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「 忌むべき存在のエヴァ

「 またも我らの妨げとなるか 」
「 やはり、毒は同じ毒をもって制すべきだな 」





  だ、旦那しゃま?!、いけましぇん!

「 いい、アスカ。必ず、EVAシリーズは殲滅させるのよ。シンジ君もすぐに上げるわ。がんばって(ピッと転送先の切り替わる音)で、初号機へは、非常用のルート20でいけるのね」

対峙する真紅のエヴァと、白色のエヴァシリーズ。

「 必ず殲滅ね。ミサトも病み上がりに、軽く云ってくれるわ」
「残り3日間で機能モジュール九つ。一つにつき160分しかないぢゃないの!」





  だ、旦那しゃま?!、いけましぇん!


「 ぅおーりゃー 」


跳躍する弐号機。
着地と同時に、エヴァ9号機の頭を両手で握りつぶす。
倒れかかる9号機。
そのままグッと上に掲げ上げる。


頭上で9号機の背骨を二つにへし折る弐号機。


その顔に滝のように赤い液体が流れ落ちていく。


冷たい笑顔のアスカ。

アスカ 「 Erst …… !」



  だ、旦那しゃま?!、いけましぇん!


エレベーター入口

無理やり、シンジを連れてくるミサト。(引き画で)

コンクリの壁にルーと20の標記。

ミサト 「これね」

下のフロアから突然発砲される。

シンジをかばい、背中を撃たれるミサト。

ミサト 「うっ」

非常スイッチを押し、隔壁を閉めるミサト。

隔壁に着弾。続いて爆発。下のフロアに残された兵士ら。

兵士A 「逃がしたか!」

兵士B 「目標は射殺できず。ルート20にて第7ケイジへ移動中。追跡の是非を問う」

無線の声 「追跡不要。十分な足止めはできている。そこは爆破予定である。至急戻れ」

兵士B 「了解」

8


エレベーター前

非常灯の赤い光が二人を照らしている。(血が目立たないので、他のモノトーンか?)

ミサト 「これで、数分は稼げるわ」

怯えているシンジ。(自分を守ってくれる人が消えるかも知れないという、漠然とした恐怖)

ミサトの背中の銃創から、血が広がっている。

ミサト 「大丈夫。大したことないわ」

エレベーターのドアを開けるミサト。

ミサト 「電源は生きてる。いけるわね」

ミサト、シンジに顔を寄せて、台詞。

ミサト 「いい、シンジ君。ここから先はもうあなたひとりよ。全て、一人で決めなさい。誰の助けもなく」

涙も出ないシンジ。

シンジ 「僕はダメだ。ダメなんですよ・・・ヒトを、ヒトを傷つけてまで、殺してまでエヴァに乗るなんて、そんな資格ないんだ。

僕は、エヴァに乗るしかないと思ってた。

でも、そんなのごまかしだ。

何も、何もわかってない僕には、エヴァに乗る価値もないんだ。僕には何もない。

僕にはヒトの為に出来ることなんて、何もないんだ。

アスカにひどいことしたんだ。カヲル君も殺してしまったんだ。

やさしさなんか、かけらもない。ズルくて臆病なだけだ。

僕には、ヒトを傷つけるしか出来ないんだ。

だったら何もしない方がいい!!」

ミサト 「同情なんかしないわよ。自分が傷つくのがイヤだったら、ここで何もせずに死になさい」

ただ、嗚咽を繰り返すだけのシンジ。

ミサト 「今泣いたって何にもならないわよ」

ただ、嗚咽を繰り返すだけのシンジ。

ミサト 「自分が嫌いなのね。だからヒトも傷つける。自分が傷つくより、ヒトを傷つけた方が、心が痛いことも知っている。ただ、

どんな思いが待っていても、それはあなたが自分一人で決めたことだわ。価値のあることなのよ、シンジ君。あなた自身のことなの

よ。ごまかさずに、自分の出来ることを考え、償いは自分でやりなさい」

シンジ 「・・・ミサトさんだって、他人のくせに!!何もわかってないくせに」

ミサト 「他人だからどうだってぇのよ! あんたが今ここで何もしなかったら、私、許さないからね。一生、あんたを許さないか

らね!」

びっくりしているシンジ。

泣くのを止めて、ミサトを見つめている。

ミサト 「今の自分が絶対じゃないわ。後で間違いに気づき、後悔する。

私はその繰り返しだった。ぬか喜びと自己嫌悪を重ねるだけ。でも、その度に前に進めたわ」

聞いているシンジ

ミサト 「いい、シンジ君。もう一度エヴァに乗って、ケリをつけなさい。

エヴァに乗っていた自分に、何のためにここにきたのか、何のためにここにいるのか、今の自分

の答えを見つけなさい。そしてケリをつけたら、必ず帰って来るのよ」

シンジに胸のペンダントを渡すミサト。

ミサト 「約束よ」

シンジ(ポツリと) 「・・・うん」

シンジを抱き締めるミサト。

ミサト 「いってらっしゃい

と、シンジにキスを送る。

唇を重ねる二人。(途中ミサトからディープなやつに)

ミサト 「大人のキスよ。帰ってきたら続きをしましょう」

壁のスイッチを入れるミサト。

あっ、となるシンジ。

シンジの見た目、笑顔のミサト。

ドアが閉まり、下降を始めるエレベーター。

壁に血痕を残しながら、ズズッと倒れる。

ミサト 「こんなことなら、アスカの云うとおり、カーペット変えときゃよかった」

ミサト 「ねぇペンペン」

ミサト、最後の力で顔を上げ---

ミサト(少し甘えた声で) 「加持君。私、これでよかったわよね」

爆発するブロック。その火球に包まれるミサト。その直前に見えるレイの姿。


エレベーター内

涙と共に、グチャグチャになった顔を両手で拭うシンジ。

その手を見て、唇についていた血に気づく。

涙が止まらないシンジ。

ズズン。遠く、ケイジにベークライトが注ぎ込まれる音が響く。

ジオフロント

その様にもまるで動じず、、ゆっくりと包囲して行くエヴァシリーズ。

プログナイフを取り出すに号機。

11号機の顔面にナイフを突き刺す。

パキッと折れるナイフの刃。

火花を散らしながら、その刃が頭部に入り込んで行く。

弐号機の右手。ジャリリッと次の刃が出てくる。

アスカ 「次っ!」

6号機に飛びかかろうとする弐号機。

が、頭部が破壊されつつある11号機に腕を押されられてしまう。

さらに他の機体によりケーブルが切断される。

スタートするカウントダウン。

アスカ 「チッ!」

格闘インサート。

アスカ 「チックショーッ! あいつらだって内蔵電源だけのはずなのにぃ!」

格闘インサート。

アスカ 「なんでまだ、稼働してんのよ!」

11号機の首を引きちぎる弐号機。(首には脊椎パーツが付いたまま)

アスカ 「・・・まさかS2機関?」

首が折れても追ってくる11号機。

アスカ 「もぉうっ! こいつら、切りないわね! バカシンジなんか、当てに出来ないのにっ!」

○ 第7ケイジ前

初号機に四方からベークライトが注ぎ込まれた跡。

拘束具の大半がすでに埋まっている。溢れたベークライトも固まっている。

呆然とするシンジ。

シンジ 「・・・」

ジオフロント

ひねり回し蹴り等でもう1、2体倒すか?(一考)

一撃、何かを食らわした後、

ついに『0』になるタイマーカウント。

ガクンと突如、停止する弐号機。

アスカ 「キショーっ!! もう動けないのっ!」

軽く正面からケリを入れられる弐号機。

ズズンと森の上に倒れる。

組み敷かれ、両腕をナイフ(槍か?)で固定される弐号機。

大きく口が裂けていくエヴァシリーズ。

そのまま上乗りにされ、胸部から装甲を食いちぎられて行く。

(これもまた、ストレートに強姦のイメージで)

胸を押さえ、屈辱に染まるアスカの表情。

9

セントラルドグマ

リリスの下にたどり着く碇と全裸のレイ。

人の気配に気づく碇。

リツコ 「お待ちしていましたわ」

ゆっくりと二人の前で立ち上がるリツコ。

白衣のポケットから拳銃を取り出す。(右手のみ・左手はポケットのまま)

リリスの前で対峙する人々。(ある程度の距離あり)

リツコ 「ごめんなさい。あなたに黙って、先ほどマギのプログラムを変えさせてもらいました」

リツコ 「娘からの最後のたのみよ」

リツコ 「母さん。いっしょに死んでちょうだい」

左手がポケットの中でスイッチを入れる。

静寂。

リツコ 「作動しない? 何故?」

装置をみるリツコ、愕然となる。

カスパーが否決サインを出している。

リツコ 「カスパーが裏切った?・・・母さん、母さんは自分の娘より、自分の男を選ぶのね!」

銃をリツコに向ける碇。

その引き絵。

ゲンドウ 「赤木リツコ君。本当に・・・(爆発音か何かでよく聞き取れない)」

リツコ、自嘲の笑みを浮かべ---

リツコ 「うそつき」

響き渡る銃音。

レイの悲しそうな幻影を一瞬垣間見るリツコ。

LCLの湖の上がる水柱。



  だ、旦那しゃま?!、いけましぇん!



屈辱と怒りにまみれたその表情。


アスカ 「チクショーッ! 殺してやる。殺してやる。殺してやる。 殺してやるっ!!」

弐号機の頭部を貫通するロンギヌスの槍



T: ---つづく---