茶漬 譚



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「 来月演じる、『 盟三五大切 』 って芝居ね、
  私がやる薩摩源五兵衛。


  芸者殺した後に、茶漬け食うんですよ。


  どんな気持ちか味わってみたくなってね。
  こんな機会、そうあることじゃないから。


   …… 役者の鑑でしょう? 」





  本作は、脚本第一作だけに、見事な内容と出来でしゅ!。


  一番は、殺人事件の解決する謎だけでなく、
  もうひとつ ……、何故、『 茶漬けを食べたか 』 という、
  ドラマの序盤で明示され、観客は解けなかったであろう謎が、
  ラストで解かれることでしゅ。




「 ひとつ、伺っていいですか? 」
「 何ですか? 」
「 どうしてすぐに帰らなかったんですか? 
  普通、人を殺したらどんな犯人だって、
  少しでもその場から遠くへ離れたいと思うもんです。」
「 やっぱり不思議ですか?。 」
「 はい。 」
「 来月演じる、『 盟三五大切 』 って芝居ね、私がやる薩摩源五兵衛。
  芸者殺した後に、茶漬け食うんですよ。


  どんな気持ちか味わってみたくなってね。
  こんな機会、そうあることじゃないから。


   …… 役者の鑑でしょう? 」
「 はい。
   …… でも、犯人としては …… 」
「 最低 」