🥼 低温成長緩衝層

 

 


原理理論 が
 いまだに解明されていないことが分かって、

ひとまず安心。


エピタピシャル層
緩衝層
基板
 

10 ~ 50 nm



    想像図

格子定数差の大きな ヘテ ロエピタキシー は
界面における欠陥の発生が多く 使いものにならないと考えられた時期があった。

しかし、サファイア上 の シリコ ン は じめ絶縁基板上 のシリコン *1 や、
シリコン基板上 の SiC や BP など大きな基板が得られない結晶の成長を目的として格子定数差 の大きなヘテロエピタキ シーの研究 も進 められていた。

当時、将来的にこのように格子定数差の大きいヘテロエピタキ シーが重要 となる時代がくることを予想 し、
何人かの者が集りこれに HM 2  *2 という名をつけた。
その後、この名前自身はそれ程一般化はしなかったが、シリコン上 の GaAs、 InP を はじめ格子定数差の大きいヘテ ロエ ピタキシーの研究は次第に活発化 した。

さらにごく最近サファイア上 の GaN の 成長 が一躍脚光 をあびるにいたった。
この HM 2 技術において非常に重要な役割を果たしているのが 基板 と 成長層の間に 挿入される低温成長緩衡 層であ る。
この緩衡層 は歴史 的 には筆 者の知るかぎり サファイア上の ZnO *3 、 Si 基板上 の SiC *4サファイア上のシリコン *5 で用いられ非常 に効果 があるものとしてその有効性が確認されたのが最初ではないかと思う。


その後、こ の技術 は Si 基板 上 の GaAs や サ フ ァイア上 の GaN エピタ キシー に用いられ
結晶性の著しい向上が確認された。


しかし、翻って その効果 の 起原 とは何かということを考えると
ほとんど何もわか っていないということが実情である。
おそらく、緩衡層内で原子は大きな格子定数差を緩和するため、
通常の結晶状態から大きく変位しているものと考えられる。


おそらく、低温では、分子が完全には単分子化しておらず、
基板上で、格子定数の差の影響を、わずかながら受けにくいという状況が発生し、
そのような層が成長するにつれ、いつしか格子定数の差の影響を受けていな結晶層へと
成長しているものと推測する by ( Blog 管理人)




*1:Silion on Insulator、 SOI

*2:Highly Lattice Mismatched Heteroepitaxy

*3:S. Ohnishi, Y. Hirokawa, T. Shiosaki and A. Kawabata : Jpn. J. Appl. Phys. 17, 773 (1978).

*4:S. Nishino, Y. Hazuki, H. Matsunami and T. Tanaka :  J.Electrochem. Soc. 127, 2674 (1980).

*5: M. Ishida, H. Ohyama, S. Sasaki, Y. Yasuda, T. Nishinaga and T. Naramura :  Jpn. J. Appl. Phys. 20, L541 (1981).