別称
σ(_ _) とて、
有り難くない 、
『 教授 』 との ” 二つ名 ” を
頂いております。はい。
幼女戦記
01 話 ラインの悪魔
「 無駄口を叩く暇があったら、
生き残るために最善を尽くせ!
我々は軍人だ。
上がやれと言うのであれば、
完遂するのみ!」
「 我軍に命令違反をする士官候補生は必要ない。
軍隊とは組織、組織に必要なのは規則。以上だ!」
「 軍衣をまとった以上は祖国に貢献をなせ!
帝国には、無能な兵士を養う余裕など無い!」
「とは言え、新人を早々に失っては今後の昇進に響くか?
まったく、サラリーマンもつらいものだな!」
02 話 プロローグ
「 何だ? 一体、何を? ターニャちゃん?
私が、ターニャちゃん?」
「 戦争という非生産的な行為は憎むべきものであり、殺すのも殺されるのも大嫌いだ。
しかし、軍隊というレールに乗りさえすれば、将来は約束されるのだ!」
「他に道はない。それだけです!」
「そして、存在Xに復讐する意味でも。
安全な後方で、順風満帆な人生を送ってやる!」
「私にいかなる印象を抱こうとも自由だが、
上官への反抗には厳罰を持って処すべきだな」
「軍人としての役割を果たしているだけです。
部下の統制は士官の義務ですから!」
「だが、そこで思い知らされる。
いつの世にも想定外の出来事が、起こりうると!」
「了解。せいぜいあがいて見せましょう!
神……神だと!?
私は神の存在など認めない!」
「たった1人で戦場の主役とは、なんたる光栄!
死ぬにはいいと言うが、
まったく最高に愉快!」
「まずい! まずいぞ!
まさか、ここまで評価されるとは? これは、完全なエース扱いだ!」
03 話 神がそれを望まれる
「天才とマッドは紙一重と言うが、
対話すら成立しないとは!」
「奇跡など、観測と体系化が不十分ゆえの錯覚。
言うなれば、素晴らしき勘違いです!」
「悪質すぎるマッチポンプ。
どこまで、クソッタレなんだ!」
「これは確かに性能だけ見れば素晴らしい。
素晴らしいが、呪われている!」
04 話 キャンパス・ライフ
「あの存在Xを撃ち殺す好機が、いつ訪れるかもしれん。
好機への備えは怠るべきではないし、怠ることなど不可能!」
「しまった!
大変まずい!
実にまずい!
うかつな口を撃ち抜きたい!」
「精神的に無防備になった相手を説得すべき。
そう主張したファシストは悪魔的天才だな!」
「もはや形骸化して久しい職務だが、
制度上は利用できる。
全て手はずは整えた!」
「どう見てもブラックな求人広告。
こんな地獄の片道ツアーに、
なぜ応募する?」
05 話 はじまりの大隊
「優秀すぎる副官も問題だな。
こんなことならライン戦線に残しておけば良かった!」
「やっぱりこうなるか!」
「あっと言う間の36時間だったな!
優秀の諸君のことだ、
まだまだ遊び足りないだろ!?」
「どうしてこうなった?
私はなぜあんなことを。
記憶が曖昧だ。
訓練中に95式を起動しすぎたせいか?
精神汚染検査が必要だな」
「さて大隊諸君、戦争だ!
いや、戦争のような代物の始まりだ!
ではジェントルマン諸君、
スポーツの時間だ!」
「あれに撃墜される魔道士がいれば、
敵より先に私が殺してやる!」
「ダキアには足を向けて寝れんな!
実弾演習に協力してもらったばかりか、
訓練後の花火まで用意してくれるとは!」
06 話 狂気の幕開け
「ふん!
有能な指揮官ぶりをアピールするのも難しいものだな!」
「少尉、隊を率いて迎撃しろ。
悪いが、私はあれを独り占めだ!
実は空軍でもエースになりたいと思っていた所でな」
「こんにちは。そして、さようなら!」(ターニャ)
07 話 フィヨルドの攻防
「しかし攻勢に出た所で物資が枯渇し、ほどなく攻勢限界に直面します。物資と兵員を浪費し、敵を喜ばせる義理もありません」(ターニャ)
(北方戦線について)
「失礼しました。西方では友軍が泥をすすって飢えに苦しんでおりましたが、ここ北方の司令部はずいぶんと恵まれているようでしたので、つい」(ターニャ)
「もはや我が国は、若者に死んでくれとしか言えぬ状況だ。なればこそ、大人の我々も、戦い続けねばなるまい」(アンソン)
「オーバーワークもはなはだしいが、契約が違うと飛び去る訳にもいかんしな!」(ターニャ)
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08 話 火の試練
「晴れ時々、砲弾日和。本日も視界良好につき、血で血を洗う激戦が繰り広げられています。やっと協商連合が片付いたと思ったら、おはようからおそようまで砲弾と一緒の最前線勤務。隣で寝ていた戦友が、朝起きると死んでいることもまれにある」
「それがライン戦線の日常です」(ターニャ)
「貴様1人抜けた所で問題は無い! 足手まといになるくらいなら、被弾した連中をまとめて帰還しろ!」(ターニャ)
「貴様は考えすぎるのだ。躊躇したのだろ、この大馬鹿者め! 帰ったら、覚悟しておけ!」(ターニャ)
「逃した敵は、また銃を取るのだ。我々を撃つためにな!」(ターニャ)
「これは上からの命令だ。敵は撃たねば撃たれるのだ! 少なくとも、撃つなと言われるまでは撃たねばならん!」(ターニャ)
09 話 前進準備
「 勝利では無く敗北を避ける。
これ以外に、最後まで立っているのは困難かと。
出来るだけ多くの敵兵を徹底的して叩き、
敵の戦争継続能力を粉砕する」
「それが、戦争終結への唯一の道です」
「ええ、天の災いです。片道切符で地獄行きの代物ですよ」
「やるしか無い! やるしか無いのであれば、成功させねばならない!」
「安全な後方で出世するはずが、どうして!! 全ては、全ては存在Xのせいだ。あのクソッタレに市場原理を叩き込むまでは、何があろうと死ぬわけにはいかない!」
「生きて絶対に、絶対に終わらせる!」(ターニャ)
10 話 勝利への道
「敵援軍を考慮して、タイミリミットは10分だ。襲撃後は全速離脱せよ。総員、突入だ!」(ターニャ)
「どうぞ、さらなる続報をお待ち下さい!」(ゼートゥーア)
(会議で作戦の不満を話す相手に成功報告の後)
「分かっているとは思うが、帰るまでが遠足だ!
勝利の宴に参加しない内に
ヴァルハラへの抜け駆けは、許さんぞ!」
「平和さえ戻ってくれば、
全ては日常によって置換されるはず。
だからもう少し、もう少しの辛抱だ!
この一撃で、後わずかで、戦争を終わらせられる!」
11 話 抵抗者
「捕捉された以上は追撃される。ケツをほられるよりはマシだ!」(ターニャ)
「勝ち戦のはずが、何とも情けないな!」(ターニャ)
(全体としては圧倒的勝利だがターニャの部隊は敵の奇襲を受ける)
「我々は……我々は戦争を終わらせる機会を、逃したんだぞ」(ターニャ)
12 話 勝利の使い方
「帝国の勝利と栄光も、この瞬間だけは本物なのかもしれません。
勝利。それは何とも魅惑的であります。
誰もがその美酒を口にしたいと思うのは当然です」
「しかし、なぜ参謀本部は、
その勝利を活用なさらないのでしょう」
「参謀本部の皆様は、あまりに合理的すぎるのです。
ゆえに、完全に見落としておられるのです。
人間という存在は、合理性だけでは動かない、
おろかな生き物であるということを」
「いかに近代化が進もうとも、
いかに社会規範が浸透しようとも、
人間は時として合理性よりも、
感情を優先するおろかな存在であるということを。
憎悪にとらわれた人間は、
打算を、合理性を、損得すら抜きに、
どこまでもあらがい続けます」
「だからこそ小官は申し上げずにはいられないのです。
我々は、かりそめの勝利になぞ酔いしれるべきではない。
憎悪の火は全て、消し去らねばならないと」
「かくして、なんたる矛盾だろうか?
皮肉なことに平和への願いによって、
戦争は静まるどころか、
激化の一途をたどっていく」