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ファビピラビル

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ファビピラビル は 核酸アナログ で RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害剤 である。
商品名である アビガン *1 の名前でも呼ばれる。

タミフル より強い治療効果を有していること、薬剤耐性を生じないことを見出した。

ファビピラビル は プロドラッグ であり、投与後に細胞内の in vivo(生体内)環境で、三リン酸化されて、ファビピラビル・リボフラノシル-5' - 三リン酸 *2 となり、これが RNAウイルス の RNA依存性RNAポリメラーゼ (RdRP、RNA複製酵素) にプリンヌクレオシド (アデノシンおよびグアノシン) と競合して取り込まれ、取り込まれた部位以降のRNA鎖の伸長を阻害するchain terminator *3 として作用する)。

BCG

BCG *4 とは、ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)の実験室培養 を繰り返して作製された細菌、および、それを利用した結核に対する生ワクチン(BCGワクチン)のこと。

BCGは、実験室で長期間培養を繰り返すうちにヒトに対する毒性が失われて抗原性だけが残った結核菌であり、BCGワクチンはBCGを人為的にヒトに接種して感染させることで、結核に罹患することなく結核菌に対する免疫を獲得させる(メモリーT細胞に記憶[2])ことを目的としたものである。

20世紀初頭、フランスのパスツール研究所の研究者であったアルベール・カルメット *5カミーユ・ゲラン *6 が、ヒトに対し病原性を有しないウシ型結核*7 の強毒株の一つであるNocard株を 13年間 ( 231 代) 継代培養してBCGの元になる菌株を作製した。

病原細菌では実験室で人工的に培養を繰り返す(継代培養)うちに毒性が弱くなる現象がよく観察されるが、
ウシ胆汁加バレイショ培地による継代培養が行われた。
その結果、作り出された菌株は元のウシ型菌より遥かに弱毒性で、
ヒトに対してほとんど病原性を示さないほぼ無害なものに変化した。




*1:Avigan

*2:favipiravir-RTP

*3:伸長阻止薬

*4: Bacille de Calmette et Guérin の略、カルメット・ゲラン桿菌

*5:Albert Calmette

*6:Camille Guérin

*7:Mycobacterium bovis