シナリオ計画 006


[19] ネルフ本部

日向 . : . マグダレナ観測所より入電。 3分前に突然現れました。
青葉 :  目標を第三監視衛星が捕捉
ミサト :  光を捻じ曲げるほどのATフィールドとは恐れ入るわね。 で狙いは …… 当然、ここよね
マヤ :  マギによる再計算。 本部への命中確率、99.9999 % (シックスナイン) です
日向 :  2 空爆雷もまるで効果がありません

[20] 作戦司令室

マヤ :  マギの予測では被害予想範囲、直径40キロ、ジオイド越えます 1万5千キロレベル
ミサト :  まさに使徒そのものが爆弾みたいなものね
マヤ :  ATフィールドに落下の威力も追加されますから…
日向 :  それだけの威力なら、ジオフロントは壊滅、セントラルドグマまで丸裸にされます
ミサト :  司令と通信は?
青葉 :  使途の影響で上空の電波が不安定のため、連絡が取れません。 現在通信不能
ミサト :  こちらで独自に判断するしかないわね…日本国政府及び関係各省に通達。
    ネルフ権限における特別宣言D-17を発令。 半径120km全市民はただちに退避
青葉 :  問題ありません。 既に政府関係者から我先に逃げ出してますよ
日向 :  一般人の退避完了
マヤ :  マギのバックアップは松代にお願いしました
リツコ :  で、どうするの?
日向 :  この距離からのATフィールドを突破できる射程を収めた兵器は現在ありません
作戦課員 . : . 空間のゆがみが酷く、あらゆる地点からの狙撃も不可能です
青葉 :  いくらエヴァといえども、空が飛べるわけではありませんし
日向 :  こんなべらぼうな相手では手の施しようがありませんよ
リツコ :  ……

[21] 通路にて

リツコ :  本当にやるの?
ミサト :  ええ、そうよ
リツコ :  作戦と言えるの、このプランが。 マギの計算だとしくじる可能性は99%強。 成功したとしてもエヴァ3体を損失。
    とても技術部として受け入れられません。 リリスと初号機の保護を最優先にすべきです
ミサト :  可能性は0ではないわ。 奇跡が起こるのを待ってはいられないわ、人の手で起こすのよ、奇跡を
リツコ . :. 葛城一佐!
ミサト :  現責任者は私です。 私が判断します
リツコ :  奇跡を待つより地道な努力よ!
ミサト :  使徒殲滅は私の仕事です
リツコ :  仕事?。 あなたの私怨じゃないの、使徒への復讐は!

[22] カーゴ

イカ :  えーっ、受け止める?この手で
ミサト . : . そうよ。 ATフィールドを展開してエヴァで直接受け止めるの
アスカ :  3体も要らないわ、人類を守るくらい私一人で充分だもん
ミサト :  ダメよ。 落下予想範囲は広すぎて、一人じゃカバーしきれないの。
レイ :  この配置の根拠は?
ミサト :  女の勘てトコかしら
アスカ :  何たるアバウト
シンジ :  あの…勝算は?
ミサト :  神のみぞ知る、といったところかしら
アスカ :  だからこそ足手まといはいらないって言ってんの。 私一人でなんとかしてみせるわよ
ミサト :  この作戦に必要なのはシングルコンバットのスコアじゃないの。 あなたたち3人の力が必要なのよ
アスカ :  私の才能を認めてないってわけね?
ミサト . : . 違うわっ・・・

[23] エヴァ待機中

シンジ :  こんな時なのに…エヴァの中、妙に落ち着く。
    もう乗ってるのが当たり前なのかな…。
    懐かしい感じがする。 匂い・・・母さんの匂い・・・綾波の匂い…
青葉 :  使徒、映像で捕らえました。 最大望遠で映します。
ミサト :  おいでなすったわね。 目標は電波攪乱が酷くて光学観測がアテにならないの。
    よって今回は各自の判断での行動とします。 エヴァとあなたたちに賭けるわ
青葉 :  使徒接近。 距離二万
ミサト . : . では、作戦開始。 スタート!


 .

青葉 :  目標のATフィールド変質。
日向 :  現在、目標の軌道を入力、計算中
アスカ . : . なによ予想より早いじゃない!。 私じゃ間に合わない!
シンジ :  こっちで何とかする。 ミサトさん
ミサト :  緊急コース形成。 605 から 607!
ミサト :  次!。 1072 から 1078 までスタンバイ!
青葉 :  目標、変形
日向 :  距離一万二千
シンジ :  ATフィールド、全開!




シンジ . : . くっ ……… 。
    ぎゃああああああああああああ …… っく ……
アスカ :  ナナヒカリっ!
シンジ :  アスカっ …… !
レイ :  2号機、コア!
アスカ :  判ってるわよ、私に命令しないで!。 エコヒイキのくせに!
アスカ :  外したっ!?。 ちょこまかとっ!。 もう時間がない!
レイ :  くっ・・・!。
アスカ :  えこひいきっ!?。
レイ :  早くっ・・・!。
シンジ :  アスカっ・・・!
アスカ :  判ってるっっちゅーーーーーの!!!
アスカ :  もういっちょ!。
      …… どおりゃああああああああ!!!。


[24] 発令所

ミサト :  みんな …… よくやってくれたわ、ありがとう
青葉 :  上空の電波システム回復。 司令から通信が入っています。
ミサト . : . お繋ぎして
青葉 :  はい
ミサト :  申し訳ありません。 私の判断でエヴァ3機を損傷、パイロットを負傷させてしまいました。 すべての責任は私にあります
冬月 :  かまわん。 目標殲滅に対しその程度の被害で済んだのはむしろ幸運と言える。
ミサト :  ありがとうございます
ゲンドウ . :  ああ。 よくやってくれた、葛城一佐。 初号機のパイロットに繋いでくれ
ミサト :  っ・・・?
ゲンドウ :  話は聞いた。 よくやったな、シンジ
シンジ :  あ …… はい
ゲンドウ :  では、葛城一佐、あとの処理は頼む
ミサト :  はい
   
アスカ :  私一人じゃ …… 何もできなかった ……

[25] アスカの自室

アスカ . : . ずっとひとりが当たり前だったのに …… 孤独なんて気にならなかったのに …… 。

[26] シンジ自室

シンジ :  ?…ッ!?
アスカ :  ナナヒカリ、ちょっとだけここにいさせて
シンジ :  ?…!?。 あの…式波、さん…?
アスカ . : . 今日、ドサクサにまぎれて名前呼んだでしょ。 
    まあいいわ、特別にアスカでいいわよ。 その代わり、私もバカシンジって呼ぶから
シンジ :  じゃ…アスカは…なんでエヴァに乗ってるの?
アスカ :  愚問ね。 黙ってなさいよ、バカシンジ。 ・・・自分のためよ。あんたこそ何でエヴァに乗ってるの?
シンジ :  …わからない
アスカ :  アンタバカ?。 そうやって、責任逃れしてるだけでしょ
シンジ :  父さんに褒められたいのかな…今日は父さんに褒められて嬉しかった。 今日、初めて褒められたんだ。
    ミサトさんの言うように、父さん、僕のこともう認めてくれたのかな…
アスカ :  あんたって…ホントにバカね