GUIN ドールの子―グイン・サーガ(95) (ハヤカワ文庫JA)


ドールの子―グイン・サーガ(95) (ハヤカワ文庫JA)


あいかわらずマリウスが『ノブリス・オブリージュ(=高貴たる義務)』を理解していないことがテーマのひとつ。
後先考えない無思慮の行動の結果として、より悪い状況を作り出してしまう。


これで、単なるパンピーなら、
首と胴体が生き別れて、はい、さよならぁ〜〜なのですが、
生き残るという事に関してだけは、
作者が「ノブリス・オブリージュ」を与えている A^^;。


しっかし、毎回書くけど、私はマリウスもしくはマリウス的キャラが大嫌いで、
それは自分の行動が他人に迷惑をかけるということを理解せずに、
相も変わらず行動するってとこなんてですが、


栗本さんのすごい所が、マリウスが確固たる人格を持ったキャラとして存在しているところ。
単なる神たる作者が動かす、物語を動かす/変化を持たせるキャラと意識させず、
あたかも本当にマリウスというキャラが存在しているような錯覚をしまうところ。


しっかし、この95巻も、書いてある内容は、ほんの数テーマなのに、
ほんと〜〜に描写だけで一巻分の枚数になってますねぇ。