1 TOHO1
2 TOHO2
3 TOHO PICTURES|
4 MAIN TITLE
5 EITIN
6 Persecution of the masses (1172) / 上陸
7
ゴジラ上陸 /「
ゴジラ」/ 進化|22 EM20_CH_
alterna_03 / 報告
8 11174_rhythm+melody_demo / 対峙|23 EM20_CH_
alterna_04 / 共闘
9 Early morning from Tokyo (short) / 報道1|24
宇宙大戦争 /「
宇宙大戦争」/
ヤシオリ作戦
10 11174_light_edit_demo 索敵|25 Under a Burning Sky / 特殊建機第1小隊
11 EM20_rhythm_GZM / 組織結成|26 Under a Burning Sky / 特殊建機第2・3小隊
12 EM20_Jerry_GZM / 情報供与|27
Omni_00 / 終局
13
ゴジラ復活す /「
キングコング対ゴジラ」/ 再上陸
14
ゴジラ登場 /「
メカゴジラの逆襲」/ 脅威
15 Black Angels (Feb_10_1211) / 作戦準備
16 Fob_01 / タバ作戦
17 Defeat is no option (1197) / 侵攻
18 Who will know (24_bigsrow) / 悲劇
19 SS_103_GZM (Famously) / 報道2
20 EM20_Godzilla / 再始動
21 EM20_CH_alterna_01 / 巨災対
22 EM20_CH_alterna_03 / 報告
23 EM20_CH_alterna_04 / 共闘
24 宇宙大戦争 /「宇宙大戦争」/ ヤシオリ作戦
25 Under a Burning Sky / 特殊建機第1小隊
26 Under a Burning Sky / 特殊建機第2・3小隊
27 Omni_00 / 終局
28 終曲
29 END
TOHO 1
TOHO 1
(C)2016 TOHO CO,.LTD.
TOHO 2
TOHO 2
(C)2016 TOHO CO,.LTD.
TOHO PICTURES
TOHO PICTURES
(C)2016 TOHO CO,.LTD.
MAIN TITLE
MAIN TITLE
(C)2016 TOHO CO,.LTD.
EIRIN
EIRIN
(C)2016 TOHO CO,.LTD.
東京湾 横浜沖
同・羽田空港沖
海保隊員A |
漂流中と思われるプレジャーボートを確認。 |
|
船体の損傷を認めず。 |
|
船名、GLORY−MARU。登録番号MJG15041ひとごまるよんひと。所有者の照会を願う。 |
|
漂流船に移乗した。 |
海保隊員B |
すいませーん。誰かいますか? |
海保隊員C |
フライングデッキに人はいません。 |
海保隊員A |
船内は無人の模様。遺留物あり。 |
|
事件性は無さそうだが、海中転落の可能性あり。 |
|
やはり無人だ。曳航準備に入る。 |
|
うおっ |
東京湾アクアライン アクアブリッジ
同・アクアトンネル(上り線)
女性 |
えっ、何? |
男性 |
ちょ、ちょ、ちょ、待て、待て! |
東京都千代田区 首相官邸
同・5階 内廊下
志村 |
集約センターから第一報連絡です。 |
|
アクアトンネル上り線で亀裂による浸水。詳細は不明ですが、車両数台が巻き込まれた模様です。 |
|
先程、官邸連絡室が設置されました。緊参チームに参集指示が出ています。 |
矢口 |
了解した。総理は? |
志村 |
到着予定まで、28分あります。 |
矢口 |
今は情報が欲しい。下に降りよう。 |
志村 |
はい。 |
危機管理担当要員
( 警察庁 ) |
|
第一報確認します。発生日時8時30分頃、発生場所東京湾アクアラインアクアトンネル上り線2.5キロポスト付近。発生状況としましてはトンネル天井部に亀裂が生じ浸水あり ― |
同・地下 危機管理センター オペレーションルーム
危機管理担当要員
危機管理担当要員
( 海上保安庁 ) |
湾内発生中の水蒸気煙にはまなみの海保隊員数名が巻き込まれた模様。 |
同・幹部会議室
危機管理担当要員
矢口蘭堂 内閣官房副長官 ( 政務担当 )
郡山 内閣危機管理監
郡山 |
隧道事故案件は衝突事故発生を5件確認しています。 |
矢口 |
崩落の原因は、局地的な地震ですか? |
沖 気象庁次長
沖 |
現在、本庁に問い合わせ中です。 |
矢口 |
海上の噴火的事象との関連はどうですか? |
郡山 |
今は何とも。情報不足です。 |
危機管理担当要員
志村祐介 内閣官房副長官秘書官 ( 防衛省 )
志村 |
やはり、海底火山の噴火に見えますね。 |
矢口 |
にしては違和感があるな… |
東京湾 川崎人工島(風の塔)
海保ヘリ通信員|こちら、保安691水蒸気はなおも噴出中
海上保安庁 スーパーピューマ 225 MH691 いぬわし
海保ヘリ通信員|変色水が攪拌され海中の状況を確認できません。
郡山|状況が不可測だ。今後は複合的な初動対応が必要と思われる。官邸対策室に改組する。
オペセン|官邸対策室への改組に伴い消防庁災害対策本部、設置しました。
危機管理担当要員
(国交省)|三管 本部より連絡。湾内の航行船舶を入域制限。全域を無期限封鎖したとFAXで送信しました。
危機管理担当要員
(総務省)|国交省より当該沿岸部に避難準備勧告を指示との連絡あり。
東京湾 木更津人工島(海ほたるパーキングエリア)
アナウンス|避難勧告が出ています!直ちにここから退避してください。
警官|警察が誘導します!皆さん、急いで乗車して木更津方面へ避難してください!
再び 東京湾アクアライン アクアトンネル(上り線)
係員|浸水が続いています。
男性|うわ車どうしたらいい…
男性|トンネル水浸しだ。
係員|頭打たないように気をつけてください。
男性|すげぇ、滑り台。
同・避難連絡用スロープ
男性|うわぁ。
係員|騒がないで。
係員|1番避難口から救護所へ向かいます。
同・床版避難路
係員|歩ける方は徒歩による…
男性|すげえこんな風になってんだ。
女性|もうヤダよ、足痛い。
係員|車両が通過します。
係員|こちら上り線1番避難口です。
男性|あのー、こっちにケガしてる人いるんで、ちょっと来てもらっていいすか。
男性|すげぇなこれ!スクープ映像ってやつじゃね?
男性|うわっ。
女性|えっ、何何何?
女性|何なに?何の音?
男性|上に何かいるんじゃないか?
空港アナウンス|出発の飛行機は一旦、ターミナルに戻ります。
男性|ヤバイヤバイ。
女性|えっ、なっ何か分かんないけど怖い。
女性|あれっ……何あれ。
女性|何あれ、何あれ!
男性|何かいる!
首相官邸地下 危機管理センター 幹部会議室前階段
志村|総理、戻られました!
再び同・5階 内廊下
内閣総理大臣 及び 随行者一同
大門|ですからアクアトンネル崩落事故の原因は現在も調査中でありまして…
大河内|ああ、細かいことはいい。要するに死者は出ていないんだな?
大門|ハイ。
大河内|なら、対応は下に任していいじゃないか。
赤坂|いえ、二次災害の危険があります。幹事長との面談はキャンセルとし、5分後にレクを始めさせていただきます。
大河内|そうか、分かった。
首相官邸5階 総理執務室
東|これは、海中に何らかの熱源が存在する事象です。
東京湾における水蒸気爆発等複合事案に関する総理レク(チャー)
東|考えられるケースをあげて下さい。
関口 文部科学大臣
関口|国籍不明の原潜事故、メルトダウン等は考えられませんか。
花森 防衛大臣
花森|有り得ません。東京湾の水深では潜水艦の潜水航行は不可能です。
柳原 国土交通大臣
柳原|海上の現象は、マグマ水蒸気爆発だと思われます。やはり新たな海底火山の噴火が妥当なとこでしょう。
沖|あの、柳原大臣。そうは云いましても、震源地も浅く噴出物の成分はただの水蒸気と思われ、積極的に火山の噴火とは認められない事象でして――
柳原|え、そうなのか?なら早く云え!
沖|失礼しました。
関口|総理。新たな大規模熱水噴出孔も考えられます。
金井|そうだ。それに違いない!
矢口|しかし、噴出位置がトンネルの直上です。既に地質調査済みの地点では考えにくい事象だと思われます。
金井 内閣府特命担当大臣(防災担当)
金井|想定外だ。よくある事だろ。
矢口|総理。何物かが海底に居る可能性があります。
大河内清次 内閣総理大臣
大河内|何物って、何だ?
矢口|巨大な生物と推測します。ネットにはそれを裏付ける動画も存在します。
金井|バカバカしい。あれがクジラの潮吹きとでも云いたいのか。
関口|海水が沸騰しているんだ。百度を超える体温の生物なぞいる訳無いだろう。
河野 総務大臣
河野|本省もインターネット等の確認をしていますが、エビデンスとして確証に至るかどうか判断しかねます。
東 内閣官房長官
東|結論を急ぎましょう。ここは消去法で考えてはいかがですか。
柳原|そうですな。やはり新たな海底火山か大規模熱水噴出孔でしょう。他に考えられません。
東|では基本的対処方針をまとめて直ちに関係閣僚会議を開きます。よろしいですな総理。
大河内|うむ、分かった。
東|では、皆さん。大会議に集まってください。
赤坂|矢口。
総理レクは先に既定有りきの、結論路線だ。いい加減、かき回すのはやめとけ。
矢口|しかし、あらゆる可能性を具申すべき事案と考えます。
赤坂秀樹 内閣総理大臣補佐官(国家安全保障担当)
赤坂|やんちゃもいいが、お前を推した長官の立場も考えろ。いいな。忠告はしたぞ。
首相官邸4階 大会議室
アクアトンネル浸水事故及び東京湾における水蒸気爆発に関する複合事案対策会議(第1回)
里見農林水産大臣は豪州外遊中の為、不在
河野|隧道事故による重軽傷者数名の搬送は完了しております。東京湾海上に関しましては既に消防艇及び情報収集のヘリが出動しあらゆる事態に備えております。以上です。
柳原|次に東京湾沿岸等への対処ですが、噴火による噴石等の被害の危険性があるため警戒レベルを“避難準備”とし、羽田空港も万が一を考えて全便欠航として、危機管理を徹底しております。
失礼、訂正します。羽田空港の欠航による経済的損失よりも安全を優先する為の、やむを得ない処置として全便欠航とし――
以下、省略
柳原|――トンネル浸水事故の原因とされる新たな海底火山等ですが、現在までの所幸い有毒ガス等は検出されず、気象庁及び海保海洋情報部の調査研究チームを現地に送り、速やかな事故原因の撤退究明に努めさせて頂きます。
あ。ただ今噴火活動が急速に沈静化しているとの報告が入りました。
葉山|もう収まったのか。
鵜飼|大した事無かったな。
矢口|総理。改めて提言いたします。やはり原因は巨大不明生物である可能性があります。各省庁の検討を願います。
東|矢口。閣僚会議の席だ。冗談はよせ。
大河内|そうだ、議事録にも残るんだ。政府に恥をかかせる気か、そんなモノがいるわけないだろ!
葉山|……見込まれております。えー未だ復旧のメドが立っておりません。そのため損失額はその後さらに増大するものと思われ――
東|中断!会議を一時中断します!テレビ!テレビ点けて!
アナウンサー|信じられません!全く信じられません!未だかつてこのような事があったでしょうか。前代未聞です。海面に突如現れた物体を捉えました。現在姿は海中に消え、目視することができませんが、先程巨大な尻尾のようなものが海面上に姿を現しました!
関口|なっ、何だ今のは?
大河内|尻尾?
東|ええ、尻尾ですね。
赤坂|矢口の冗談が現実ならば、受け入れるしかないか。
東|事態急変のため、会議を中止します。関係閣僚は至急、総理執務室へ。
大河内|これは一体、何だ?
関口|巨大不明生物とし、か呼称しようがありませんが……目下、省内や大学や研究機関の生物学等、多方面から学識経験者を召集し、研究の有識者会議を設置すべく、候補者リストを作成しております。
大河内|早く正体を知りたい!急いでくれ!
関口|はい。
赤坂|総理。緊急の課題は、尻尾の正体よりも今後の対応です。
大河内|あっそうか。
金井|しかし、こいつは、思ったより想定外すぎるぞ。
郡山|ですが、対処プランの選択肢はシンプルです。静観つまり野放し。もしくは捕獲か駆除かそれとも湾外に追い出すか、ですね。
国平 内閣副総理大臣兼外務大臣
国平|でしたら、駆除でよろしいかと。
葉山 経済産業大臣
葉山|賛成ですね。
トンネル事故との関連はさておいても羽田は全便欠航、東京湾内は無期限全面封鎖されており、既に莫大な経済的損失が出ております。
河野|私も、駆除に同意します。
金井|そうだ。一刻も早く駆除すべきだ。そうだろう、防衛省!
松本 防衛省運用政策統括官
松本|えー。過去有害鳥獣駆除を目的とした出動は幾度かありますが、海自による東京湾内での火器の使用は前例もなく何とも……
柳原|まあまあ。事を荒立てず、穏便に追い出せないのか。
菊川|総理。各学会と環境保護団体が、貴重な新生物として捕獲調査を提言しています。定地網を至急湾内に用意してほしいそうです。
金井|いや、ここは駆除だ!魚雷とか使えばすぐ済むだろ。
花森|お気持ちは分かりますが、ここは火器使用も含め本省に検討の時間を頂きたい。
関口|私からも、ぜひとも捕獲を視野に入れた検討を願います。
矢口|速やかに、巨大不明生物の情報を収集し駆除、捕獲、排除と各ケース別の対処方法についての検討を開始して下さい。
平岡 内閣官房副長官補
平岡|それ、どこの役所に言ったんですか?
壱岐|水蒸気煙が、多摩川方面に向けて移動を開始した模様です。
金井|え、動くの?
柳原|そりゃ、生き物だからな。
東京湾多摩川河口
海保ヘリ通信員|巨大不明生物は、羽田D滑走路誘路側面から、多摩川河口に進入しています!
あっ!
大門|首都高湾岸線、多摩トンネルに浸水事故発生!損害不明!
河野|なんてこった。
関口|捕獲は無理だな。
安西 政務担当総理秘書官
安西|総理。まだ三名ですが、生物学の有識者が到着しました。
首相官邸5階 総理応接室
巨大不明生物の学術的正体に関する緊急有識者会議
志賀(仮名)古代生物学者
志賀|あのテレビの映像だけでは、太古の恐竜なのかクジラの亜種なのか、種目も何も判別はつきませんね。
柳(仮名) 海洋生物学者
柳|誰も見たことのない水生生物の新種。それ以上は現物を調査しないとなんにも云えません。
塙(仮名) 生物学教授
塙|そもそもあの映像が本物かどうか。実証もなく憶測で判断しては、もはや生物学とは言えんでしょうが。
大門|有識者会議、あと5分で終わります。
首相官邸5階 総理秘書官室
志村|こんな事してる場合かよ。
東京都大田区 呑川 旭橋
大河内|時間を無駄にした。御用学者じゃ何も分からん。
安西|おっしゃる通りです。
大河内|レベルは問わん。誰でもいい、すぐに話の分かる奴を呼んでくれ!
安西|かしこまりました。
矢口|志村。
志村|はい。
矢口|誰かいないか。
志村|確か、環境省にいる大学の先輩に詳しい人がいます。まだ課長補佐ですが。
矢口|構わないから、すぐに呼んでくれ。
尾頭ヒロミ 環境省自然環境局野生生物課長補佐
尾頭 |
この動き。基本は蛇行ですが補助として歩行交じっていますね。エラらしき形状から水棲生物と仮定しても、肺魚のような足の存在が推測できます。 |
矢口 |
もし足があるなら、上陸の可能性はありますか? |
尾頭 |
ハイ。可能性は捨て切れません。 |
大河内 |
本当か? どうなんだ。 |
大門 |
と云われましても、まだ所管官庁も正式決定しておりませんので。 |
関口|学者の意見では、例えヒレのような脚があっても水棲生物が陸おか に上がると自重で潰れて死に至りますから、学術的に上陸は万が一にもあり得ないとの事です。
尾頭|お言葉ですが、既に自重を支えている状態と考えます。
大河内|本当か?どうなんだ。
菊川 環境大臣
菊川|あっ、はあ……うちの課長補佐が失礼なこと言っておりますが、先ほどの有識者の結論も上陸行動は常識として考えられないと。
大河内|……そうか。
東|総理。隧道案件の被害もあります。一刻も早く国民を安心させる為の緊急の記者会見を開くべきかと。
赤坂|総理。会見の際は不確実な憶測ではなく、確実な情報だけを公表すべきかと。
大河内|分かった。防災服と原稿を用意してくれ。
東京都大田区 呑川 呑川新橋
首相官邸1階 記者会見室
大河内|巨大不明生物はアクアトンネル多摩トンネル等に甚大な被害をもたらし、現在東京都大田区の呑川を遡上しております。
その正体は現時点では不明ではありますが、上陸という事態は想定しづらく、水深が浅くなり川岸に打ち上げられたとしても自重で潰れ死に至ると思われますので、どうかご安心ください。
繰り返します。巨大不明生物の上陸はあり得ませんので、都民、国民の皆様、どうか御安心下さい。
壱岐|総理。会見中に失礼します。
大河内|え、蒲田に?
Persecution of the masses (1172) / 上陸
TOHO 1
(C)2016 TOHO CO,.LTD.
東京都大田区 蒲田
男性A|撮ってないで早く!
男性B|早く逃げろ!
男性A|早く!
記者|なんで……さっき“上陸はあり得ない”って……
首相官邸 地下通路
大河内|どうするんだ!上陸はあり得ないと言っちゃった後だぞ!
安西|ですから、文言はアレンジせず、報道官の原稿のままお読みくださいと――
大河内|ハッキリ云わんと国民は安心せん!心が伝わらんだろう!
安西|おっしゃる通りです。今、何故上陸できたのかを識者に問い合わせ中です。
大河内|済んだことはもういい!現状はどうなってる!?
郡山|総理。これは緊急災害対策本部を設置する案件と考えます。
大河内|分かった。
巨大不明生物に対する緊急災害対策本部の設置に関する閣僚会議(第1回)
東|設置に関する閣僚会議を終了します。で皆さん、これで。
首相官邸4階 廊下
澁沢|形式的な会議は極力排除したいが、会議を開かないと動けないことが多過ぎる。
尾高|効率は悪いが、それが文書主義だ。民主主義の根幹だよ。
澁沢|しかし、手続きを経ないと会見も開けないとは。
東|先ほど政府は、東京に上陸した巨大不明生物に関する緊急災害対策本部を設置いたしました。
これにより国民皆様の安全に対して万全の対策を講じ、速やかな避難活動を実行する為、都庁及び関係省庁との連絡を密とした――
危機管理担当要員
(防衛省)|巨大不明生物は大田区から品川区方面へ移動中。平均移動速度は時速13キロ程度と判明。
菊川|図体はでかいのに。随分と遅いなぁ。
矢口|この速度でも、3時間あれば首都圏を縦断します。
関口|東京は、意外と狭いし脆いからなぁ。
河野|やばいぞ。被害が尋常じゃなく拡大している。
金井|だからこそ、すぐに駆除すべきじゃないか!
花森|しかし、現場が人口密集地です。今は攻撃よりも避難を優先すべきです。
郡山|総務省と国交省に避難先の区域と搬送手段の確保を進めてくれ。
東京都新宿区 東京都庁第一本庁舎
同・9階 災害対策本部
都庁職員|官邸より当庁に対する、シャドウ・エバキュエーションを考えた避難処置の指示を受理しました!
小塚 東京都知事
小塚|何故、すぐに避難指示が出せないんだ。
田原|なにせ想定外の事態で、該当する初動マニュアルが見当たりません。
小塚|災害マニュアルは、いつも役に立たないじゃないか!すぐに避難計画を考えろ!
田原|しかし、このような事態の防災訓練も行なっておりませんし、
田原 東京都副知事
田原|パニックの回避を考えるならば、避難区域の広域な指定も困難です。
川又 東京都副知事
川又|ここは住民の自主避難に任せるしかありません。
恩地 警視総監
恩地|現場には、交通統制によるコントロールを徹底させます。
東京都品川区 国道15号 第一京浜
アナウンス|この信号は止まっています。直ちに降車して警察官の指示に従って行動してください。
区内全域に避難指示が発令されました。住民の方は直ちに避難してください。
父親|ママ!急いで!
小塚|このままでは、被害が拡大するばかりだ。
公安委員会に連絡をとってくれ。政府が動かないのなら都から有害鳥獣駆除として、自衛隊の治安出動要請を出すしかない。
危機管理担当要員
(防衛省)|遂に治安出動か。
危機管理担当要員
(内閣府)|それより、第76条の武力攻撃と解釈して、防衛出動の方が武器使用に対応し易いんじゃないか?
危機管理担当要員
(内閣官房)|武力攻撃と解釈するのは難しい。76条では、武力攻撃を与えてくる主体を国または国に準ずる物と想定している。防衛出動は出せない。
危機管理担当要員
(経産省)|今はそんな事を議論してる時じゃないだろ。どう見ても自衛隊しか事態に対処できない。
危機管理担当要員
(防衛省)|だがそれは、市街地で自衛隊が戦闘を始めることになる。
危機管理担当要員
(警察庁)|恐らく、総理は渋るよな。
矢口|ですから、総理。自衛隊の運用や国民の避難など政府による事案対象のあらゆる統合が必要です。直ちに災害緊急事態の布告の宣言を願います。
赤坂|今は超法規的な措置として、防衛出動を下すしか対応がありません。この国でそれが決められるのは総理だけです。
大河内|しかし、なぁ……今まで出たことがない大変な布告だぞ。その上、初の防衛出動の命令とは。
郡山|総理。警察による短時間での避難誘導は困難です。防衛出動となると、逃げ遅れた住民を戦闘事態に巻き込む覚悟が必要になります。
大河内|いやいや、それは……
国平|日米安保を適用し、在日米軍に駆除を肩代わりしてもらうのはどうですか?
花森|いえまず、この国の政府と自衛隊が動くべきです。安保条約があっても米軍はあくまで支援の立場です。
菊川|しかし、あれは生物です。下手に刺激すると被害が拡大する可能性もあります。
赤坂|そう、生物です。ですから人の力で駆除することができます。同じ自然災害と区分しても、地震や台風とは違います。
矢口|総理。国民を守ることが第一です。
東|総理。ここは苦しいところですが被害の拡大を防ぐ為にも承認の御決断を頂かないと。
大河内|今ここで決めるのか?聞いてないぞ。
東|時間がありません。御決断を。
記者|先程、初の災害対策基本法の災害緊急事態の布告を総理が宣言。巨大不明生物に対し自衛隊初の防衛出動が決定されました。
緊急措置として国会の承認を事後に回し、害虫駆除を目的とした戦後初の武力行使命令を総理が下した模様です。
東京都新宿区 防衛省 本省庁舎A棟
大庭|練馬の第1師団は既に都の要請により、災派で出ています。
同・地下 中央指揮所
浜田|引き続き、現運用部隊は救護と避難誘導任務を優先させます。
どの道、普通科の装備では対処できないでしょう。
石倉 陸上幕僚長
石倉|機甲科も特科も即応できない。やはり対戦ヘリしかないな。木更津の状況を確認しておけ。
部下|はい。
小沢 航空幕僚長
小沢|三沢のF-2を爆装させて上げるか?
浜田 統合幕僚監部運用部長
浜田|いえ。国民に被害が出た場合、自衛隊の存続に関わる可能性があります。使用武器は最小限に留めましょう。
北野 海上幕僚長
北野|ただし、彼の能力が不明すぎる。我の全力を投入する準備が必要だと考えます。
矢島 統合幕僚副長
矢島|そうだな。
三自衛隊の統合運用による作戦案を統幕長に進言しよう。官邸に連絡。
花森|東部方面総監を指揮官とした統合任務部隊を編成。作戦目的は駆除とします。
財前 統合幕僚長
財前|陸上部隊は住民の避難誘導優先で対応できない為、即応可能な回転翼機を主力とした作戦を立案しました。
郡山|総理。市街地での作戦なので老人や病人等が残っている可能性があります。
大河内|だとしたら、現場を見ない事には判断しかねるだろう。
赤坂|現状では、国民の生命及び私有財産への損害もやむを得ないと考えます。
東|総理。ここは苦しいところですが承認のご決断を。
大河内|……分かった。
千葉県木更津市 陸上自衛隊 木更津駐屯地
貝塚|対応が想定外で、前例がない危険な任務だ。隊員は志願させるのか?
芦田|いえ、ローテでいきます。
皆、入隊した時から覚悟はできています。
東部方面航空隊 第4対戦車ヘリコプター隊 第2飛行隊
芦田|気をつけ!敬礼!
陸上自衛隊 対戦車回転翼航空機 AH-1S
芦田|木更津離陸1308ひとさんまるはち、現着予定時刻1320ひとさんにいまる、送れ。
首相官邸 地下直通エレベーター
柳原|これで一安心だな。
ドでかくても生き物だ。自衛隊の武器で殺処分できるだろう。
金井|ああ、奴の死骸を利用した復興財源案を考えてみるか。
矢口|大臣。先の戦争では旧日本軍の希望的観測、机上の空論、こうあってほしいという発想などにしがみついたが為に、国民に300万人以上もの犠牲者が出ています。根拠のない楽観は禁物です。
東京都品川区 北品川
消防隊員|足元に気を付けてください!落ち着いて下さい。
消防隊員|早くここから離れて!急いで下さい。
消防隊隊長|地震災害時の避難場所では役に立ちません!新たな避難場所の指示を請う、どうぞ!
危機管理担当要員
(防衛省)|巨大不明生物が停止。突如進行停止した模様です。
大河内|停止?何だ、急に。
ゴジラ上陸 /「ゴジラ」/ 進化
ゴジラ上陸 / 「ゴジラ」 / 進化
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矢口|すごい。まるで、進化だ。
東京都品川区 品川神社
同・東急本線 北品川駅
同・八ッ山跨線線路橋
11174_rhythm+melody_demo / 対峙
11174_rhythm+melody_demo / 対峙
(C)2016 TOHO CO,.LTD.
貝塚|アタッカー1、こちらCP、送れ。
芦田|CP、アタッカー1、送れ。
貝塚|ホールディングエリア2に前進、別命あるまで待機、送れ。
芦田 第2飛行隊第1小隊長
芦田|アタッカー1、了解。
同・小隊長機 射撃手
射撃手|報告と形状が違います。
芦田|CP、アタッカー1、目標が報告と違う。繰り返す、目標が報告と違う!
貝塚|アタッカー1、CP、駆除作戦は続行。そのまま待機!指示を待て。
郡山|作戦展開区域の、住民避難完了との報告です。
財前|分かりました。
花森大臣。いつでも射撃を開始できます。
花森|了解しました。総理、本当に始めますよ。いいですね。
大河内|分かっている。やってくれ。
貝塚|アタッカー1、CP、巨大不明生物への射撃を開始せよ。射撃開始、繰り返す、射撃開始、送れ。
芦田|CP、アタッカー1、了解、射撃する。
目標正面、巨大不明生物頭部、距離300、発射用意――
観測手|射撃待て!射撃待て!
金井|何故、撃たないんだ?
陸上自衛隊 観測回転翼航空機 OH-1
同・観測手
観測手|目標周辺に人影を確認!射線上に住民がいる!
木更津駐屯地 第4対戦車ヘリコプター隊本部
貝塚|まだ人がいる!射撃の可否を問う!
朝霞駐屯地 統合任務部隊司令部
山岡|まだ人がいる!射撃の可否を問う!
防衛省本省庁舎 中央指揮所
矢島|まだ人がいる!射撃の可否を問う!
首相官邸地下 危機管理センター幹部会議室
財前|人が残っています。射撃を開始して構いませんか。
花森|総理。撃ちますか?いいですか?
総理!
大河内|中止だ!攻撃中止!
自衛隊の弾を国民に向けることは出来ない!
貝塚|アタッカー1、CP、攻撃中止、待機維持!送れ。
貝塚|了解。射撃中止!待機する!
危機管理担当要員
(防衛省)|巨大不明生物は、天王洲運河より離岸。首都高羽田線を破断し京浜運河から東京湾へ移動中!
東京都 大田区
Early morning from Tokyo (short) / 報道1
Early morning from Tokyo (short) / 報道1
(C)2016 TOHO CO,.LTD.
危機管理担当要員
(国交省)|よって羽田空港は全便が欠航中――
危機管理担当要員
(消防庁)|品川消防署管内、南品川付近にて新たな火災発生――
危機管理担当要員
(国交省)|都内各路線は京浜を除いて運転を再開――
アナウンサー|各国首脳から哀悼の意と支援の表明が届いています。
危機管理担当要員
(内閣府)|援助物資やスタッフの受け入れを東京都の防災課と至急調整してくれ。
アナウンサー|東京証券取引所は通常通り取引を行い、特別な事は計画していないと発表しました。
JR職員|東海道新幹線は、新横浜駅で折り返し運転を行なっています。
アナウンサー|アメリカ、フランスを始めとする各国の学術的調査団が成田空港や関西空港に降り立ち、現地へ向かいました。
危機管理担当要員
(防衛省)|現在、浦賀水道を探索中なるも、目標はいまだ発見に至らず。海自の横須賀地方隊が探索範囲を拡げ相模湾を中心に探索中。
アナウンサー|昨日の巨大不明生物上陸による死者行方不明者は100人を超え、今後も更に増えると見込まれています。
アナウンサー|大田区、品川区の火災はほぼ沈静化され、現在、金井防災担当大臣を団長とした政府視察団が派遣されており、直接被害状況の確認を行っております。
東京都大田区 巨大不明生物上陸による災害現場
巨大不明生物被害政府調査団
柳原|……上陸からたったの2時間強で、この有り様とは……
矢口|いえ。2時間強あっても、初期対応が至らず……残念です。
金井|想定外の事案だ。仕方ないだろう。
赤坂|完璧ではないが最善は尽くしている。うぬぼれるな、矢口。
内閣府係員|時間ですので報道関係者の取材を始めます。大臣は、こちらへ。
金井|分かった。
11174_light_edit_demo 索敵
11174_light_edit_demo(索敵)
(C)2016 TOHO CO,.LTD.
相模湾沖 大島付近
海上自衛隊 たかなみ型護衛艦 DD-111 おおなみ
航海長|両舷、前進強速。
操舵員|両舷、前進強速。
航海長|対潜、対水上警戒を厳となせ。
同・哨戒回転翼航空機 SH-60K
吊下式ディッピング・ソナー
花森|巨大不明生物は離岸後、金谷沖の東京湾底に潜行したと推測されます。
財前|現在、監視態勢を強化し、千葉沖と相模湾の哨戒を海自が遂行していますが、相模トラフに潜伏中となると、早期発見は困難です。
大河内|いつまた、どこに現れるか分からん、ということか。
再上陸への備えはどうなんだ?
東京都練馬区 陸上自衛隊 朝霞駐屯地
同・統合任務部隊司令部
三木|発見直後、水際での対着防衛作戦では、時間的に即応が困難です。
山岡 統合部隊指揮官(東部方面総監)
山岡|上陸地点と進攻方向のケース分けで、1次及び2次展開を考慮した作戦を考えるしかないな。
鮫島 東部方面総監部防衛部長
鮫島|はい。ケース別に特科、戦車大隊及びF-2が連動した運用計画を、速やかに立案させます。
首相官邸3階 エントランスホール
内閣記者会
新人記者|にしても、防衛拠点が関東近郊に偏ってますね。
ベテラン記者|迎撃作戦は、首都防衛が最優先だ。ま、5階からのお達しらしい。
新人記者|ここでも、地方は後回しですか。
ベテラン記者|東京の人口は1300万人強。GNPは約85兆円、日本の17パーセントの水準だ。関東地区に広げると200兆円、40%にあたる。国家の維持を考えた戦略的判断だ。仕方ないだろう。
新人記者|国を守るって大変ですね。
首相官邸5階 官房副長官執務室
矢口|防衛計画は市ヶ谷に任せて、官邸内に新たな専従調査班を設置することになったんだ。
東京都港区赤坂 割烹FUJINOSE
泉|巨災対だろ。君がその事務局長を拝命したと聞いている。出世してるな。いい事だ。
矢口蘭堂 巨大不明生物特設災害対策本部事務局長 兼務
矢口|そのチームの人選を泉に頼みたい。霞ヶ関には顔が広いだろ。
泉修一 保守第一党 政調副会長
泉|了解した。首をナナメに振らない連中を集めて渡すよ。
矢口|ああ。骨太を頼むよ。
立川|立川です。
竹尾|竹尾でーす。
職員|せーの。
首相官邸 二階会議室
EM20_rhythm_GZM / 組織結成
EM20_rhythm_GZM(組織結成)
(C)2016 TOHO CO,.LTD.
巨大不明生物特設災害対策本部(二階会議室)
矢口|巨災対事務局長の矢口だ。本対策室の中ではどう動いても人事査定に影響はない。なので役職年次省庁間の縦割りを気にせず、ここでは自由に発言してほしい。
森|という事だ。まあ便宜上私が仕切るがそもそも出世に無縁な霞ヶ関のはぐれ者、一匹狼、変わり者、オタク、問題児、鼻つまみ者、厄介者、学会の異端児、そういった人間の集まりだ。気にせず好きにやってくれ
森 厚生労働省医政局研究開発振興課長(医官技官)
森|で推定された基本スペックは、これだ。各省で確認してくれ。
竹尾|これだけですか?
森|それだけだ。その先を調べるのが我々の仕事だ。
他に何か基礎情報があれば共有しておきたい。
矢口|ちなみに、昨日の有識者会議では、あまりにも常識から外れすぎていて何も分からないという結論だったそうだ。
間 国立城北大学大学院生物圏科学研究科 准教授
間|確認された形状を簡単に整理してみた。第1形態、第2形態、そして第3形態だ。今後も変態を遂げると思われる
志村|まだ次があるのか。
安田 文部科学省研究振興局基礎研究振興課長
安田|あと、先日採取した体液のサンプルは、うちの理研で分析中です。
尾頭|サンプルがあるならうちにも回してください。外郭施設に手伝わせます。
安田|それが、残りのサンプルは全部米国が持ってっちゃいました
袖原 防衛省統合幕僚監部防衛計画部防衛課長
袖原|現場の残液は、腐敗臭がひどいという名目で全て焼却処分されたそうだ。
小松原 外務省統合外交政策局長
小松原|ああそれ。裏で米国の圧力があったらしいよ。
尾頭|分かりました。分析は理研に任せます。
森|他、行動生物学的にも何かないか?
安田|行動パターンと云っても、奴はただ移動してるだけです。なので、思考も特定できません。
間|知能レベルは不明だが、我々とのコミュニケーションは無理だろうな。
立川 資源エネルギー庁・ガス事業部原子力政策課長
立川|素朴な疑問なんだが、あれのエネルギー源は何なんだ?
安田|確かに、身体の活動だけではなく、基礎代謝だけでもかなりのエネルギー量が必要です。消化器官による酸素変換では消費量や動作効率が説明できませんね。
尾頭|あれだけのエネルギー……まさか核分裂?
安田|フッ、冗談ポイです尾頭さん。あり得ませんよ。
神奈川県 横須賀港
矢口|横須賀の米空母が緊急出港?
郡山|そうだ。先ほど横須賀市の放射線モニタリングポストに反応があるとの報告が入った。
矢口|分かりました。至急原子力規制庁に確認します。
東京都港区 原子力規制庁 監視情報課
根岸|ハイ。上から止められてるので公表を差し控えていますが、都内各地の放射線モニター空間線量に軽微な上昇が認められます。
矢口|どこから漏れていると考えられますか?原発ですか?
根岸 原子力規制庁監視情報課長
首相官邸5階 官房長官執務室
根岸|いえ。全国全ての原子力施設での放射性物質のリークは確認されておりません。
矢口|じゃあ、発生源は何なんだ。
安田|わあっ!わあっ!ああ……こんなんアリか!
矢口|えっ?
尾頭|このサーベイデータって、あの巨大不明生物の移動ルートと、完全に一致しています。
安田|見て下さい。ほら。
矢口|尾頭さんの言うことが正しかったということか。
安田|ごめんなさい。
尾頭|すでに一般市民の間でも、情報はかなり広がっていますね。
矢口|長官室へ行く。赤坂補佐官と森戸さんに連絡してくれ。
東|面倒だな、これは。
矢口|だからこそ、長官か総理が直ちに会見を開くべきです。
森戸 内閣官房副長官(事務担当)
森戸|とはいえ、発生源は特定出来ず、先の生物との関係性も不明なままの公式発表は、いたずらに不安をあおることになります。
赤坂|行政が避難指示を出す線量値でもない。すぐに政府が動く法的根拠もありません。
矢口|しかしいくら軽微とはいえ放射性物質の案件です。会見を急ぐべきです。
東|そうだな。私がやろう。総理には話しておく。
5分でいい。この後総理レクを入れてくれ。
日米首脳電話会談
大河内|Yes,President Ross, I understand. Thank you.
一方的な注文ばかりだな、彼の国は。
赤坂|米国大統領次席補佐官が密かに来日。非公式な会談を総理に望んでいる。
矢口|動きが性急過ぎますね。
赤坂|ああ。次席補佐官は既に横田を出てここに向かっている。外務省北米局が大慌てだ。同行の大統領特使が、お前にアポを取ったとの情報も入っている。
矢口|僕に?何故です。
カヨコ・アン・パタースン 米国大統領特使
パタースン|現政権のレポートを読んで、私が判断したの。過去も興味深い。使えそうな人物としてRANDOU YAGUCHIがベターな選択。不服でも?
矢口|いえ。そうでしたら赤坂首相補佐官が適任かと思いますが。
パタースン|ああ、彼が断ったから次点のあなたにしたの。何をしてもいいけど、私に汚点を残さない仕事をして。
この当該人物を捜してほしい。
矢口|その理由は何ですか?
パタースン|ここに上陸した生物の存在を数年前から予言していた人物。今はそれで十分でしょ。7日前にNARITAに降りた時点までは把握している。
矢口|GOROU MAKI。日本人。元大学教授。
パタースン|この国の捜査機関は優秀だそうね。期待してる。
矢口|その対価は何ですか?
パタースン|彼の情報とトレードして我々の蓄積情報をあなたに渡す。ただし、第3国にインテリジェンスは流さない。日米仲良く ウィンウィン。(Just. US-Japan, so Win-Win.)
矢口|わかりました、引き受けましょう。
(Understood. Let's get do it.)
パタースン|ありがとう。友人のパーティーから横田基地まで直行だったので着替えを用意する時間もなかった。
(Thank you. I rushed to yokota straight front a party. so I didn't have time to change.)
ZARAはどこ?
東|Kayoko Anne Patterson……。随分若いな。
赤坂|年齢より才能を見るのがあの国の良い所です。おまけにパタースン上院議員の長女です。
東|カーン合意、黒幕の娘か。手強そうだ。
親からの才能と七光りでのし上がる。君には苦手なタイプだな。
赤坂|いえ。親のコネも臆することなく利用する。矢口と同じ政治家タイプです。
東京都千代田区 中央合同庁舎第2号館
警察庁長官房長 執務室
本部|こんな時に人捜しですか。
沢口|矢口副長官からだ。彼の先代には世話になった。最優先で頼む。鑑取りにどれだけ人員を割いても構わん。
沢口 警察庁長官官房長
沢口|人的情報はこれだけだ。
本部 警察庁刑事局長
本部|日本から追い出されるように米国の研究機関に移籍した異端の老教授。生物学者生物学者なのにエネルギー関連の研究機関に帰属。面白い老人ですね。
レッドノーティスですか?
沢口|いや、生活拠点の特定までだ。後はNSAだかCIAだかが引き継ぐらしい。こちらに迷惑はかけないそうだ。
矢口|元教授の最後の足取りです。
パタースン|さっすが、おばあちゃんの国。仕事が速い。
矢口|先日来行方不明。羽田沖で漂流していた彼の小型船が無人状態で海保に保護されています。
パタースン特使。あなたが捜していたのは元教授ではなく、こちらでは?
パタースン|ええ そっちもね
(Yeah, that too.)
矢口|“私は好きにした、君らも好きにしろ”遺書と見るべきか。
中身の確認が必要ですか?
パタースン|必要ない。
(No need.)
信頼してる。
(I trust you.)
印刷は特殊インク。コピーは不可能よ。
矢口|写真は撮れます。対策チームには共有させます。
Godzilla?
パタースン|そう。米国エネルギー省のコードネーム“GODZILLA”
(That's right. It's the DOEs code name 『GODZILLA』)
彼が英語で名付けていた。
矢口|呉爾羅ゴジラ。どういう意味だ?
志村|ひとつだけヒットしました。元教授の故郷の大戸島で、神の化身を意味する言葉だそうです。
パタースン|荒ぶる神。彼が英語表記にGODを付けたと聞いている。
矢口|云いにくいな。日本名は本来のゴジラにしよう。
東|ゴジラ、ですか?
赤坂|こんな時に、名前なんかどうでもいいでしょう。
大河内|まあ、米国に由来があるならそれもいいじゃないか。名前は付いていることが大切だ。
アナウンサー|先ほど、政府首脳が非公式に巨大不明生物をゴジラ、ゴジラと呼称するとの談話を発表しました。
東京都千代田区 国会前庭(北地区)
早船|牧悟郎。元城南大学統合生物学部教授ね。
志村|どういう人物か調べてほしい。“記事にしていい時がきたら早船さんに独占させるのでよろしく”と、うちの先生が云ってました。
早船 記者(フリージャーナリスト)
早船|はい。分かってますよ。
矢口|今から60年前、各国に放射性廃棄物の無秩序な海洋投棄の資料ですか。
まさか、ゴジラが食べた?
パタースン|Yes.それがDOEの出した結論。
EM20_Jerry_GZM / 情報供与
TOHO 1
(C)2016 TOHO CO,.LTD.
パタースン|放射性廃棄物を餌とする生物の存在に気付いたDOEが、調査分析を嘱託機関に依頼。その中心人物がMAKI元教授だった。太古から生き延びた海洋生物が奇跡的に生き長らえていた生息地域に、偶然、大量の放射性廃棄物が海中投入され、その影響下で生き残るため、放射性に耐性を持つ生物へ急速に変化した。それがGodzillaに関する彼の仮説。
尾頭|しかし、パタースン特使。上陸したゴジラは当時の推定身長をはるかに上回っています。
パタースン|Yes.それに水生生物から陸上生物への急激な突然変異。今のGodzillaはDOEの情報を超えた状態で、私にも説明がつかない。私の権限で知りうる情報は、ここまで。ここからは、Personal service!
森|おい。
矢口|牧元教授の遺品ですか?
パタースン|Uh-huh.
矢口|さっぱり分かりませんね。
間|新元素による分子配列でもない。一体ゴジラの何なんだ?
パタースン|私も専門外でよく理解できないけど、構造レイヤーの解析表らしいの。彼が本国に残していた最終データには意図的な空白があり、解析不能だった。やはりこれと合わせると完全版になるみたい。
矢口|我々も解析を試みます。よろしいですね。
パタースン|Sure.
どうも日本語の敬語が苦手なの。そろそろ、タメ口にしてくれる?
矢口|では、遠慮なく。米国はゴジラをどうする気だ、研究対象かそれとも駆逐対象か?
矢口|それは大統領が決める。あなたの国は誰が決めるの?
内閣総理大臣 大河内清次 花押
内閣総理大臣及び総務財務両大臣請議 被害者救済と復興の特別法案閣議決定集書
首相官邸4階 廊下
内閣府官僚|ようやく被害者救済と復興の特別法案が閣議決定か。
内閣府官僚|ゴジラ関連法案も、なかなか省庁間のサブ調整が難しい。
内閣府官僚|前例のない案件なので組織令も曖昧だ。面倒を嫌った消極的権限争いも無理ないよ。
首相官邸2階 廊下
総務省官僚|機密保護案件だけは、紙爆弾もなく早かったな。
総務省官僚|外務省のゴリ押しだ。いつもの圧力があったらしい。
総務省官僚|情報は独占してることに価値がある。米国もゴジラ情報をこの先、外交的手段に使いたいからな。
総務省官僚|ホワイトハウスとやりあうなら、駆け引きの上手い、赤坂補佐官に期待するしかないよ。
神奈川県川崎市 東洋原子力研究所
根岸|現場で回収された放射性物質の分析結果です。検出されたγ線の波長が既存のそれと一致しません。大発見ですよ。ゴジラでしたっけ?その体内には未知の新元素が存在しています。
赤坂|DOEも絡んだ米国の素早い動きは、これが事由か。データを対策室に。総理に連絡だ。
秘書官|はい。
大河内|分かった。放射能とはまた面倒な話だ。で、どこまで云っていいんだ?
ゴジラの通過経路で回収された物質を分析した結果、被災地付近で0.5μSvという……
森|ごちそうさまでした。
安田|ごちそうさまでした。
森|しかし米国の情報供与等があったもののここに来てあれだな。色々と手詰まりになってきた感があるな。
安田|ですね。理研の報告はインパクトありましたからね。まさかゴジラに人類の8倍もの遺伝子情報があるとは。
根岸|シークエンスの作業だけで何年かかるか分からない情報量ですよ。
尾頭|これでゴジラがこの星で最も進化した生物だという事実が確定しました。
間|ゴジラは世代交代ではなく1個体のまま劇的な進化を続けている。まさに人知を超えた完全生物だ。
袖原|とはいえゴジラは生き物だ。ならば必ず倒せる。
間|だと、いいんだが。
森|それを探るのも、我々巨災対の仕事ですよ。体内情報だけでなく行動にも何かヒントはないか?
安田|とはいえ歩くだけですよ。
立川|そういえば、先の上陸時、なぜ急に東京湾に戻ったんだ?
間|そうか。冷えてないんだ。
間|ゴジラは恐らく体内に原子炉のようなシステムを有していて、背びれ等から常時放熱をしている。だがそれは余熱調整の補助で、メーンは血液流を冷却機能としてる可能性が非常に高い!
安田|だから、最初の形状変態時は体温調整がまだうまく働かず、一時的に退化し海中に戻ったと推測できます。
根岸|そこから考えられる唯一の対処方法が、体内冷却システムの強制停止です。
尾頭|停止されるとゴジラは生命維持のため、自ら反応炉をスクラム状態にせざるを得ないと思われます。その過程で急速な冷却を必要とするので、死に至るかは不明ですが少なくとも活動の凍結は可能です。
町田 経済産業省製造産業局長
町田|その為の血液凝固促進剤の経口投与の可能性を模索すべきと考えます。
矢口|ゴジラは直立歩行形態になっている。できるのか?
袖原|具体的な実行方法は、朝霞で立案します。経口投与には民間の高圧ポンプ車が使えそうです。
竹尾 国土交通省危機管理・運輸安全政策審議官
竹尾|必要な凝固剤や特殊車両等は、厚労省、経産省、うちの役所で各自手配して、全国からかき集めます。
森|これを矢口プランとして、総理への提案をお願いします。
矢口|わかった。名前はともかく、進めてくれ。
一同|ハイ。
デモ隊|ゴジラを倒せ!
デモ隊|ゴジラは神だ!
デモ隊|ゴジラを倒せ!
デモ隊|ゴジラを守れ!
広田|ごくろうさまです。
矢口|ああ。いつもありがとう。
志村|ありがとうございます。
矢口|みんな。少し休むか。
一同|はい。
矢口官房副長官秘書官室メンバー
志村|頼んでもないのに黙々とやれることをやって、“家庭があるだろうから帰ってもいいですよ”と言っても帰らず、あるいは帰ってもまた早朝に手料理を持って出勤してくれたりしています。マジ、感動ですよ。
津秋|ゴジラ関連法案の整備も、泉政調副会長の調整もあって、各省が所管にとらわれずよくやってくれています。
檜山|担当部署以外のメンバーもたくさんの志願者が参加して、不眠不休で頑張っています。
矢口|そうだな。この国はまだまだやれる。そう感じるよ。
志村|しかし、副長官。そのシャツはいつから着ているんですか。
矢口|うん?
尾頭|正直、服も部屋も少しにおいます。
矢口|そうか?
矢口|シャワーぐらい浴びても、よろしいかと思われます。
志村|副長官!1分前にゴジラが相模湾から出現。
鎌倉に再上陸します!
ゴジラ復活す /「キングコング対ゴジラ」/ 再上陸
ゴジラ復活す/「キングコング対ゴジラ」/再上陸
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神奈川県鎌倉市 稲村ガ崎
危機管理要員
(消防庁)|J-ALERTを発動。巨大不明生物上陸警報を一斉に伝達!
危機管理要員
(内閣官房)|Em-Netによる第一次情報の通知及び送信を完了しました!
防災行政無線|こちらは、防災かまくらです。ただいま政府により巨大不明生物出現による緊急避難警報が発令されました。市民のみなさんは警察、消防の指示に従い……
大門|総理、入ります。
防衛省 リエゾン|目標は鎌倉市街を抜け、釜利谷方面へと侵攻する模様。
柳原|おい。初上陸よりかなりデカくなってないか?
金井|ああ。まったく想定外の大きさだ
葉山|顔や姿もまるで違うぞ。
矢口|ええ。身長が2倍近くになっています。
さらに進化したゴジラ第4形態です。
ゴジラ登場 /「メカゴジラの逆襲」/ 脅威
ゴジラ登場 /「メカゴジラの逆襲」/ 脅威
(C)2016 TOHO CO,.LTD.
関口|こいつは、大事になりそうだ。
神奈川県横浜市磯子区 洋光台
消防隊員|該当地区以外の住民は屋内待機です。許可のない外出は法律で禁じられています。
アナウンス|当地区は避難該当区域に指定されました……
防衛省 リエゾン|巨大不明生物、3時間以内に再び都内侵入の可能性大!
佃 法務大臣
佃|なんでまたこっちに来るんだっ。
神奈川県川崎市川崎区 扇町
葉山|配布資料にある通り、攻撃に際し体内の放射性物質の拡散等のリスクが存在しますが、再び首都蹂躙を許すわけにいかず、ここは侵攻阻止を優先すべきと考えます。
河野|ゴジラは放射性物質が補給源と聞く。もしも原子力関連施設を襲われたら、ゴジラより大変なことになる。
総理。今のうちに叩くべきです。
国平|総理。海外から弱腰と見られる事態も避けたいと考えます。
大河内|例の矢口プランの進捗はどうなってる?
矢口|残念ながら実行に至るまではまだ――
花森|総理。命令があれば自衛隊は市街地でも徹底的にやります。
東|災害緊急事態の布告は、今も継続中です。攻撃は、総理の御意志で決まります。
赤坂|総理。
大河内|分かっている。始めてくれ。
花森|分かりました、総理。市ヶ谷に連絡を。
財前|はい。
矢島|総理から新たな作戦の実施が下命された。武器使用は無制限までを想定。防衛大臣からは“いざとなったら徹底的にやれ、必ず都内侵入前に駆除せよ”との事だ。
高須|神奈川上陸の場合は、B号計画となります。
山岡|よし、川崎側を主戦場とする駆除作戦、B-2号を発動せよ。
三木 東部方面総監部幕僚長
三木|了解。多摩川を絶対防衛ラインと想定するB-2号、“タバ作戦”を開始。
Black Angels (Feb_10_1211) / 作戦準備
Black Angels (Feb_10_1211)/作戦準備
(C)2016 TOHO CO,.LTD.
青森県三沢市 航空自衛隊 三沢基地
パイロットA|Taxi to holding point B1, RWY10ランウェイワンゼロ.
パイロットB|RWY10ランウェイワンゼロ. Cleared for take-off.
航空自衛隊 戦闘機 F-2
千葉県木更津市 陸上自衛隊 木更津駐屯地
戸川 ヘリ隊長|Attacker formation will report 5 mile west.
東京都立川市 陸上自衛隊 立川駐屯地
アパッチ第3小隊長|P03・04まるさん まるよん、立川離陸1536ひとごさんろく。
東京都大田区 多摩川丸子橋緑地
通信員A|戦車及び特科大隊、丸子橋方面へ配備中。
通信員B|了解。射撃準備態勢に移れ。
花森|頼んだわよ。
東京都大田区 多摩川浅間神社
通信員C|会敵予想時刻まで、後8分。
通信員D|警視庁より連絡。第1指定区域内は避難完了との連絡有り。
1等陸士|ホントにここで実戦なんですね。
陸士長|緊張すんな。訓練通りやりゃあいい。
多摩川浅間神社境内 タバ戦闘団前方指揮所
西郷|目標は体内に放射性物質を有している。よって攻撃は頭部と脚部の―
西郷 タバ戦闘団長(第1普通科連隊長)
西郷|ピンポイントのみとする。改めて全部隊に徹底させろ。
通信員E|戦車大隊、射撃陣地に進入完了。
通信員F|特科大隊、射撃準備完了。
通信員G|御殿場の多連装、準備完了。
通信員C|目標接近。会敵予想時刻まであと3分。
通信員D|第1から第4対戦ヘリ小隊、間もなく現着。
陸上自衛隊 対戦車ヘリ中隊
西郷|C01まるひと、こちらCP、送れ。
戸川 ヘリ隊長|CP、C01、送れ。
西郷|C01、CP、P01は武蔵小杉駅上空、BP1にて待機。P02まるにから04まるよんはビル群後方、ホールディングエリア2にて待機、送れ。
神奈川県川崎市 武蔵小杉駅付近
戸川 ヘリ隊長|CP、C01、BP1進入。目標との距離、約1200、送れ。
西郷|了解。待機維持せよ、送れ。
防衛省 リエゾン|対戦ヘリ小隊による威力偵察、準備完了。
郡山|全該当地区の避難完了を確認しました。
大河内|郡山君。今度は本当だな。間違いないな。
郡山|私は現場の報告を、信じるだけです。
財前|目標、依然進行中です。
花森|総理。武器使用の承認をお願いします。
大河内|武器の使用を許可する。
鮫島|総理の下命を確認しました!
山岡|射撃を許可する。射撃開始!
西郷|タバ作戦、フェイズ1を開始する。射撃開始、繰り返す、射撃開始、送れ。
戸川 ヘリ隊長|CP、C01、了解。射撃する。
戸川 第4対戦車ヘリコプター隊長
戸川 ヘリ隊長|発射用意、発射!
通信員|機関砲、全弾命中!しかし効果を認めず!
西郷|アパッチの30ミリに切り替えろ。もう少し様子を見る。
陸上自衛隊 戦闘対戦車回転翼航空機 AH-64D
通信員D|ニンジャACP、威力偵察第3波展開中。効果を報告せよ。
観測員|第3小隊、攻撃続行中。目標健在。未だ効果なし。
三木|16000発もの機関砲を食らい続けて、傷ひとつ付かんとは――
山岡|市ヶ谷と官邸に連絡。
財前|東部方面総監が、誘導弾の使用許可を求めています。
花森|人口密集地ですがやむを得ません。総理。ミサイルの使用を許可しましょう。
大河内|今より武器の無制限使用を許可します。
Fob_01 / タバ作戦