Mssion 0725
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シース(sheath)
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亀岡は一礼すると席に着いた。
裁判官が烏田検事に声をかける。
「 それでは、検察官立証をお願いします」
「 え ~ 草野教授。
これまでのご経歴を教えて頂けますか」
「 東都大学法医学教室で40年法医学に携わって参りました。
これまで1万5千体のご遺体を解剖しました 」
烏田はジップロックに入った包丁を掲げる。
「 この包丁についてどのようなことが言えますか 」
「 サイズと形状から見て凶器と考えて差し支え無いと思われます」
「 この凶器と刺し傷が不一致と主張する若い女性の法医学者がいるのですが。
どう思われますか?」
「 その方の解剖実績数はいかほどですか? 」
「 草野教授の10分の1。
1500件程と聞いています 」
「 まあ、女性と言うことですチヤホヤされるんでしょうが、
最近は未熟ながらもいっぱしの口を聞く女性研究者が増えております 」
「 信用に値しないと 」
「 はい 」
「 私は数多くの解剖実績を持っております。
その形状からみて凶器といって差し支えないと 」
何やら最初から女性軽視な発言に、傍聴席にいる(名前)、夕子、ミコトはイライラし始めている。
ミコトはディスプレイにうつる実験結果を説明する。
「 この実験結果からもご遺体の刺し傷は右利き用の包丁でつけられたものです。今、凶器とされている包丁は傷と矛盾します」
亀岡弁護士がミコトに問う。
「 矛盾するということは?」
「 凶器ではないと言うことです。見ていただければ分かるように右利き用と左利き用とでは明らかに傷の形が違うんです」
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その時、後ろ扉が開く音がした。
入って来たのは久部六郎 …… の次に、中堂が入る。
ゆるいネクタイ に 何故か 喪服。
「 法医学者の中堂系先生です。
同一の立証趣旨を前提により適切な証人であると考え、
急遽お呼びしました。
これに伴い新証拠の取り調べを請求したいと思います 」
亀岡弁護士の紹介により、中堂は発言する。
「 皮膚を保存していたホルマリン液から、
鉄、クロム、ニッケルが検出された。
ステンレスを構成する成分だ。 」
「 つまり真の凶器はステンレスの包丁であると言う事ですね。
検察の主張する凶器はセラミックの包丁ですが? 」
「 ありえない。
成分表を見ればバカでもわかる 」
傍聴席にいる久部と(名前)の隣に、
遅れてやって来たミコトが座る。
「 どんな感じ? 」
「 それが……、態度が悪いです 」
「 ふふっ。中堂さんらしい 」
烏田検事による証人尋問が始まる。
「 中堂さん、あなたの解剖実績はいかほどでしょうか 」
「 ああ …… 3100 だったか、200 だったか 」
「 先日、この包丁が凶器に間違いないとおっしゃった草野教授は
1万5千件 の 解剖実績をお持ちでしたが、
それに比べるとかなり少ないですね~」
「 カビの生えた経験が何になる。
医療と同じで法医学も年々進歩してる。
件数より目の前の鑑定結果を見ろ。
それが全てだ 」
中堂の屈しない態度に、烏田検事は更に続ける。
「 あなたが凶器を否定される根拠は、鉄、クロム、ニッケル *1 。
しかし、それらの成分が凶器から出たものとは言い切れませんよね?。
解剖にはメス、ハサミなど様々な器具を使います。
その解剖器具の成分にも
鉄、クロム、ニッケルが使われているのではありませんか?。
つまりホルマリン溶液から検出されたのは
その解剖器具の微粒子とも考えられるわけです 」
「 バカか 」
烏田検事の言葉に暴言。
「 解剖器具からそんなポロポロ微粒子が落っこちてたまるか。
凶器と背骨がぶつかったから出た成分だぞ 」
「 それはあなたの思い込みでしょう。
何の根拠も客観性もない。
まともな法医学者とは思えない言葉です 」
「 知らないようだから教えてやる 」
中堂は立ち上がると烏田の前へ歩いていく。
「 解剖で使うハサミは切れなくなったら捨てて新しいものに変える。
解剖で使うメスはカッターのような替え刃になっていて
切れなくなったら刃を交換する。
解剖医によって気に入りのメスがあってな。
ははっ、俺はドイツ製が気に入りだ 」
「 裁判長!、証人の無駄話を止めさせて下さい 」
「 証人は聞かれた事に答えるように 」
「 聞かれた事に答えてる。何を聞いていたんだ 」
「 いい加減にしなさい! 」
一度座った烏田がまた立ち上がり怒鳴る。
「 法廷を侮辱するつもりですか! 」
「 まあまあ、そう感情的になるな 」
その発言に傍聴席の(名前)とミコトは笑う。
「 大事な事だからもう一度だけ教えてやる。
メスもハサミも使い捨て。
刃は研いだりはしない 」
「 それがどうした 」
「 成分表をよく見てみろ。
ケイ素 の 数値 が 異常に高い。
包丁だけではあんな数値にはならない。
元素分析で原因を特定したら合砥だった」
「 合砥? 」
「 希少な石で京都の料理人が包丁を研ぐ時に使う、中でも最高の砥石。
セラミックの包丁は合砥では研げない。
解剖器具は刃を研がない。
残された可能性は一つ。
真の凶器には合砥で手入れされたステンレス製の包丁 …… 。
…… 以上だ 」
言い切るとその場を立ち去ろうとする中堂の背中に烏田検事は怒鳴る。
「 勝手に終わらせるな! 」
そんな中、中堂の証言に桜小路が気づく。
「 合砥 …… 京都 の、料理人…… 」
そして、傍聴席にいる義弟、刈谷と目が合う。
「 殺してません、私は、やってないんです!。
……ありがとうございました!」
涙目で訴えて頭を下げる被告人に、
中堂は扉の前で振り返って言う。
「 ふざけるな。
女は信用出来ねえだとお前がクソ小せえ事言ってるから俺が駆り出されたんだ。
人なんてどいつもこいつも切り開いて皮を剥げばただの肉の塊だ。
死ねば分かる」
…… 貴女 …… 、筋金入りの腐女子 …… ですね ……
*1: このときの書類の叩き方、もしくは、「効果音」、見事!である。