フランク・ザッパ関連のHPを見つける。きれいだし、よくできてるね。なんでも、この太陽系には「ZappaFrank」という小惑星が実在するらしい。発見者がザッパ・フリークだったとか。(>ザッパとわたし)
ネットサーフィンしていたら、ゲイ専門の通販サイトに迷い込み、若い白人男性の勃起したチ×ポを死ぬほど見ることができた。見たくねーってば。
サミュエル・R・ディレイニーの死ぬほど詳しいリンク集を発見した。ディレイニーが比較文学を教えているマサチューセッツ大学のアドレスまであって、行ってみると、研究室の電話番号がわかる。電話かけられるじゃん。
いくつかたどって、ディレイニーの『アインシュタイン交点』朗読を聴いた。ちょっと感動。柄谷行人の公認HPにようやくたどり着く。世界が相手なので、当然すべて英文。なかなかきれいな出来映えだが、柄谷行人のポートレイトや柄谷FAQは載っていない。真面目なHPです。
ワールドワイドな文通募集コーナーを見学する。日本人女性も参加しているのだが、募集要項を見ると、
「ヨーロッパ人で、身長190cm以上の男性の方」
とか書いてある。Eメールで文通するのに、どうして国籍や身長に制限があるのか、さっぱりわからん。コレージュ・ド・パタフィジークの公式(だと思う)サイトを発見した。
これはすごい。アルフレッド・ジャリ『フォーストロール博士言行録』が全文アップロードされているではないか! ほかにもEテクストがいっぱい。わたしのようなニッチな人には、宝の山だ。
ところが、問題がひとつだけある。全部フランス語なのよ(あたりまえだ)。文字セットをUnicodeにしないと、ちゃんと表示すらされない。うーむ、困った。
というわけで、フランス語勉強しようかな、と思う今日この頃。ウリポ(Oulipo、ポテンシャル文学工房)関連のHPを見つけた。
ステファン・シンクレアというクイーンズ大学(カナダ)のフランス語学科の先生が運営しているページ。英仏対訳なので、大変ありがたい。(さすがカナダ)
このHPそのものはたいしたことなさそうだが、いろいろなところへ飛べそうである。なかにはジャン=ピエール・ブリッセ著作の英訳抜粋などというものもあって、ニッチなわたしは大変そそられました。ジャン=ピエール・ブリッセ『神の叡智』抜粋(Excerpt from La Science de Dieu, 1900, translation by Stephanie Lysyk and Stefan Sinclair)を読んでみた。
ブリッセというのは、レーモン・クノーが見いだした「トンデモ作家」(les fous litteraires)のひとりで、フランス語の音韻分析からいろいろなことを「大発見」した人。「ヘブライ語はじつは日本語だった!」とか、そーゆーたぐいの人です。
この著書での「大発見」は、人間の先祖は蛙だった、というもの。
「あらゆる言語は、われわれが蠅を食べて生きていた時代の記憶を保存している」
いきなり、これ。クノーが大喜びしたのも無理ないわ。
抜粋は主に「性の形成」に関する部分で、「セックス」という言葉のフランス語の語呂合わせがいっぱい出てくる。フランス語ができる人は、もっと楽しめるんだろうなあ。
「オハイオ=おはよう」の語呂合わせをフランス人が読むみたいなもので、よくわからないのが残念である。ネットサーフィンしていると、突然、ソファかなんかでポーズとってる女性が表示されて、
「あたしのプライベート・ページにようこそ! ××ドル振り込んでくれたら、あたしの内緒の写真を見せちゃうわ」
などと書いてあることがあるが、これ、儲かるのかね。儲かるなら、わたしもやろうかな。かと思えば、どこかのご家庭が運営しているHPもあって、見てみると、
「グランド・キャニオンにて」
などという思いっきり旅行先で撮った家族写真が表示されたりする。なんか、ほのぼのした気分になる。
チ×ポやマ×コに飽き飽きした人間には、一服の清涼剤ですな。ユハ・レンドロースというフィンランドの人が運営しているサイトを発見。
このサイトはすごいよ。たぶんユハさんの趣味なんだろうと思うけど、取り上げられている人たちは、バリントン・J・ベイリー
チャールズ・ハーネス
A・E・ヴァン・ヴォート
ジェイムズ・ブリッシュ
P・K・ディックそう、おそらく世界で唯一と思われる「ワイドスクリーン・バロック専門サイト」なのだ。専門じゃないか。K・W・ジーター、サミュエル・フラー、チャールズ・ウィルフォードのページもあるから。
特に力が入っているのが、ベイリーのページ。開くと、いきなり小さなウィンドウが出てきて、
「ベイリーの作品で何が好き? 投票してね」
と表示される。わたしは『時間帝国の崩壊』に投票したが、結果を見ると、1位にランクインされていた。わたしの好みは世界標準なんだな。
あと、ビブリオはあるわ、インタヴューはあるわ、ものすごく充実している。アップデートというコーナーでは、毎日のようにベイリー関連情報が掲載されている。すげー。
わたしはこのページで、ヴァン・ヴォートが今年の1月26日に亡くなったことを初めて知りました。まだ生きてたのか。Delawareというのは、昔、面識があったサマタマサトさんがやっているバンドである。たぶん、バッファロー・ドーター以上に知る人ぞ知るバンドだろうな。
わたしはサマタさんから、すごーく影響を受けた。いまでも忘れられないのは、「2時間でわかるポール・マッカートニーのすべて」というレクチャーを受けたことだ。
それまでポールのソロはほとんど聴いていなかったわたしは、
「何を聴けばいいですか?」
と訊ねてみた。すると、サマタさん曰く、
「まず、ファーストね。これは最高傑作だから必聴。あとは《Ram》と《Paul McCartney II》かなあ。ウィングスなら《Wild Life》。《Band on the Run》とか《Red Rose Speedway》は、かっこいいけど普通だから、聴かなくていいよ」
いまにして思えば、この教えは異常である。エラリー・クイーン初心者に、まず『十日間の不思議』を読め、と言うようなもんだ。
決して間違ってはいないのだが、初心者に勧めるもんじゃない。ポールが好きで好きで、全部聴き倒したあげくに行き着くマニアのセレクションである。
しかし、素直なわたしは、サマタさんの教えを忠実に守り、おかげで最初から偏向したポール・マッカートニー・ファンになってしまった。ポールの最高傑作は、やっぱり〈Check My Machine〉だよな。こう言うと、サマタさんは偏った趣味の人(マニア)のように思われるかもしれないが、じつに鋭い人なんですよ。
「ビートルズで知っておかなければいけないことは、ふたつだけだ。ジョンはロックンローラーで、ポールはアイドル。これさえ押さえていれば、ビートルズのことはすべてわかる」
という教えはまったく正しいと、いまでも思っている。応用問題——XTCはついにアンディとコリンのソングライターふたりだけになってしまった。ビートルズで言えば、レノン=マッカートニーだけが残ったようなものだが、このふたりは両方ともポールなのである。しかも、「アイドル性ゼロのポール」だ。ロックンローラーもアイドルもいないビートルズ。XTCが一般受けしない(そしてマニア受けする)原因は、ここにある。
Delawareの新譜のデモ(MP3)があったので、ダウンロードしてみた。タイトルは〈BITMAP>。ポール・マッカートニーの〈Bip Bop〉のカバーで、
「ビットマップ、ビママップ、ビットマップ、ヘイヘイヘイ」
などと歌っている。ペラペラのギターはプラスチックスみたい。オールド・ウェイヴ・オヴ・ニュー・ウェイヴだな。
この選曲、この歌詞、このアレンジ。サマタさんのセンス全開である。DelawareのHPは、デザインもきれいなので、一見の価値がある。
「ベジェや3Dレンダリングなんて、つまんねえ。コンピュータはやっぱりビットマップだぜ!」
という主張がうかがえる。ドラムはやっぱりTR-808が最高、というようなものですね。
カッコイイこと、トンガッテルことに命賭けてる男の生きざまを見よ。殊能将之センセー上京のニュースが、大森望さんと巽孝之さんのページに報告されていた。
どちらにもティム・バートン監督最新作「スリーピー・ホロウ」が言及されているのは、偶然だろうか。大森さんの日記には、ユハ・レンドロースさんのサイトへのリンクが設けられていた。これで心あるSFファンはアクセスするだろう。よかった、よかった。
Wordsmith(言語職人?)のHPは、なかなかおもしろい。
基本サービスは三つあって、ひとつは毎日珍しい英単語を教えてくれる"A Word A Day"(1日1語)。新聞の語学うんちくコラムみたいなもの。メーリングリストにもなってるらしい(参加してないけど)。
もうひとつはメールによる英語辞典。"define prototaph"というようなサブジェクトのメールをWordserver宛に送ると、語義をメールで返信してくれる。普通の英英辞典並の単語しか収録していないようだが、図書館に行くのがめんどうくさいときには便利。
あと、略語辞典もあって、知らない略語が横行しているインターネットの世界を探索するうえでは、こちらのほうが役に立ちそうだ。わたしはここで"MIME"とはどういう意味かを知りました。最後はオンラインのアナグラム生成サービスで、英文を入力すると、ダーッと8000通りくらいのアナグラムを出力してくれる。グレッグ・イーガンも愛用してるんじゃないだろうか。
こんなことで感動する人間は、たぶん日本に20人くらいしかいないと思うが、フランク・プランプトン・ラムジーの顔写真を発見して、感動した。そうか、こういう顔をしていたのか。自分でデブだと書いていたが、それほどでもないじゃん。