戦車技術研究所 四式戦車 実用試験報告書

旧日本軍の 「 幻の戦車 」 探せ! 湖底で潜水調査              2013.01.06 11:26



 旧日本陸軍終戦直後、米軍から隠すために浜名湖に沈めた …… との言い伝えが残る 「 幻の戦車 」 を探す潜水調査が5日、浜名湖北部の猪鼻いのはな湖で始まった。


 初日は車体の発見には至らなかったが、調査を進める地元の団体は 「 敵に渡さないために隠された戦車なので、見つかりにくいのは当然 」 と意気盛んだ。潜水調査は7日まで続けられる。


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 この戦車は 「 四式中戦車 チト 」 。旧陸軍が本土決戦用の切り札として開発したが、終戦間際に2両試作されただけで、量産化されなかったことから、 「 幻の戦車 」 と呼ばれている。


 戦車に詳しい愛知県豊橋市のプラモデルメーカー 「 ファインモールド 」 社長、鈴木邦宏さん( 54 ) らによると、チトは全長約6・3メートル、重量約30トン。搭載された75ミリ砲は従来使われていた戦車の約5倍の威力を誇り、最大装甲も75ミリと厚かった。鈴木さんは 「 日本は戦車の開発が遅れていたが、チトの完成でやっと世界標準に並ぶところだった 」 と話す。


 鈴木さんは1999年、旧三ヶ日町(現・浜松市北区)に住んでいた旧陸軍の元技術者から 「 上司の命令で、チトを含む3台を沈めた。浜名湖で一番深いと聞いた場所を選んだ 」 と聞いた。沈めた場所は、猪鼻湖南端にある瀬戸橋付近で、沈められる様子は多くの住民に目撃されたという。


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 チトが浜名湖に沈められた経緯は不明だが、愛知県内の試験場から製造場所の東京に運ぶ途中だった可能性などが考えられるという。


 チトが希少な戦車であることを知った旧三ヶ日町地域活性化団体 「 スマッペ 」 は昨年春、チトを探すプロジェクトを開始。昨年12月には、水中音波探知機 ( ソナー ) を使い、大きな構造物らしきものを9か所で発見した。


 5日の潜水調査は、この9か所の中から、住民の証言でチトが沈められた可能性が高い2か所を中心に行われた。インターネットでプロジェクトを知ったボランティアの潜水士2人が、水深15メートルまで潜ったが、見つかったのはバスタブやボートなどだったという。


 「 スマッペ 」 の中村健二事務局長は「簡単には見つからないから面白い。しっかり作戦を練って必ず見つけたい」と意気込んでいる。



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