銀飯党 朝食譚 「 生玉子 」



  .


う〜、なんという味気ない
朝食だ。


補習授業さえなければ
今頃は旅の空の下、
盗んだとて誰はばかることもない谷川の水を汲んでの一杯のカフェ。
傷付き疲れた戦士のかりそめの休息であったものを …… 。


しかも!、塩ジャケに生卵、ナスのお新香にインスタントみそ汁、そして冷や飯 〜〜 ? 。


こ〜りゃ難しい。


普通、主食である飯を 中心に漬け物、みそ汁などの前座をこなし、
その日の大物であるおかずとのドラマティックな一本勝負へとなだれ込んで行くもんだが …… 。


今日の対戦相手は手強い …… 。


全員がまぁ …… しょっぱい!!。


これを飯だけで迎え撃つのは非常に不利だ …… 。


まず、塩ジャケについている千切りキャベツを味方に抱き込まねばならない!。
がしかし千切りキャベツだけではまだまだ戦力としては心もとない。


ここは一番!、お茶の手助けも借りねばならん!!! 。


…… がそれでも不安は残る …… 。


飯に千切りキャベツとお茶を巻き込んだまではよかった。


正規軍としての一応の陣容は整ったといえよう …… 。


しかし、不気味な存在が …… 、
そう、それこそ今俺が直面している難問なのだ。


な・ま・た・ま・ご!!


くぉ〜!、メシにかけるには醤油を加えねばならん。


しかし醤油を加えて飯と混然一体となった様は、
もはや飯としてのプライドは失われていよう。


がしかし!!、生卵の本来持っている知能と体系を壊さずに
そのまま飲み干すほど、俺はヘルシー論者ではない …… 。


そう …… 、難問だよ …… 、これは …… 。



第191話 「 スペースサバイバル!、食うのは奴らだ 」





.