[74] ネルフ本部。
リツコ : 細胞レベルでの侵食跡は消えたけど …… 精神汚染の可能性は否定できないわ …… 、 このまま隔離するしかないわね …… 。 マヤ : まさか、処置ってことはないですよね?。 リツコ . : . 貴重なサンプル体よ、ありえないわ。
[75] 夕方の列車内。対面式の座席。シンジの心象風景。
シンジとレイが向かい合って座っている。
レイ : 碇君、いつもそれ …… 聞いてるのね シンジ : ああ、耳を塞げば心も塞がるんだ。 イヤな世界を見なくて済むからね。 これは昔父さんが使っていたものだったんだ 小シンジ : 綾波のメガネと同じだよ シンジ : 要らなくなって置いていったんだ 小シンジ : 僕と同じだよ シンジ : 先生ところにあったから、僕がもらったんだ。 これをつけていると、父さんが助けてくれるような気がしたんだ。 イヤな世界と切り離してくれると思ったんだ。 僕の勝手な思い込みで。でももう捨てるんだ レイ : イヤな世界? シンジ そうさ。怖いエヴァや使徒がいる世界。 父さんがいる世界。イヤなことをさせられる世界。 父さんはダミーがあれば僕がいらない世界。 僕も友達も嫌な思いをする世界。 でも、いいこともあったんだ。 でも結局は壊れてしまう。イヤな世界さ レイ : 碇君はお父さんのこと、わかろうとしたの? シンジ : 判ろうとした レイ : 何もしなかったんじゃないの? シンジ : 判ろうとしたんだよ。 悪いのは父さんだ。 僕を捨てた父さんだ 小シンジ . : . またそうやって、イヤなことから逃げ出すんだ シンジ いいじゃないか!。 悪いのは父さんだ。 イヤなことから逃げ出して、何が悪いんだよ!
[76] 知らない天井。ネルフ医療施設。
シンジ . : . ( ハッ ) …… またここだ。 もうイヤだ …… !。
[78] 司令執務室
ゲンドウ : エヴァの占有、本部設備の破壊、稚拙な恫喝。 これらは全て犯罪行為だ。 何か言いたいことはあるか?。 シンジ : はい。 僕はもうエヴァに乗りたくありません ゲンドウ : そうか。 では出ていけ ゲンドウ : また、逃げ出すのか ゲンドウ : 自分の願望とは、あらゆる犠牲を払い、自分の力で叶えるものだ。 人から与えられるものではない。 シンジ、大人になれ。 ゲンドウ . : . 私だ。 第三の少年は抹消。 初号機はダミーをベースに、バックアップは不要だ
[79] ゴミ箱に捨てられているSDATを発見し、引きずり出すレイ。
マヤ : レイ、シンジ君のこと、止めませんでしたね 日向 : 最近、変わったから期待していたんだけどな …… 。 あの子達の距離、どうも測りかねるところがあるよな 青葉 : しかし、これでまたパイロットが一人か マヤ . : . 振り出しに戻る…ですね
[80] 荷物をまとめ、ミサト宅の玄関から出ていくシンジ。
ミサト : 判ってると思うけど …… ネルフの登録を抹消されても監視は続くし、行動にはかなりの制限がつくから。 それとこれ…忘れ物。 …… 鈴原君と相原君から何度も留守番電話が入ってる。 心配してるのよ。 シンジ : 別に …… 要りません。 置いていったものですから ミサト : レイやアスカのことも聞かないのね …… 。 本当はね、私だって人類や世界のことだってどうだっていいのかもしれない。 結果として、今こんな立場になってるけど。 最初は死んだ父に少しでも近づきたくて、ネルフに志願しただけなの。 あなたが碇指令に必要とされたくてエヴァに乗ったのと同じように。 だから、私はあなたに自分の思いを重ねてしまった。 それをあなたが重荷に感じていたのも知ってる。 今、あなたがエヴァに乗る目的に失望してしまったことも知ってる。けど、それでも私はあなたに …… ミサト : あの日、レイは碇指令も呼んでいたの。 シンジ君にお父さんと仲よくなってほしかったの。 一緒に笑ってほしかったのよ シンジ . : . 僕はもう、誰とも笑えません
[81] 人が殆ど乗っていない電車内。
アナウンス . : . 日本政府より特別非常事態宣言が発令されました。 緊急条例に基づきこの列車は最寄の退避ステーションに停車します。 乗客の皆様は駅員の指示に従い、避難用の列車に乗り換えて下さい シンジ : 使徒だ ……
[82] 2号機封印所。
マリ . : . ヘぶしッ。 うーっさっぶー。 うーん。 やっぱり新型は違うなぁ…胸もキツくないし、キモチ、イイ!
[83] 月面。
カヲル . : . さあ、時がきたね