<渡辺竜王>将棋ソフト「ボナンザ」と対局 プロの貫禄勝ち
(毎日新聞 - 03月21日 19:21)

渡辺明竜王(左)と対局するコンピューター将棋ソフトの「ボナンザ」と開発者の保木邦仁さん=品川プリンスホテルで21日午後1時28分、塩入正夫撮影

 将棋の渡辺明竜王とコンピューター将棋ソフト「ボナンザ」の対局が21日、東京都内のホテルで行われ、112手で渡辺竜王が勝ってプロの貫禄を示した。

 来月開幕する新棋戦「大和証券杯ネット将棋・最強戦」のプレイベント。タイトル保持者とコンピューターの平手(ハンディなし)による公開対局は今回が初めて。ボナンザは昨年の「世界コンピュータ将棋選手権」で優勝した。

 ボナンザの作戦は四間飛車穴熊。渡辺竜王は手堅く居飛車穴熊に組んで必勝を期したが、「こちらが不利な局面もあった」という。しかし、終盤で強烈な攻めを決めた。

 終局後、渡辺竜王は「もっと簡単に勝てると思ったが、想像以上に強くて驚いた。ずっと勝ち続けられる相手ではないでしょう」とボナンザの実力を認めた。開発者の保木邦仁さんは「鑑賞にたえる棋譜を残せただけで満足です」と笑顔を見せた。【中砂公治】