2002年3月
めざましテレビを見ていたら、ハーレイ・ジョエル・オスメントくんが出てきて、流暢な口調で新作映画について語り、「共演者もすばらしい人たちばかりでした」とそつなくつけ加えていた。一瞬、えなりかずきに見えたよ。天才子役ってどうしてみんなこうなの?
今朝の朝食は、豚肉のこまぎれとグリーンアスパラをバターで炒めて、塩コショウして、ケチャップを少しかけたものだったんだけど、こういう料理をつくると、森茉莉理論の正当性がわかるね。
こんなのは、料理なんか一度もつくったことがない人でも、ほとんど同じものがつくれると思う。この手の料理をできるだけおいしくつくるには、もう、念をこめるしかないわけ。「うまいものが食いたい!」という執念というか……。「アスパラガスを食べると尿に独特の臭いがつく」
というのはフレデリック・ポール『ゲイトウェイ』で知った豆知識だが、さっきトイレに行って、どういう臭いかわかりました。今朝の朝食は、なばなとささみのスパゲティで、BORGES印のオリーヴオイルを使ってみた。オリーヴオイルの味の違いがわかるほど食通ではないので、普通においしかったですが。
やっぱりスパゲティはオリーヴオイルをドバドバ使わないと、おいしくならないねえ。イタリア人の健康管理は大変だと思いました。
NHK関係者がまたもや拙宅を訪れたので、受信契約を結ぶことにした。
小説にピーコのファッションチェックネタを書いたりしているのだから、これは明らかに必要経費だと思うのだが、税務署は納得してくれるんだろうか。
今週(3/4〜7)、NHK教育深夜で「マペット放送局」(Muppets Tonight!)を再放送しているので、暇と興味のある方はごらんになるとよろしいかと思う。ひと言でいうと、大人向け「セサミ・ストリート」だから、アメリカン・ジョーク嫌いな人はだめでしょうけど。
わたしはこれの「Mr. キャラハン」というコント(米国風に言うとsketch)が好きでねえ。
わたしは「セサミ・ストリート」も好きでよく見るのだが、ときどきすごくおもしろいことがある。
これまででいちばん笑ったのは、ロジャース&ハマースタインのミュージカル「オクラホマ」を映画化するコント。
タイトル曲「オクラホマ」を歌うシーンの撮影で、監督が「よーいスタート!」と合図すると、俳優が出てきて、
「アーーーーーークラホマ」と歌う。
「カット!」監督が飛び出してきて、「オクラホマだよ」
「わかりました」
「じゃあ、もう一度。よーいスタート!」
「イーーーーーークラホマ」
「カット! だから、オクラホマだって言ってるだろっ!」
「すみません。初主演で緊張してるもんで」
「頼むよ。よーいスタート!」
「ウーーーーーークラホマ」
「カット! オクラホマだよっ!……」……これをえんえんとやる。「オクラホマ」という歌を知らないとわからないかもしれないが、わたしは大笑いしました。
ちょうどいま、石焼き芋売りのトラックがやってきた。おきまりの売り文句のあと、
「味で勝負の凄腕」
とつけ加えているのが、なんとなくおかしい。以前やってきた石焼き芋売りは、売り文句の録音テープが完全にすり切れていて、まるで前衛音楽みたいだった。
先日の昼間見かけた石焼き芋売りは、団地の一角にトラックを停めて、運転手がマイク片手に売り文句をしゃべっていた。団地の壁でエコーがかかるのがおもしろかったのだろう、最後にはヴィブラートをかけて、「イシヤ〜〜〜キイモ〜」などと気持ちよさそうに歌っていた。
つい先日旅行した土地なので、なんとなく興味を持ってニュースをながめた。日テレ系のニュースで徳島県庁前に立つのは当然、四国放送の記者だが、ほかの民放局ではどこの局の記者が出向くんだろうか。
弘前の武富士強盗放火殺人犯逮捕を伝える「スーパーニュース」で、政井マヤが弘前警察署前に立っているのは、青森にフジテレビ系民放局がないからである。TBS系の青森テレビとテレビ朝日系の青森朝日放送しかない。
2月中旬、徳島県に出かけたのは、大学時代の友人(『ハサミ男』の献辞に出てくる“藍上雄”という人ですが)に会うためだった。阿波尾鶏の唐揚げをつまみにビールを飲みながら、わたしは彼に四国4県の位置づけについて訊ねた。
わたしが生まれ育った北陸地方では、北陸3県(福井、石川、富山)というくくり方があるが、このなかでは石川県が圧倒的に偉い。なんといっても、加賀百万石で、兼六園で、輪島塗で、NHK大河ドラマの舞台であるのだから、そりゃ勝てません。一方、富山県に関しては、蜃気楼が見えることくらいしか、わたしは知らない。富山の方も福井県のことは、永平寺と原発くらいしかご存じないと思う。
四国4県ではどのような認識がされているのか、と質問すると、友人はこう答えた。
「文化面では愛媛やろね。『坊っちゃん』の舞台やし、正岡子規の出身地でもあるし。商業面では香川。昔は本州と行き来するにはどうしても香川が起点になったから、企業の四国の拠点もみんな香川にあったんよ。徳島は大阪との関係が深いかなあ。大阪人はたぶん徳島は大阪のはずれだと思ってるやろし、徳島人はいまだに『淡路島は自分たちのものだ』と主張してるし」
「高知はどうなの?」と、わたしは訊ねた。
「高知は全然違うね。山の向こうで、もう、独自の世界を確立してるというか……」
なるほど、と思ったのだが、これはあくまで徳島人の意見なので、大森望さんや西澤保彦さんなど、高知人の意見も聞いてみたいと思いました。スリッパを買った。
わたしはほとんど1日じゅうスリッパを履いて生活しているので、スリッパの履き心地はきわめて重要である。しかし、スリッパは店先で試しに履いてみるわけにはいかない。目と手で見当をつけて買ってきたはいいが、実際に履くと、フィットしないこともある。そういう場合は、また買ってくる。
というわけで、うちにはスリッパが5足くらい死蔵されている。独り身だし、お客さんも来ないんだけどなあ……。今週の「2時ドキッ!」水曜日(3/6放映)。
「hitomiさんを意識してます」
と、VTRでファッションチェックの参加者が言った瞬間、ピーコ曰く、
「あーhitomiさんねー、こないだごいっしょにお仕事しましたけど、アッタマ悪くて……」
共演者3人がいっせいに「アーッ!」と大声を出して、ピーを入れてました。この「ごいっしょのお仕事」とは、フジテレビのソルトレーク五輪番組第1回のことでしょう。藤木直人初司会の内幕を紹介したVTRで、ピーコが「だいじょうぶ、ちゃんとうまくいってるわよ」と藤木をやさしくいたわっていたのが印象的だったのだが、女の子にはきびしいんですね。
理由は不明だが、突然リゾットをフライパンでうまくつくれるようになったので、うれしくなってリゾットばかりつくっている。
行きつけのスーパーで「特選ラーメンフェア」というのをやっていて、博多ラーメンや尾道ラーメンを売っていた。夜食にちょうどいいかと思って、喜多方ラーメンを買ってきた。
袋の裏側の「おいしい召し上がり方」に曰く、
麺をゆでる際はハシで無理にほぐさないでください。2分ほどで自然にほぐれます。ほぐれましたら、中火で3分程ゆでてください。
〈ゆで上げサイン〉ゆで上げの目安はめんを1本、指でつまみ「グッ」と押さえて中心に半透明でもめん糸くらいの太さの線が出たときです。伝統のラーメンってのは、こうるさいもんですなあ。「半透明でもめん糸くらいの太さの線」ねえ……。まあ、言われたとおりにつくってみようと思いますけど。
依然としてリゾットづくりにいそしんでいるわたしです。今日の夕食はしらすとホウレンソウのリゾット。たまにつくる「しらすとホウレンソウのチャーハン」のリゾット版である。ホウレンソウは炒めるのではなくスープで煮た。これまたなかなかよろしい。しらす自体が塩味なので、仕上げはコショウだけにしてください。
だんだんわかってきたが、リゾット成功の理由は米をよく炒めることですね。炒める段階で充分火を通しておかないとだめみたい。瓦せんべいの話からもおわかりのとおり、わたしは歯が弱いので、フライドチキンに骨ごとかじりつくとか、Tボーンステーキを噛みしめて肉汁を味わうとかいうのは、いまやほとんど不可能になりつつある。でも、歳をとって、若い頃とは違う味わいもあることに気がついてきた。中華粥とリゾットが主食になっても日々満足できそうです。
今日(3/8)放映の金曜エンタテイメント「16週」(フジテレビ系)は、向井亜紀の子宮ガンの闘病全記録をドラマ化したもの。松下由樹が向井亜紀を、加勢大周が高田延彦を演ずるらしい。
わたしはなぜこういうドラマの企画が発生するのか、さっぱりわからない。「他人の不幸をドラマ化しちゃ失礼だろ」と思うのだが、そもそも原作が向井亜紀の同名手記なのだから、べつにいいか。「ワイドショー的のぞき見趣味」と「闘病もの」と「愛と感動の家族の絆」が合体しているのだから、究極の企画かも。
いっそのこと、原作を脚色して、ラストで向井亜紀が死ぬことにしたらどうかね? そのほうが視聴者は泣けるんじゃないですか。
夕食はまたもや、しらすとホウレンソウのリゾット。今日はニンニクとバジルを加えてみた。おいしかったけど、あっさりした味つけにしたほうがよさそうなので、ニンニクは没だな。バジルはオッケーでした。
この料理は我流キムチ鍋につづく最近のヒットだなあ。個人的には、しらすとホウレンソウのチャーハンより好き。ホウレンソウのおかげで米粒がうっすら緑色になるのもよろしい。ホウレンソウが半把余っていたので、朝食はホウレンソウのスパゲティ(ニンニクと鷹の爪を使ったのでペペロンチーノか)にしたのだが、なぜだかわからないけれど、これまたいままででいちばんうまくできた。どういうことなんだろう? もしかしたら、イタリア人の霊が降りてきたのかな。
NHKのみならず民放でも全局「鈴木宗男の証人喚問」を放映しているので、ちらちら見てます。民放は副音声で解説とかつけたらいいのに。
鈴木宗男を擁護する気は毛頭ないけれど、証人喚問後、あらゆる報道番組で「上目づかいでぎろりとにらんだときの顔」が何度も何度も放映されるのを見ていると、メディアのイメージ操作の恐ろしさを痛感する。
これが高じると、逆に「善人そうに見える人」「かっこいい人」を政治家として支持するようになってしまうから、気をつけましょう。鈴木宗男が非難されるのは、「悪人顔」だからではなく、「悪人」だからです。(「悪人顔」で「悪人」というヒネリのなさが、彼のだめなところでしょうね)
ひさしぶりにBOOK OFFに行ったら、ジャネット・ケイ《Capricorn Woman》があったので買ってきた。正確に言うと、再発盤なのでタイトルは《Silly Games》ですが。
プロデューサーのデニス・ボーヴェルはUKダブの立て役者のひとりだが、もうひとりの雄エイドリアン・シャーウッドの前衛的・先鋭的ダブとは異なり、一種の通俗味がある。たとえば、デニス・ボーヴェル&ザ・ダブ・バンドのアルバム《Audio Active》の1曲〈Yo' Love〉などは、ほとんどGS歌謡の世界。そうした通俗味が本作では最もよい形で発揮されている。10数年ぶりに聴いたが、やっぱ気持ちいいです。
わたしは一時期ダブに狂い、キング・タビー、マッド・プロフェッサー、サイエンティスト、リー・“スクラッチ”・ペリーなどばかり聴いていた。そのあげくに行き着いたのがエイドリアン・シャーウッドで、ニュー・エイジ・ステッパーズ、アフリカン・ヘッドチャージ、ロンドン・アンダーグラウンドはもちろん、ヴォイス・オヴ・オーソリティなどのわけのわからないやつまで聴きまくった。
わたしがダブから受けた決定的な影響はただひとつ、「音楽家なんかにならなくても音楽はつくれる」ということである。そのことは、4トラックのテープレコーダーでダブを発明し、ボール紙の王冠をかぶって“キング”と名のり、最後は強盗に撃ち殺された男、キング・タビーを見れば明らかだ。MacJPerlをダウンロードしたので、試しに人名を生成するプログラムを組んでみた。常用漢字と人名漢字からランダムに文字を組み合わせる超簡単なもの。
燥地湧 詢
爾哉 尽男
創叡雄 酪男
無妙賃 稀
巣慧 銀代といったこの世のものとは思えない人名がどんどんできあがる。でも、リストをずっとながめていくうちに、「笛男という名前はありかもしれないなあ」なんて思うこともあるから、けっこう役に立つかも。登場人物名をつけるのにお困りの方は試してみてはどうでしょう。
*実行にはJPerlが必要です。MacJPerl 5.2.0r4 J1で動作を確認しましたが、WindowsのJPerlでうまく動くかどうかは知りませんよ。ファイルはMacLHA
2.24でnon-mac向けに圧縮してあります。書き忘れていたけど、今週の「2時ドキッ!」水曜日(3/13放映)。
ファッションチェックにへそにピアスをした女の子が登場して、太平サブローが「痛くないんかな」とつぶやいたら、ピーコ曰く、
「穴開けちゃうとけっこう気持ちいいんじゃない? 義眼も洗ったあとは気持ちよかったりするのよ」これにはすごみを感じました。(知らない方もいらっしゃるかと思いますが、ピーコは片目が義眼なのです)
デジタル芭蕉。(JPerlが必要です)
暇だったんで2時間ほど試してみたのだが、
宵月も今朝顔まぎす花を宿
士の星の下の暮れ草鞋は海
盗人の下に暗きの月はまえ
武蔵野を夢の往々の風流
というのは、なかなかよい句だと思うなあ。意味は全然わかりませんけど。
昨夜(3/14)の「どっちの料理ショー」はハンバーグサンドvs.チリドッグで、まあハンバーグサンドが勝ったんだけど、わたしにとって重要だったのはチリビーンズのつくり方であった。トマトとタマネギがベースで、挽肉を使うのかぁ。なるほどねえ。
というわけで、今日さっそく挽肉とレッドペッパーとトマトを買ってきて、試しにつくってみた。できあがりはほとんどお豆のカレー。たぶんスパイスの調合次第では、ホントにカレーになると思う。
辛いもの苦手なわたしにしては、けっこう大胆にレッドペッパーをふったつもりなのだが、トマトの酸味と炒めたタマネギの甘味のおかげで、さほど激辛には感じなかった。ただし、食べているうちにどんどん汗が出てきた。
結論としては、実に下世話な味で、大変よろしい。コロンボ警部の好物なのも納得。豆料理のレパートリーに加えさせていただきましょう。注記。スープとは違って、この手の料理をつくるときは、あんまり神経質にアクをとらないほうがいいですよ。アクも下世話な味のうちですから。玉村豊男氏曰く、「アクの強いのは個性である。ものの持つ、生命の力がアクである」(『玉村豊男のパーティー・クッキング』講談社文庫)
チリビーンズを食べながらテレビを見ていたら、鈴木宗男が離党記者会見で泣いていた。これもメディアではウケないだろうね。汚いおっさんが泣くところなんて、誰も見たくないでしょ。
昨日の直感を確かめるため、今日もまったく同じやり方でチリビーンズをつくり、ただしレッドペッパーはひかえめにして、仕上げにカレールーを投入してみる。できあがったものを炊きたてのごはんにかければ、どこから見ても間違いなくカレーライスである。
ただし、トマトのせいでルーが赤っぽい。カレールーの量を増やしたり、ターメリックを使ったりすれば、もっとカレーらしい色合いになるのだろうが、赤カレーのままでもけっこうおいしいからいいや。(カレールーの量を増やすとたんなるカレーになってしまうし、ターメリックは高いんだもん)NHK「土曜オアシス」(3/16放映)で、話題の西本智美(ボリショイ交響楽団常任指揮者)を初めて見た。クール系の美人なのだが、きつめの化粧でガクラン風の黒の指揮服(っていうの? 小沢征爾がよく着てるやつ)を着ていたもんだから、なんか同人誌のイラストから抜け出てきたみたいだった(カールスモーキー石井にも似ていた)。
コミケに行くと西本智美本を売ってたりするんでしょうか。女性だからだめか。3/18放映「とくダネ!」の小倉智昭の前説。
「週末、1泊3日でハワイに行ったら、宿泊先のマリオットリゾートホテルは若い日本人女性だらけ。聞いてみると、Gacktといっしょにハワイに行くというツアーで、1000人近く集まったらしい。これがホントのGackt動員」
これには笑った。しかし、Gackt様はそういう営業もやっておられるのですなあ。
遅ればせながら、「ロード・オブ・ザ・リング」を見た。
切符売り場で2000円出したら、窓口のおばちゃんに「今日はメンズ・デーですから1000円でけっこうです」と言われ、エレベーターで上がると、暇そうに売店の女の子と雑談していたもぎりのアンちゃんがあわてて駆けよってきて、「いらっしゃいませ」と言った。客席に入ると、案の定、わたしが最初の客。まあ、月曜日の初回だから、こんなもんか。
その後、観客動員数は5人に増えたが、全員後ろのほうに坐ったので、わたしのまわりは全部空席で、前にも誰も坐っておらず、非常に快適な環境で映画を見ることができた。それにしても、空いている映画館でわざわざ後ろの席に坐る人の気が知れないなあ。わたしは視界全部がスクリーンで埋まらないといやですね。映画そのものは世評にたがわぬ傑作で、3時間以上もの上映時間中、まったく飽きなかった。『指輪物語』のことをまったく知らないわたしでも、どういう話か完璧にわかったので、つくりも親切だと思う。見終わったあと、「これからどうなるんだろう? 来年が楽しみだなあ」と思ったのは、非『指輪物語』ファンならではの特権でしょう。
わたしが見たのは吹き替え版だが、最後のクレジットに「エルフ語指導 伊藤盡」と出たので、思わず笑ってしまいました。指導できる人いるんですね。(この方は杏林大学外国語学部講師で、トールキンの専門家のようです)ひとつだけ気になったのは、戦闘シーンの演出が下手なこと。カットごとにアクションの動線が逆向きになったりするので、誰と誰がどう闘っているのかが明快ではない。具体的に言うと、
こういうカットに、
こういうカットをつなぐと、赤から青へのアクションの動線が逆向きになるので、わからなくなるわけ。
あと、迫力を出そうという意図からだろうが、カメラ振りすぎ。登場人物のうち、どの役をやりたいかというのはなかなかおもしろい設問だが、わたしは断然サムである。ぜひ「フロドさま〜!」とか言ってみたいね。相手がイライジャ・ウッドでなければ、なおよろしい。
「THE ワイド」(3/19放映)を見ていたら、「いまなぜか主婦のあいだでヒーローショーが大人気」という特集があった。後楽園ゆうえんちのガオレンジャーショーで、子供より主婦のほうが熱狂的なのが実に不思議だ、探ってみよう、という切り口。
「幼児向け番組にお子さんよりお母さん方がはまるのはちょっと不思議」とレポーター。
「子供には変身願望があるからヒーローものが好きなのはわかるが、大人が熱中するのはちょっとわからない」と有田芳生。
「わたしはこのガオレンジャーを見ていないが、聞いた話によると、話がとてもよくできていて、背景には自然を守ろうというテーマがあるらしい」と南美希子。といったぐあいに、コメンテーターの皆さんはいぶかしんでおられたようだが、わたしは全然不思議じゃなかった。集まった主婦の何パーセントかは「ガオレンジャー本」つくってると思いますが。
主婦だと思うから不思議なだけです。あの人たちは皆さん少女なんですよ。「小泉総理はわたしにジェラシーを感じていたと思う。意識はしていないだろうが、絶対そうだ」と海外メディアにだけ発言するという行動を見て、わたしは田中真紀子という人のことがよくわかるようになった。この人はお嬢様なんですね。
そう考えると、「自分にたてついた部下は絶対許さない」のも、「言動や行動が軽率」なのも、「留学経験があっていまだに外国人と話すのが好き」なのも納得できる。
さらに言えば、このことはファッションを見ても明らかで、扇国土交通相のような金持ちババアファッションでもなければ、川口外相のようなキャリアウーマンファッションでもなく、淡いピンクのスーツを着たり、私服で白のワンピースを着たりしているではないか。外見としゃべりは庶民のおばさんだが、心はいいとこのお嬢様なのである。事実いいとこのお嬢様なんだから、あたりまえだ。田中真紀子が「自民党は終わった」と公言し、政治改革を声高に主張するのは、ブルジョアのお嬢様が左翼運動に走るみたいなもんじゃないかと思う。(べつに悪いことではありません)
今日の夕食。
みじん切りにしたタマネギをローズマリーとバジルと五香粉を入れたオリーヴオイルで炒め、手でつぶしたトマトを加えてさらに炒めて、カレー粉とチリパウダーを盛大にふって混ぜ合わせ、鍋に移す。下ゆでしたレンズ豆も、ざるで水洗いしてから鍋に移す。塩コショウした鶏手羽元をオリーヴオイルで炒めて焼き色をつけ、鍋に移す。鍋につぶしたニンニクとトマトケチャップを加えて、20分ほどとろ火で煮る。途中、ときどき鍋をゆすってかき混ぜる。さて、世の中には「これはなんという料理か?」と訊く人がたまにいるのだけれど、そんなことはわたしも知らない。「鶏手羽元のトマト煮インド風」でも、「チキンカレー」でも、「鶏のハラホロヒレハレ」でも、好きなように呼べばよろしい。スパイシーでおいしかったので、わたしはべつに気にしません。半分残してあるので、明日温め直して、ごはんにかけてみようと思っている。
わたしは以下のような料理愛好家が大嫌いである。
まず、はなから「ミラノ風エマンセ・ド・ポール・オ・ジャンジャンブルをつくろう」と決めて、食材を買いに行く。それも、高級食材や1回しか使わないようなスパイスをどんどん買う。最初は大失敗し、とても食えないようなものができあがる。その後、ミラノ風エマンセ・ド・ポール・オ・ジャンジャンブルの名店であるエルスピア西麻布店に通いつめ、50回くらい失敗を重ねたあげく、ついに成功。
「やった! エルスピア西麻布店のミラノ風エマンセ・ド・ポール・オ・ジャンジャンブルと同じ味になった!……」それなら最初から、エルスピア西麻布店に行ってミラノ風エマンセ・ド・ポール・オ・ジャンジャンブルを食えばいいじゃねえか。
この手の人はたんに遊んでいるだけなので、どんなに料理が上手だろうが、わたしはまったく尊敬しません。
追記——ごはんにかけたら、ケチャップライスとカレーライスの中間のような味がした。ケチャップを抜くと、もっとカレーらしくなるんだろうなあ。ひと晩おいたら辛さがまろやかになって、おいしかったけれど、朝からカレーライス(もどき)はちょっときつかった。
4月の改編でNHK教育の外国語会話講座番組も新しい内容になり、新しい生徒役3人が記者会見をしていた。いずれもグラビアアイドルみたいな子ばっかりなんだけど、妙にうれしそうだったのが謎。山口もえ、井川遥以来、外国語講座は若手女性タレントの登竜門とみなされておるのでしょうか。変なの。
NHK朝の連続テレビ小説の新ヒロインが元てん娘。(「夜もヒッパレ」で結成したインチキくさいユニット)という事実にも、やや疑問を感じるわたしである。NHKは若者にこびたりしないほうがいいと思うが。いろいろな食材を入れたややこしい洋風煮物をしばらくつくりつづけた反動で、ここ2日間ほどは、おろしそばとか、ホウレンソウとベーコンのサラダとか、豚肉とアスパラガスの炒め物とか、アスパラガスのペペロンチーノとか、なんという料理かよくわからないがオーブントースターでよく焼いた豚肉こまぎれをおろし醤油で和えたものとか、超簡単な料理ばかり食べていた。ごはんを炊くのすらめんどくさかったので、主食はもっぱらトースト。
しかしながら、これはこれで充分おいしかったので、料理は手間暇や凝り方じゃないってことを、あらためて痛感した次第である。そういうわけで、世の旦那様方は、奥さんが突然こういう料理を食卓に出しても、「手抜きだっ!」と責めたりしないように。わたしみたいに料理が気晴らしになる身でも、めんどくさくなるときはあるんですから。
わたしは政治のことはよくわからないので、これは一テレビ好きとしての意見だが、辻元清美のだめなところは「サンデープロジェクト」と「NEWS23」に出演しちゃったことだね。田原や筑紫は味方だと勘違いしたんだろうが、テレビ屋さんは時の人を生出演させて視聴率とりたいだけですよ。したがって、出るなら全部の報道番組に出る、出ないならいっさい出ない、というのが正しい判断です。選り好みして出演するのは最悪。ほかの番組関係者から反感買うだけで、いいこと何もありません。
辻元清美は議員を辞めて、テレ朝のコメンテーターになればいいと思う。「スーパーモーニング」のレギュラーとかどうですか。「秘密の親子」とは何か、といろいろ考えた結果、オイルサーディンとちりめんじゃこのペペロンチーノをつくることにした。ちりめんじゃこやしらすは鰯の稚魚だから、これはいわゆるひとつの親子スパである。彩りと栄養バランスを考えて、ホウレンソウも加えた。
なかなかおいしかったが、たぶんこれは、ちりめんじゃこのペペロンチーノだけでも充分うまいでしょうね。実際、そういう料理を出すイタ飯屋もあるみたいだけど。ビリー・ワイルダー逝去。
うまいから嫌いな監督ではないけれど、熱狂的なファンになれなかったのは、わたしが人情味が薄いからでしょう。ご冥福をお祈りいたします。
昨夜(3/29)、NHK教育「今夜もあなたのパートナー〜金曜アクセスライン」を見ていたら、枝元なほみ先生が「カレー粉とトマトだけでつくるフライパンカレー」を紹介していた。ちょうどその日の夕食にほとんど同じものをつくって食べたばかりだったので、思わぬコイシンデンスに笑ってしまった。(ちなみに挽肉ととら豆のカレー煮物でした)
「これから主婦のあいだで流行ります」と枝元先生はおっしゃっていたが、少なくとも、わたしの最近のマイブームではある。カレーに限定せず、「トマトを調味料に使った洋風煮物」ということだけど。