シンジの左手に、ミサトのペンダント。(先と同ポで)
        ミサトの声 「このまま、止めるつもりっ!?」
        セル画面。ハッと目覚めるシンジ。(#2BANK ・ノンモン)
        実写画面。TV 画面の中は寝室で寝ているシンジとレイ。(#16BANK 利用)
        に、TV 音声として、台詞が聞こえている。(TV 画面外のバックノイズ有)
        シンジ 「本当の現実はどこ?」(#16BANK 利用)
        シンジ 「それは、夢の終わりよ」(#16BANK 利用)
        実写・雑踏の中、キャメラ目線でジッと立っている、ミサト・レイ・アスカ。
        (ゆっくりT.U ・ハイスピード/36K 、いや72K 位か? 逆に、コマ落としも一考)
        シンジの声 「ごめんよ、綾波
        シンジの声 「僕は、僕のいたところに帰る」
        シンジの声 「もう誰もいないかも知れないけど、僕はそこに帰る」
        シンジの声 「今も、これまでも、これからも、何もいいことはないかも知れないけど、僕はそこに帰る」
        シンジの声 「そこが、僕が生きていく(る?)所だから」
        レイの声 「イヤだったら、やめてもいいのよ」
        シンジの声 「もう、いいんだ」
        ユイの声 「もう、いいの?」
        シンジの声 「うん。今はこれでいい」
        レイの声 「そう、わかったわ」
        ※これより『セルアニメ』パートに再びもどる。
        目覚めるシンジ。(#2BANK ・オレンジパラ?)
        T 『シンジ 「ここは、どこだ?」』
        誰もいない、エントリープラグ。(#20BANK ・プラグスーツなしで)
        T 『シンジ 「エヴァ初号機の、エントリープラグ?」』
        誰もいない、インテリアのシート。(BANK さがす)
        T 『シンジ 「でも、僕がいない」』
        「ココはLCL の原始の海の中よ。AT フィールドを失った、自分の形を失った世界」
        「どこまでが自分で、どこからが他人なのか曖昧な世界」
        「どこまでも自分で、どこにも自分がいなくなっている、脆弱な世界」
        「見失った自分は、自分の力で取り戻すのよ」

        18

        「地上に戻ったとき、自分をイメージすることができれば、みんな元の姿に還れるわ」
        「地上に戻る?」
        「そう、あなたは地上に帰りなさい」
        「自分から変わろうとイメージしなければ、何も変わらないわ」
        「ヒトの心が、そのヒトの形をつくっている」
        「そして、新たなイメージが、そのヒトの心も形も変えていくわ」
        「ヒトの持つ力は、想像する力、イメージが作り出しているもの」
        「全ての生命には、復元しようとする力がある。太陽と月と地球がある限り、大丈夫よ」
        シンジの前に立つ、レイとカヲル。
        レイ 「使徒の心の壁を開けるのは、同じ使徒だけ」
        カヲル 「ヒトの心の壁を開けるのも、同じ人間だけなのさ」
        レイ 「それは可能性なのよ」
        カヲル 「人は分かりあえる時もあるという、事の」
        レイ 「言葉ではなく、わかりあえる時があるかもしれない」
        シンジ 「それは見せかけに過ぎない」
        シンジ 「願いに過ぎない」
        シンジ 「祈りに過ぎない」
        レイ 「でも、その瞬間は、本当の心だわ」
        レイの中から、色々なヒトが生えてくる。
        レイ 「他人を傷つけてまで、自分でいたいの?」
        シンジ 「僕も傷つく」
        シンジ 「でも、恐れていたら、何もできない。生きていられないんだ」
        レイ 「ヒトを傷つけることで、自分を守っているのね」
        シンジ 「そうかも知れない。でも、僕は僕でいるために、ヒトを傷つける。償いとともに」
        シンジ 「自分が生きるために」
        シンジ 「ただ、他人を傷つけたほうが、つらいと思う」
        シンジ 「そのことにもう一度、気づくだけ。何度も気づくだけなんだ」
        ロンギヌスの槍を破壊するシンジ。
        「何故、泣いてるの?」
        綾波が生きているから。ここにいいるから」
        「ごめんなさい。こういう時、どういう顔をすればいいのか、わからないの」
        二人目のレイ 「笑えばいいのよ」
        シンジ 「こうしてわかった気になってるだけだ。わかるはずがない。僕と他人は違うもの。僕は一人しかいないのだから。 エヴァに乗ってもいなくても、僕は僕でしかない。それだけのことなんだ」
        ロンギヌスの槍を引き抜く、レイの顔をしたエヴァシリーズ。
        ひび割れ、破壊される赤いコア。
        瞬時にその輝きを失う、エヴァシリーズ。
        石化し、次々に地上へと落ちていく。(全体が、灰色に変わっていく)
        背を丸めるレイ。
        背中から弾け飛び、融解していく巨大なレイの身体。
        その姿が、赤い光の粒と真っ赤なLCL とに変わっていく。
        全ては、地球へと帰っていく。
        雲海を、雲間より落下する、エヴァシリーズ。
        (朝・昼・夕等、地表のあちこちに。夜はなし)
        二つに割れている、黒い月。
        その中から地表へと、滝のように流れ落ちる真っ赤なLCL
        地表では、真っ赤に変色した大気が台風のように渦を巻いている。
        地表、大ロング。
        廃虚の街、山々、海面等の奥、雲海のすき間から流れ落ちている、真っ赤なLCL
        地上に立ち込める、濠々たる血煙。その様は、巨大な滝、血の柱に見える。
        の、手前に落下してくる巨大なレイの右手。(激突後、少し壊れる所まで)
        月へと引き寄せられている、エヴァ初号機
        インダクションレバーを引く、シンジのイメージ。(インサート)
        強制排除されるプラグカバー。(インサート)

      芦ノ湖・湖畔

        10 年前の回想。(#21 新作部分を利用)
        冬月 「ヒトが神に似せてEVA を造る、真の目的かね?」
        ユイ 「エヴァは無限に生きていられる。
        その中に宿るヒトの心は、例え50億年経っても残る。 地球も、月も、太陽すらなくても残るわ」
        ユイ 「たった一人でも、生きていけたら。とても寂しいけど、生きていけるなら」
        冬月 「ヒトの生きた証は、永遠に残るか」
        射出される、エントリープラグ。
        シンジの半面アップから、離れていく光る女性の手。(#16 と逆のイメージで)
        目を開けるシンジ。
        シンジの母親。(主観・#16BANK )
        ユイ 「もう、いいわね」
        シンジ 「うん」
        離れていく女性のイメージ。(引き画)
        シンジ 「さよなら、母さん」
        赤い地球より、カメラ前に降りてくるシンジのイメージ。(OPBANK 利用)
        地上に落ちていく、エントリープラグ。
        着水。(やはり、無しには出来ないか?)
        画面F.O 。(他に手法はないか?)

    ※ラストA 案

      ○ 砂浜.波打ち際

        打ち寄せる波。
        満天の星空。巨大な十字型のオブジェと化している、エヴァシリーズ。(首は取れている)
        シンジの作った墓標。
        みんなの名前が書いてある。ただし、綾波レイの名はない。(カメラPAN )
        アスカの墓標。
        を、蹴り倒す、アスカの脚がIN 。(プラグスーツで)
        満天の星空。
        浜に横たわっているシンジとアスカ。
        互いに手を握れる距離でありながら、何もしていない。無言のままである。
        満天の星空。
        赤黒い波と廃虚の奥、立っているレイの姿。

        19

        を、見ているシンジ。
        波のインサート。
        いなくなっている。レイ(#1 と同様に)
        満天の星空と、満月、そして廃虚。
        アスカの首を、黙ってしめるシンジ。(引き画で)
        無表情に、黙って首をしめているシンジ。
        苦しくとも、抵抗しないアスカ。
        何も云わずに。シンジの頬をなでる。
        泣き出すシンジ。
        アスカ 「バ?カ。あんたなんかに殺されるのは、まっぴらよ」(ラストは引き画・同ポで)
        ※ED 曲、スタート。スタッフ・クレジットもスタート。(横スクロール?)
        月面に横たわる、エヴァ初号機
        エヴァの取れた面の所から、女性の髪が見える。(顔は見えない)
        エヴァごしに月面を昇ってくる、赤い海を伴った満地球の姿。(長回しで)
        その手前を横切る、割れた黒い月。
        カメラ、そのまま太陽へ。
        そして、太陽を越えて、遥かな星の海へ。(スタッフ・クレジットも終わる)

        T 『終劇』


    ※ラストB 案

      ○ 砂浜・波打ち際

        打ち寄せる波。
        満天の星空。巨大な十字型のオブジェと化している、エヴァシリーズ。(首は取れている)
        シンジの作った墓標。
        みんなの名前が書いてある。上から何度もグチャグチャと消した跡。
        ただし、綾波レイの名はない。
        浜に横たわっているシンジ。
        の、右側に白い手を握っている。
        シンジ 「もう、みんなには会えないんだよ」
        シンジ 「そう思った方が、いいんだ」
        シンジ 「まだ、生きてる、だから生きてくさ」
        シンジの握る手に少し力が入る。
        満天の星空。
        赤黒い波と廃虚の奥、立っているレイの姿。
        を、見ているシンジ。
        波のインサート。
        いなくなっている。レイ(#1 と同様に)
        満天の星空と、満月、そして廃虚。
        カメラを引き絵に。
        シンジとの隣には、握られれた白い腕だけが見える。(胴体他はない)
        主観。一面の星と満月。
        カメラ、そのまま月へT.U 。
        ※ED 曲、スタート。スタッフ・クレジットもスタート。(横スクロール?)
        月面に横たわる、エヴァ初号機
        エヴァの取れた面の所から、女性の髪が見える。(顔は見えない)
        エヴァごしに月面を昇ってくる、赤い海を伴った満地球の姿。(長回しで)
        その手前を横切る、割れた黒い月。
        カメラ、そのまま太陽へ。
        そして、太陽を越えて、遥かな星の海へ。(スタッフ・クレジットも終わる)

        T 『 終劇 』