✒ こんなもん、整備できるかっ!

PW R-4360

  
R-4360・ワスプ・メジャーは、第二次世界大戦中に設計・製造された、航空機用空冷星型レシプロエンジン
ワスプ・メジャーは、星型の7気筒エンジンを4基直列につなぎ合わせた、四重星型28気筒エンジン。
シリンダーの角度を各列で少しずつずらし、緩やかな螺旋を描くようになっており、後列の冷却(空冷)の助けとしている。

プロペラブレードの先端が非効率的な超音速に達しないように、
減速機のギア比は 0.375:1 に設定された。
一方、スーパーチャージャー(遠心式)のギア比は 6.374:1 に設定され、これにより過給が行われた。

飛行中の信頼性は高いものの、整備が大変なエンジンでもあった。
始動方法を誤ると56個全ての点火プラグが汚れて(「 かぶって 」)しまい、
こうなると清掃または交換にかなりの時間を要することとなった。
同じ時代のほとんどの航空用ピストンエンジンと同じように、
ワスプ・メジャーが商用として利用されるときのオーバーホール間隔 (TBO) は、およそ600時間であった。

総排気量は4,362.50 in3 (71.5 L) であり、これがモデル番号となった。

最初のモデルは3,000 hp(2,240 kW)を達成したが、
最終的なモデルはスーパーチャージャーに加えて
2台の大きなターボチャージャー(排気タービン過給器)を搭載し、4,300 hp (3200 kW) を達成した。

重量は 3,482 から 3,870 lb (1,579 から 1,755 kg) とかなり重かったが、1.11 hp/lb (1.83 kW/kg) のパワーウェイトレシオを実現しており、これに匹敵するレシプロエンジンは少ない。

主要 諸元 (R-4360-51VDT)
形式 :過給式空冷4連星型28気筒
ボア :5.75 in (146 mm)
ストローク :6.00 in (152 mm)
排気量 :4,362.5 in3 (71.49 L)
全長 :96.5 in (2,451 mm)
直径 :55 in (1,397 mm)
乾燥重量 :3,870 ポンド (質量)lb (1,755 kg)
バルブ: シリンダ当たり2つのポペットバルブ
過給機: ギア駆動1段可変速遠心式スーパーチャージャー
ターボチャージャー ゼネラル・エレクトリック CHM-2
燃料供給方式: Stromberg (en:Stromberg) 4-バレル圧力式キャブレター
燃料 :108/135オクタン ガソリン
冷却方式 :空冷式
出力 :4,300 hp (3,210 kW)
排気量あたりの出力: 0.99 hp/in3 (45.0 kW/L)
圧縮比 : 6.7:1
パワーウェイトレシオ :1.11 hp/lb (1.83 kW/kg)