Prof.


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右も左もわからぬ、M1のときに、


煙草に火を点け、美味そうに一服しては、灰皿に置き、
手垢に塗れ、書き込みに塗れた文献を
見もせずに、そのページの内容を語れる


数分間、講義を続けては、
灰皿で。燃え尽きた煙草に気付き、
新たな煙草に火を点ける …… 。


一服しては、講義を再開する。


…… 嗚呼 …… 、きっと、いまさら、M1を教えるなど、
面倒なんだなぁ …… 。


などと思っていたら、
あるとき、助教授の方から、何気ない矯激なコメントがあり、


「 この数年、うちの研究室以外の受講生なんかいなかったのに、
  今年は3名も来たから、教授(せんせい)、喜んじゃってね …… 」