神楽坂倶楽部 2008.12.02

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2008年12月2日(火)


 どうもあまり調子のよろしくない日々が続いています。っていうとこの前と同じ書き出しになっちゃうのかなあ。でもまあ、今回のは、「寒くなってきたから」っていう感じがはっきりしているので、かえってそれなりに対処のしようもある感じではあるんですけれどもねえ。食欲は相変わらずですが、まあ、秋口の一番ひどかったときよりはちょっとはいいのかなあ。一応なんとかちょこまかと食べられるものを食べてはいるんですけれどね。


 それにしてももう12月になってしまいましたねえ。去年のいまごろは……と思うとなかなかにいろいろと考えてしまうものがあります。うん、去年の今日って、いま日録を調べてみると、私、昭和大学病院を1回退院した日なんですね。ステントを入れて黄疸が落ち着いたので、いったん退院して、それからまた調子が悪くなってきて高熱が出て、12月10日に再入院し、ステントを入れ替える内視鏡手術を行い、そしてそのときには12月14日にまた退院しています。そうして、12月18日に癌センター中央病院に入院して、いよいよ20日に手術、ということになっているわけなんですねえ。


 思えばそれからもう1年たってしまったわけです。この1年はなかなか私にとっては大変な1年でしたが、それでもとにかく1年生きてきた、というのは、なかなかそれなりに感慨深いものがあります。「そのまま何もしないで放置しておけば、まあこの1年はもたないでしょうね」と先生に云われた、ということもありましたけれどもねえ。このあいだ医学雑誌をみていて、すい臓ガンの余命が平均で11ヶ月、長くて15ヶ月、というのを(再発した場合ですが)見て「そうか私いま平均余命の終わったところにいるわけか」と考えたりしていたですからねえ。いまのところ、あと1ヶ月以内に一気に容態が急変しておしまいになりそうな気配は自分ではないと思うんですが……だからまあ、毎晩お腹が痛くて寝られなくて辛い、くらいのことは、我慢しなくてはいけないですかねえ。


 今日は、ちょっとだけ元気があったので、クリスマスの箱を出して、あちこちの部屋じゅうにクリスマスリースや花を飾りました。去年はクリスマスの時期ってまさに手術直後だったので、それどころじゃなく、ただ旦那に「リース出してね」って頼んだけど、結局自分ではまったく見ることもなかったんですねえ。去年のイブと当日は、なにせ、集中治療室にいましたからねえ。それを思えば、自分でひょこひょこ箱あけて、あちこち飾りつけして、うちのなかがクリスマスになって、いい感じです。


 体調のよくないのは、転移の悪化したせいというより、どうも抗ガン剤で相当に、体そのものが参ってきて、特に胃腸関係がダメージがひどいようです。それで今回の休薬期間はいつもより1週間多く3週間とってもらったのですが、それでも完全に回復というまではゆかなかったですねえ。これが、このあと何年続くのかわからない、となるとなかなか私としてもめげますが、いずれは抗ガン剤ではどうにもならなくなるときがくるんだろうと思います。というか、「体が、癌でくたばるか抗ガン剤でやられてしまうか」のどっちかになってしまうんじゃないかと思う。


 私は免疫療法を続けているので、だいぶいいようで、白血球の数も落ちないし、免疫力もそれほど落ちてないようで、マネージャーや息子がカゼひいてごほごほいってたときにも、うつらずに終わりましたが、それでもやっぱりいろいろと考えながら生きてゆかなくてはならないんでしょうね、これからはもうずっと。そう思うと、クリスマス飾りを飾りつけながらも、そしてそれが26日にはただちに正月飾りにかわるんだなあ、などと思いながらも、それをあと何回見ることが出来るのか、出来るかぎり沢山生きておこう、と考えます。このところなんだか妙にインタビューが多くて、「いきいき」という健康雑誌や、「DANKAIパンチ」などという雑誌のインタビューも受けたんですが、まあどれでも同じようなことばかり云ってるかもしれませんが(だって基本的には、やっぱりガンのこと聞かれるしね)よかったら見てやって下さい。まもなくグインのほうは124巻が発売されます。今年の冬コミでは、定広美香さんとのコラボ本も含めて、なんと3冊新刊を出してしまいますし、まあそういう意味ではなかなか元気いいかもしれません。皆様も、よいクリスマスになるといいですねえ。



2008年12月2日(火)



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