死すとも生くとも将に爾に報ひなむとおもふといへり





   精霊 冥漠に入りて 容止を見るに由あらず
   骸骨 灰塵と作りて 音旨を傳ふるに處なし


廻り環る 多くの日月
重り複る 幾ばくの山水ぞ


哭することを罷みて 平生を想ふ
一言遺りて 耳に在り


曰く 吾れ 陰徳を被れリ
死すとも 生くとも
将に 爾に報ひなむと おもふといへり


惟れ 魂にして 霊有るものならば
舊の知己を 忘るること莫


ただ要ず  本性を持して
終に 傾倚するところ なからしめむことを


君、我が凶慝を瞰ませば
我を撃つこと 神鬼の如くあらまほし


君、我が辜無きを察みせば
我がために 冥理を請ひてまし


冥理遂に決すること無くは
茲れより長く已むなむ


言へば涙し 千行ながる
我路今し 此の如し


聞けば 腸い九たび轉る
幽途 復 何以ぞ


拙詩 四百言
以って  使君が誄に代へむ



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