[19] ネルフ本部
日向 . : . マグダレナ観測所より入電。 3分前に突然現れました。 青葉 : 目標を第三監視衛星が捕捉 ミサト : 光を捻じ曲げるほどのATフィールドとは恐れ入るわね。 で狙いは …… 当然、ここよね マヤ : マギによる再計算。 本部への命中確率、99.9999 % (シックスナイン) です 日向 : N2 航空爆雷もまるで効果がありません
[20] 作戦司令室
マヤ : マギの予測では被害予想範囲、直径40キロ、ジオイド越えます 1万5千キロレベル ミサト : まさに使徒そのものが爆弾みたいなものね マヤ : ATフィールドに落下の威力も追加されますから… 日向 : それだけの威力なら、ジオフロントは壊滅、セントラルドグマまで丸裸にされます ミサト : 司令と通信は? 青葉 : 使途の影響で上空の電波が不安定のため、連絡が取れません。 現在通信不能 ミサト : こちらで独自に判断するしかないわね…日本国政府及び関係各省に通達。 ネルフ権限における特別宣言D-17を発令。 半径120km全市民はただちに退避 青葉 : 問題ありません。 既に政府関係者から我先に逃げ出してますよ 日向 : 一般人の退避完了 マヤ : マギのバックアップは松代にお願いしました リツコ : で、どうするの? 日向 : この距離からのATフィールドを突破できる射程を収めた兵器は現在ありません 作戦課員 . : . 空間のゆがみが酷く、あらゆる地点からの狙撃も不可能です 青葉 : いくらエヴァといえども、空が飛べるわけではありませんし 日向 : こんなべらぼうな相手では手の施しようがありませんよ リツコ : ……
[21] 通路にて
リツコ : 本当にやるの? ミサト : ええ、そうよ リツコ : 作戦と言えるの、このプランが。 マギの計算だとしくじる可能性は99%強。 成功したとしてもエヴァ3体を損失。 とても技術部として受け入れられません。 リリスと初号機の保護を最優先にすべきです ミサト : 可能性は0ではないわ。 奇跡が起こるのを待ってはいられないわ、人の手で起こすのよ、奇跡を リツコ . :. 葛城一佐! ミサト : 現責任者は私です。 私が判断します リツコ : 奇跡を待つより地道な努力よ! ミサト : 使徒殲滅は私の仕事です リツコ : 仕事?。 あなたの私怨じゃないの、使徒への復讐は!
[22] カーゴ
アイカ : えーっ、受け止める?この手で ミサト . : . そうよ。 ATフィールドを展開してエヴァで直接受け止めるの アスカ : 3体も要らないわ、人類を守るくらい私一人で充分だもん ミサト : ダメよ。 落下予想範囲は広すぎて、一人じゃカバーしきれないの。 レイ : この配置の根拠は? ミサト : 女の勘てトコかしら アスカ : 何たるアバウト シンジ : あの…勝算は? ミサト : 神のみぞ知る、といったところかしら アスカ : だからこそ足手まといはいらないって言ってんの。 私一人でなんとかしてみせるわよ ミサト : この作戦に必要なのはシングルコンバットのスコアじゃないの。 あなたたち3人の力が必要なのよ アスカ : 私の才能を認めてないってわけね? ミサト . : . 違うわっ・・・
[23] エヴァ待機中
シンジ : こんな時なのに…エヴァの中、妙に落ち着く。 もう乗ってるのが当たり前なのかな…。 懐かしい感じがする。 匂い・・・母さんの匂い・・・綾波の匂い… 青葉 : 使徒、映像で捕らえました。 最大望遠で映します。 ミサト : おいでなすったわね。 目標は電波攪乱が酷くて光学観測がアテにならないの。 よって今回は各自の判断での行動とします。 エヴァとあなたたちに賭けるわ 青葉 : 使徒接近。 距離二万 ミサト . : . では、作戦開始。 スタート!
.
青葉 : 目標のATフィールド変質。 日向 : 現在、目標の軌道を入力、計算中 アスカ . : . なによ予想より早いじゃない!。 私じゃ間に合わない! シンジ : こっちで何とかする。 ミサトさん! ミサト : 緊急コース形成。 605 から 607! ミサト : 次!。 1072 から 1078 までスタンバイ! 青葉 : 目標、変形 日向 : 距離一万二千 シンジ : ATフィールド、全開!
シンジ . : . くっ ……… 。 ぎゃああああああああああああ …… っく …… アスカ : ナナヒカリっ! シンジ : アスカっ …… ! レイ : 2号機、コア! アスカ : 判ってるわよ、私に命令しないで!。 エコヒイキのくせに! アスカ : 外したっ!?。 ちょこまかとっ!。 もう時間がない! レイ : くっ・・・!。 アスカ : えこひいきっ!?。 レイ : 早くっ・・・!。 シンジ : アスカっ・・・! アスカ : 判ってるっっちゅーーーーーの!!! アスカ : もういっちょ!。 …… どおりゃああああああああ!!!。
[24] 発令所
ミサト : みんな …… よくやってくれたわ、ありがとう 青葉 : 上空の電波システム回復。 司令から通信が入っています。 ミサト . : . お繋ぎして 青葉 : はい ミサト : 申し訳ありません。 私の判断でエヴァ3機を損傷、パイロットを負傷させてしまいました。 すべての責任は私にあります 冬月 : かまわん。 目標殲滅に対しその程度の被害で済んだのはむしろ幸運と言える。 ミサト : ありがとうございます ゲンドウ . : ああ。 よくやってくれた、葛城一佐。 初号機のパイロットに繋いでくれ ミサト : っ・・・? ゲンドウ : 話は聞いた。 よくやったな、シンジ シンジ : あ …… はい ゲンドウ : では、葛城一佐、あとの処理は頼む ミサト : はい アスカ : 私一人じゃ …… 何もできなかった ……
[25] アスカの自室
アスカ . : . ずっとひとりが当たり前だったのに …… 孤独なんて気にならなかったのに …… 。
[26] シンジ自室
シンジ : ?…ッ!? アスカ : ナナヒカリ、ちょっとだけここにいさせて シンジ : ?…!?。 あの…式波、さん…? アスカ . : . 今日、ドサクサにまぎれて名前呼んだでしょ。 まあいいわ、特別にアスカでいいわよ。 その代わり、私もバカシンジって呼ぶから シンジ : じゃ…アスカは…なんでエヴァに乗ってるの? アスカ : 愚問ね。 黙ってなさいよ、バカシンジ。 ・・・自分のためよ。あんたこそ何でエヴァに乗ってるの? シンジ : …わからない アスカ : アンタバカ?。 そうやって、責任逃れしてるだけでしょ シンジ : 父さんに褒められたいのかな…今日は父さんに褒められて嬉しかった。 今日、初めて褒められたんだ。 ミサトさんの言うように、父さん、僕のこともう認めてくれたのかな… アスカ : あんたって…ホントにバカね