The DAY  of  St. Valentine or BOTOMS CHOCO



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無能、怯懦、虚偽、杜撰


どれ一つとっても戦場では命取りとなる
それらをまとめて無謀で括る。


仕組まれた作戦、仕組まれた地獄
行きも怖いが帰りも怖い。


脆弱な地盤 狭隘な地形、充満する爆薬
まさに破裂必死の大動脈瘤


次回、死の谷


怒涛のドミノ倒しが始まる


生き残った事が幸運とは言えない
それは次の地獄へのいざないでもある
ここは百年戦争の最前線
焼けただれた大地がお前達はいらないと呻きを上げる
呻きは恐怖を呼び血を求める
殺し合い、せめぎ合い、その罪を互いの血で購えと断末魔の星が叫ぶ
次回、ガレアデ
赤くただれた星が狂気を促す

言うなれば運命共同体
互いに頼り、互いに庇い合い、互いに助け合う
一人が五人のために、五人が一人のために
だからこそ戦場で生きられる
嘘を言うな!
猜疑に歪んだ暗い瞳がせせら笑う
お前も、お前も、お前も!俺のために死ね!
次回、分隊
こいつらは何のために集められたか…

無能、怯懦、虚偽、杜撰
どれ一つとっても戦場では命取りとなる
それらをまとめて無謀でくくる
仕組まれた作戦、仕組まれた地獄
行きも怖いが帰りも怖い
脆弱な地盤 狭隘な地形、充満する爆薬
まさに破裂必死の大動脈瘤
次回、死の谷
怒涛のドミノ倒しが始まる

野心とは才能の別名と冷たく嘯く
そうかもしれない
だが野心には挫折がひっそりと潜む事を知るがいい
このファイルがそれだ
結果の全てがそこにある
なるほど、忠告のつもりか?それとも…?
ふん、騙されはしない。毒蛇は毒蛇を知る
出せ!出してみせろ!毒の全てを!
次回、尋問
時に傲慢の別名は何と言うのだろうか?

この時点で警告だと気づかなければいけないのだ
自分を信じて欲しいとなど言った事はない
むろん愛して欲しいなど考えた事もない
ましてや願い事など聞く耳も持たない
過去もなければ未来をも思わない
だが一つだけ確実になしてきた事がある
それは自分に変わろうとする者を抹殺する事
これだけは誠実に実行してきた
次回、異能
ただの一度も仕損じた事はない

不安と猜疑、欺瞞と弁明
閉塞空間に絡み合う異能の因子
利己的に、利他的に
そう、それは生存を賭けてせめぎ合う、巧妙に仕掛けられた絶対の危機
五体を引き裂かんと、鉄の檻を突き抜ける過去からの銃弾
怯える魂がそっと呟く
あいつもこいつも俺の盾になればいい
次回、狙撃
これも一つの証明か

監獄に監禁と隔離を求め、完璧さを追求すればここになる
ここには高い塀もなければ、深い堀もない
高電圧の柵もなければ看守さえいない
あるのは澄み切った大気と汚れなき氷のみ
零下80度
吐く息どころか内臓さえも凍る
酒をくれ…
五臓六腑を焼く酒をくれ
次回、冷獄
恨みつらみの言葉さえ固まる

爆死か凍死か
バラバラになるか固まるか
その間にある限りなく薄い不安定な一線
震える恐怖と才能がその臨界を探る
信じるか、信じられるか
賭けるか、賭け切れるか
ポリマーリンゲル液、俺達はここまでこの鉄の血液に運命を託してきた
だからこそ
次回、ダウン・バースト
しかし、生き延びたとしてその先がパラダイスのはずはない

百年にもおよぶ戦争が終結する
最後の戦い
謎の惑星モナドに投入される兵力、一億二千万
毎秒費やされる戦費四十五億
四日続けばメルキアの国家予算が吹っ飛ぶ
だが得られる者からすれば蚊の涙
ささやかなりと野心が嘯く
次回、戦略動議
百年戦争でメルキアが犯した最大の誤り、それは奴を敵に回した事だ

腕もいい、用心深くもある、時により裏切りもした
卑怯者と誹られた事もある
味方の死肉を喰らうような事もした、運もいい
だがそれだけか
それだけで生き残り続けたというのか?
違う
遺伝確率250億の1、異能の因子、異能生存体
それがお前達の正体だ
次回、不死の部隊
お前達は死なない

ねじれて繋がる二重螺旋のように、精妙にして巧緻、大胆にして細心
練りに練られた謀略が遺伝子のごとく自己を複製する
いよいよクライマックス、いよいよ大詰め
舞台に立った全ての者がツケを払う時が来た
万雷の拍手にも似た轟音と共に、眩しすぎるカーテンコールを受けるのは誰だ?
次回、モナド
真実はいつも残酷だ