第25話 「 夏への扉 」 ( 第2稿・社内検討用 )

メインタイトル 『 NEON GENESIS EVANGELION 』 ( アイキャッチ A-TYPE流用で )

元・第3新東京市跡の湖

照りつける太陽。耳障りな蝉の声。
傾いて、水に沈んだ電信柱。
ただ、そこ立っているだけのシンジ。
汗もふかず、どこか一点を無気力に見つめたままの眼。


注意:#24アバン追加で、シンジがアスカに加持が死んだことを告げ口するシーンを足すことを一考してます。
それはアスカが自我崩壊の直接的原因となります。その際は、#24で
「僕はアスカに、ひどいことしたんじゃないのか?」
という様な台詞は追加しますが、以後のカヲル君とのシンジの芝居が違ってくると考えられます。
で、#24にそのシークエンス追加時は、以下の病室のシーンにシンジの
「ごめん、ごめんよ。ひどいことしたのはわかってる。でも助けてよ。」
という台詞を追加する予定です。よろしく御検討下さい。

ネルフ本部・病院

303病室の表札。(いらんか?)  
電子ノイズ。病室の点描(セントラル・ヒーターや点滴システムなど)。
薄く響いている業務アナウンス。
薬が効いているのか、寝息を立てているアスカ。
傍らにアスカを見舞っているシンジ。
シンジ 「ミサトさんも、綾波も、怖いんだ。・・・助けて。助けてよ、アスカ。」
何も答えないアスカ。
シンジ 「起きてよ。ねぇ、目を覚ましてよアスカだけなんだよ。助けてよ。」
身体を揺さぶるシンジ。が、起きない。
アスカの顔の上に落涙する。
いつの間にか、泣き声になってるシンジ。
シンジ(グズグズと) 「またいつものように、僕をバカにしてよ。ねぇ、アスカぁ。」
シーツをはぐ。
はだけた服の間からわずかに乳首が見える。

シンジの部屋(病院のと入れの方が良いか? 一考。)

蝉の声。シンジの部屋の点描。
に、OFFで聞こえるシンジの荒い息。
インサートされる映像。(画面DF)
ソーッと服を広げるシンジの手。(主観映像で)
露になる乳房。(主観映像で)
何度も繰り返されるその映像。
射精するシンジの半面UP。
乳房の映像(イメージ)の手前にINするベトついたシンジの右手。
バックの乳房の映像が消え、シンジの部屋の実像になる。(F.O後CUT INで)
自己嫌悪に包まれるシンジ。
シンジ 「・・・サイテーだ。オレって。」

サブタイトル『夏への扉

ネルフ本部・発令所

空の司令席。
コーヒー片手にヒソヒソ話のオペ3人組。
伊吹 「本部施設の出入りが、全面禁止?」
日向 「第1種警戒態勢のままか?」
伊吹 「何故?最後の使徒だったんでしょ。あの少年が。」
青葉 「ああ、すべての使徒は消えたんだろ。」
日向 「今や平和になったって事じゃないのか?」
伊吹 「じゃ、ここは、エヴァはどうなるの?先輩も今、いないのに。」
青葉 「ネルフは組織解体されると思うよ。オレたちがどうなるかは、見当も付かないな。」

閉鎖された中学校

無期閉鎖を記す看板。(掲示板か正門で)
零号機の爆圧で割れたままのガラス窓。
に反射している夕日。
2-Aの表札(BANK利用)
ガラスが床に散らばったままの教室。
遠くの大型機の爆音が山にこだまして響いている。
屋上にいる3人の少年。
その一人は車椅子に座っている。(腰から下は布がかぶせてある)
ケンスケ 「委員長たちは今朝の便で出発したよ。」
トウジ 「何や知らんけど、ワシら全員、ドイツ行きや。」
ケンスケ 「明日ね。まあ、疎開ってわけでもなさそうだけど。」
沈黙のシンジ。(顔は見せない)
トウジ 「ま、てなわけで、その前に礼、ゆうとこう思うてな。」
沈黙のシンジ。(顔は見せない)
トウジ 「ほんまに、ありがと。ほんま、ワシはそう思うで、シンジ。」
ケンスケ 「じゃあな、碇。元気でな。」
沈黙のシンジ。(顔は見せない)
爆音に混じる、去っていく足音と車椅子の音。

山沿いの国道・夜

廃虚と化した旧市街ごしに見え隠れする車のライト。
車道のわきに停止しているミサトの車。
車内のミサト。バックミラーに映る、マジな表情。
ミサト 「最後の使徒、アダムの子供達は全て消えた。加持君、あなたの云っていた通りね。」
ミサト 「そして残されたエヴァシリーズ。その解体処分の命は、未だどこにもない。まだ使用するつもりなんだわ。委員会の、その後のシナリオに。リリスでなく、エヴァを。」
ミサト 「連中に私達の命やエヴァを、明け渡すわけにはいかないわね。」

シンジの部屋

暗くライトは点いていない。
ベッドでうずくまっているシンジ。
電池切れの表示が点滅しているS-DAT。
引き戸が開き、ミサトのシルエットが見える。
ミサト 「シンジ君。今晩から本部で泊まりよ、支度して。」
無反応のシンジ。
眉をしかめるミサト。(いらんか?)

ゼーレの会議

円陣を組んでいるモノリス群。
その中央に碇と冬月。
キール 「時が来る。」
  「約束の時が。」
  「全ての人々が還るべき、安息の、そして約束の地。」
  「我らが母、リリスの下へ。」
  「人々の行き詰まった魂の補完を。」
  「ロンギヌスの槍を失った今、直接リリスによる補完はできぬ。」
キール 「唯一、リリスの分身たる、エヴァ初号機による補完を望むぞ。」
碇 「それは、無理な話です。」
冬月 「思い描く未来が、あなたたちとは少し違いましたな。」
冬月 「人はエヴァを生み出すためにその存在があったのです。」
碇 「人は新たな世界へと進むべきなのです。そのためのエヴァ・シリーズです。」
キール 「我らは人の形を捨ててまで、エヴァという名の方船に乗ることはない」
  「新たなる土地を目指す必要もない。」
  「人は、今の姿だから人と言えるのだ。その姿はすでに人ではない。」
  「全ての生命に平等を。全ての人々に与えられている『死』をもってその行いを。」
  「これは、通過儀式なのだ。閉塞した生命が再生するための。」
  「全てが終わらなければ、真の始まりは行われない。」
  「滅びの宿命は、新生の喜びでもある。」
キール 「神もヒトも全ての生命も、リリスの下、やがてひとつになるために。」
碇 「死は、何も生みませんよ。」
キール 「その死は君たちに用意しよう。」
 一斉に消えるモノリス群。
残る二人。
冬月 「ヒトは生きていこうとする所に、その存在がある。これがユイ君の願いだからな。」
冬月 「さて、これで未完全ながらも、人類補完計画が発動されるな。」
碇 「ああ、ユイは自らエヴァに残ったのだ。この時のために。」

レイの部屋・夜

目覚めるレイ。(いらんか?)
窓外、夜空に輝く月。
一人部屋から出ていく、レイ。
バラバラに壊された碇の眼鏡が、床に散らばっている。

箱根付近

朝もやがたまっている芦ノ湖第3新東京市跡。

ネルフ本部・電算室

の、ミサト。
室内ライトを消し、モニターを凝視したままの作業。
壁一面の赤いパイロットランプだけが明滅している。
周辺にはメディアや携帯食料、空の缶コーヒー等。
ミサト(冷たく、無表情に) 「そう、このためにエヴァシリーズが13体、必要だったのね」
 モニター内の時計が6:00AMになる。
と、同時にモニターが消え、赤の警告画面に変わる。
ミサト 「気づかれた? いえ、違うわ。」
 モニターUP。UNによるネルフの各種特例解除の通達が延々とスクロールされてる。
ミサト 「特例による法的保護の破棄通達? ネルフ組織機関全ての?」
 モニター内。ネルフの機密データーリストが、赤い抹消の文字に変わって行く。
ミサト 「始まるわね。」
 突如、一斉に全てのモニターがノイズに変わる。

発令所

鳴り響く警告音。
モニターが次々とノイズに変化している。
冬月 「どうした?」
アナウンス 「外部との全ネット、情報回線が一方的に遮断されています。」
冬月(ごちる) 「目的は、マギか?」
 モニター図。全方位からホストに迫る赤い侵食部。
青葉 「全ての外部端末から、データー侵入! マギへのハッキングを目指しています。」
冬月 「やはりな。侵入者は松代のマギ2号か?」
青葉 「いえ、少なくともマギタイプ、5。ドイツと中国、アメリカからの侵入が確認できます。」
冬月 「ゼーレは総力をあげているな。彼我兵力差は1対5、分が悪いぞ。」
アナウンス 「第4防壁、突破されました。」
日向 「主データベース、閉鎖! だめです!進攻をカットできません。」
伊吹 「さらに外殻部侵入! 予備回路も阻止不能です。」
冬月 「まずいな。マギの占拠は、本部のそれと同義だからな。」
 いつものポーズの碇。

独房

の、リツコ。(半面)
アナウンス 「総員、第1種警戒体制。繰り返す〜」
 外の騒ぎやアナウンスが薄く聞こえている。
ドアが開き、明るくなる。
リツコなめて人影。
リツコ 「わかってるわ。マギの自律防御でしょ。」
男 「はい。くわしくは第2発令所の伊吹二尉からどうぞ。」
リツコ 「必要となったら捨てた女でも利用する。エゴイストな人ね。」
 立ち上がるリツコ。

発令所

マギ侵入のアナウンスが響く。
赤い部分が増えていくマギのディスプレイ。(#14利用)
非常用昇降機から現れるミサト。
ミサト 「状況は?」
日向 「目標はマギです。正体不明者から、マギへの直接侵攻です。」
伊吹 「現在、赤木博士がプロテクトの作業中です。」
ミサト 「リツコが?」

発令所中層・マギ設置フロア

引き上げられる3台のマギ。(#14BANK描き足し)
の、中で作業中のリツコ。
リツコ(MONO) 「母さんは、必ず守るわ。だからあとで、私に付き合ってちょうだい。」
 マギ侵入アナウンスが響く。
さらに赤い部分が増えて行くマギのディスプレイ。(#14利用)
ミサト 「マギへの侵入だけ? そんな生易さしい連中じゃないわ。多分---」
 小声で会話している碇と冬月。
冬月 「マギは前哨戦に過ぎん。奴らの目的は本部施設、及び残りのエヴァ2体の直接占拠だな。」
碇 「ああ、リリス、そしてアダムさえ我らにある。」
冬月 「老人たちがあせるわけだな。」
 そのあせりを象徴するかの如く、激しく明滅しているマギの表示。
突如一斉に、グリーンへと変わる。
伊吹 「マギへのハッキングが停止しました。B型防壁を展開。以後62時間は外部侵攻不能です。」
 マギ本体内のリツコ。
冷たい笑みを浮かべる。
リツコ 「母さん、また後でね。」

ゼーレの会議

宙に並ぶモノリス群。
委員 「碇はマギに対し第666プロテクトをかけた。この突破は容易ではない。」
委員 「マギの接収は、中止せざるを得ないな。」
キール 「できうるだけ、穏便に進めたかったのだが、いたしかたあるまい。」
キール 「本部施設の直接占拠を行う。」

芦ノ湖周辺の盛り

戦自の隊長らしき人物が、無線を置く。
一佐 「了解。(副官に)各部隊、○ ○ 作戦、スタート。」
 ザッ。森の中から一斉に姿を現す戦自の地上部隊。(地上部隊はグリーンの荒い迷彩で)
突如、山腹のあちこちから火を吹く大形火器。
次々と爆破される、地上トンネルの入り口の緊急用閉鎖シャッター。
ネルフ本部占拠のため、突入してくる戦略自衛隊。(突入制圧部隊は黒っぽい単一色で)
無駄の無い、機敏な動作で。

発令所

青葉(スピーカー) 「特科大隊1。強羅防衛線より、侵攻してきます。」
日向(スピーカー) 「御殿場方面からも、2個大隊が接近中。」
 戦自により円状に囲まれている、元・第3新東京市
(市街のあったところはクレーターになっている)
冬月(せんない思いで) 「やはり、最後の敵は同じ人間だったな。」
碇 「総員、第1種戦闘配置。」
 怪訝な顔の伊吹。
伊吹 「戦闘配置? 相手は使徒じゃないのよ。同じ人間なのよ。」
日向 「向こうは、そう思っちゃくれないさ。」
伊吹 「何故? どうしてなの?」(いらんか?)

芦ノ湖・湖畔

次々と着陸している大型輸送ヘリ。(カメラ望遠・密着引きで)
空しくも応戦しているネルフの地上施設。
無駄なく破壊されていく。
爆破される地下通路の装甲シャッター。
突入する制圧部隊。

発令所

鳴り響く、各種警報やアナウンス。
アナウンス 「台ケ岳トンネル、使用不能
アナウンス 「第16エヴァ輸送ルート、損壊」
ミサト 「エヴァシリーズの占拠が目的なら、必ずパイロットを狙うわ」
ミサト 「至急、シンジ君を初号機に待機させて」
日向 「ハイ」
ミサト 「アスカは?」
青葉 「303病室です」
病室ベッドの上のアスカ。薬で寝たまま。
に、ミサトの台詞。
ミサト(OFF) 「かまわないから、弐号機に乗せて」
伊吹 「しかし、未だエヴァとのシンクロは回復していませんが」
ミサト 「そこだと確実に殺されるわ。かくまうにはエヴァの中が最適なのよ」
伊吹 「了解。パイロットの投薬を中断。発進準備
ミサト 「アスカ収容後、エヴァ弐号機は地底湖に隠して。すぐに見つかるけどケイジよりは安全だわ」
ミサト 「レイは?」
青葉 「所在不明です。位置を確認できません」
ミサト 「殺されるわよ。捕捉、急いで!」
引き画、LCLの巨大な水槽。ポツリと脱ぎ捨てられたレイの服が置いてある(画面DF)
LCLの中に浮かぶ全裸のレイ。(みそぎのイメージ)
その俯瞰正面のUP。顔に映る、水紋の反射が美しい。
発進する弐号機。(BANK)

発令所

進行状況などが、刻々とアナウンスされている。
日向 「弐号機射出! 8番ルートから、水深370に固定されます」
ミサト 「続いて初号機、発進!ジオフロント内に配置して」
青葉 「だめです。パイロットがいません」
ミサト 「シンジ君が!?」
点灯する青葉のモニター。
映っている階段の蔭で膝を抱えたままのシンジ。
ミサト 「・・・なんてこと」

ネルフ本部・施設各所

アナウンス 「全隔壁を閉鎖します。非戦闘員は、第87経路にて待避して下さい」
次々にシャッターが降りて行く。(#14BANK)
が、カット尻に爆破される。
侵入してくる制圧部隊。(BANK描き足し#1のBパート頭・吹き抜けの空中通路で)

発令所

赤ブロックに侵食されていくモニター。響くアナウンス。
青葉 「地下第3隔壁、損壊。第2層に侵入されました」
冬月 「戦自、約1個師団を投入か。占拠は時間の問題だな」
碇 「ああ、時が来た」
立ち上がる碇。
碇 「冬月先生、あとをたのみます」
冬月 「・・・わかっている、ユイ君によろしくな」
爆破される隔壁。
垂直のリニアトンネルを降下する制圧部隊。(小型VTOLによる直接侵攻も有)
吹き飛ぶ地下施設。

発令所

矢継ぎ早に状況報告のアナウンスが響く。
アナウンスA 「第2グループ、応答なし!」
アナウンスB 「77番電算室、連絡不能!」
アナウンスC 「52番のリニアレール、爆破されました」
卓を操作しながら、悪態をつく日向。
日向 「たちが悪いな!使徒のがよっぽどいいよ」
ミサト(MONO) 「無理もないわ。みんな人を殺すことに慣れてないものね」
発砲している制圧部隊。
躊躇のない機械的な射撃。(撃たれるネルフ職員は悲鳴のみで)
アナウンスD 「第3層Bブロックに侵入者! 防御できません!」
青葉 「Fブロックからもです。メインバイパスを挟撃されました」
5
ミサト 「第3層まで破棄します。戦闘員は下がって。803区間までの全通路とパイプにベークライトを注入!」
青葉 「ハイ」
あちこちの通路やパイプスペースに流れ込むベークライト。(#14L/O BANK等)
ミサト 「これで少しは持つでしょ」
日向 「葛城三佐! ルート47が寸断され、グループ3が足止めをくらっています。このままではシンジ君がっ」
薄暗い階段の下でうずくまっているシンジ。
その目は、何も見ていない。
OFFで銃撃や爆発音が響いている。
常に鳴り響く状況アナウンス。
ミサト 「非戦闘員の白兵戦闘は極力さけて。向こうはプロよ。ドグマまで後退不可なら、投降した方がいいわ」
ミサト、自分の拳銃を確認し、日向の耳元で台詞。
ミサト 「ごめん、あとよろしく」
日向 「ハイ」

地底湖

の、底に沈んでいるエヴァ弐号機。(ゆっくりとT.U)

プラグ内(ブルーパラ・金属パイプのまま)

で、目覚めるアスカ。
アスカ 「ここは? エントリープラグ? 弐号機の?」
インダクションレバーのスイッチを入れるアスカ。
点灯しないモニター。
アスカ 「何よ、これ? 動かないじゃない。このポンコツ
力が抜けてくアスカ。
アスカ 「ポンコツはあたしか」
かすかに水の音。
アスカ 「どこ? 水の音? 湖、の底?」
吐き気をもよおすアスカ。
アスカ(口元を押さえて) 「気持ち悪い・・・薬が切れたんだわ・・・どうでもいいや・・・もう」

レイの試験官の部屋(#15・23)

赤く変色した水槽に浮いているレイと同じバラバラのパーツ。
を、静かに見ている全裸のレイ。
後退や退避命令等のアナウンスが響く。
碇の声 「レイ」
振り返るレイ。
碇が立っている。
碇 「やはり、ここにいたか」
碇(やさしく) 「約束の時だ・・・・・さあ、行こう。レイ」

施設内・通路

両手を挙げ投降しているネルフ職員。
片手で合図する小隊長。
躊躇なく発砲する兵士数人。(ネルフ職員はOFFで悲鳴のみ)
爆破される施設。
火炎と破砕音の中、女たちの断末魔がいつまでも聞こえている。

発令所

神経質な警報音と共に、施設内侵入の状況がアナウンスされている。
アナウンス男 「第4層、突破。エヴァリニアシステム、占拠されました」
アナウンス女 「第6ブロックに侵入者。バリケードでは対処できません」
落ち着いて、デスクの引出しから銃をとりだす日向。
日向 「本格的な対人要撃システムは用意されてないからな、ここ」
青葉 「ま、せいぜいテロどまりだ」
日向 「戦自が本気を出したら、ここの施設なんて、ひとたまりもないさ」
青葉 「今、考えれば侵入者要撃の予算縮小ってこれを見越してのことだったのかな?」
日向 「ありうる話だ。(OFFで爆発音)ウッ」
突然の爆発音に顔をしかめる日向。
アンダーフロアで爆撃される封鎖バリケード
突入してくる制圧部隊。
ついに発令所内にて、銃撃戦が始まる。
オペ席の下に隠れているオペレーター3人組。(OFFでパパパと短機関銃の音)
ひざを抱え、ガチガチとおびえてる伊吹。
用心深く、下の様子を伺っている日向。
銃の確認をして、伊吹に渡す青葉。
伊吹(力無く) 「私・・・私、鉄砲なんて撃てません」
青葉 「訓練で何度もやってるだろ」
伊吹 「でも・・・その時は人なんていなかったんですよ!」
かすめる跳弾。
青葉 「バカ! 撃たなきゃ、死ぬぞ」
アイキャッチ]B-TYPEのみ 英題『Love is destructive』

施設内・通路

壁に飛び散った血と肉片。
倒れた死体のわきを擦り抜けていく制圧部隊。
響く短機関銃の音など。
戦自の男(OFF) 「第2層は完全に制圧、オクレ」
女無線 「エヴァパイロットは発見次第射殺。非戦闘員への無条件発砲も許可する」
男無線 「オメガ7は速やかに、下層に突入。急げ!」

非常階段の下。

に、隠れているシンジ。
極度の緊張にかろうじて耐えているシンジ。
チュィン。
シンジのすぐそばに弾痕ができる。
階段の下に構えている兵士らの姿。
兵士 「サード、発見。これより、作戦を実行します」
兵士 「悪く思うな、坊や」(いらんか?)
が、その瞬間、爆発。
吹き飛ぶ戦自のグループ。
ランチャーを降ろすミサト。
ミサト(冷たく) 「悪く思わないでね」
反応のないシンジ。
ミサト(冷静に) 「さ、行くわよ。初号機へ」

施設内(どこか)

物陰で兵士の死体から抜き取った無線機のチューナーをいじるミサト。
戦自の無線を傍受している。(無線機には血痕あり)
無線A 「第7ケイジの制圧部隊はどうか?」
無線B 「順調です。パイプの爆破とベークライト注入に問題はありません」
他台詞もOFFで流れる中、顔を上げるミサト。
ミサト 「まずいわね。やつら、初号機をベークライトで固め、シンジ君との物理的な接触を、断とうとしてるわ」
ミサト、シンジを見て---
ミサト 「こいつはウカウカできないわね。急ぐわよ」
6
だが、うつむいたままのシンジ
ミサト 「ここから逃げるのか、エヴァの所に行くのか、どっちかにしなさい」
ミサト 「このままだと、何もせず、ただ死ぬだけよ」
シンジ(半べそで) 「助けて、アスカ、助けてよ」
ミサト 「こんな時だけ、女の子にすがって逃げて、ごまかして。中途半端が、一番、悪いわよ」
シンジの腕をつかんで、無理やり立たせようとするミサト。
ミサト 「さ、立って。立ちなさい!」
あらがうこともせず。ダランと力のな人形のようなシンジ。
現実に対処できず、つぶやくだけ。
シンジ 「死にたい。何もしたくない。もう死にたい」
ミサト 「何甘ったれたこと、云うってんのよ!あんたまだ生きてるんでしょ!だったらしっかり生きて、それから死になさい!!」

発令所

血で赤い池のようになっている床。倒れている死体。
そのわきで続いている銃撃戦。
すでに占拠されているアンダーフロア。
時計を見ている冬月。
拳銃を手にしたままうずくまっている伊吹。
日向 「あちこち爆破されているのに、やっぱりここには手を出さないか」
青葉 「一気にカタをつけたいトコだろうが、下にマギのオリジナルがあるからな」
日向 「できるだけ、無傷で手に入れて置きたいんだろ」
青葉 「ただ、対BC兵器装備は少ない。使用されたら、やばいよ」(台詞一考)
日向 「N2爆雷とかも」
爆音と共に青空を埋め尽くす大型爆撃機
投下されるN2爆雷
蒸発する装甲板。
消える天井ビル。
衝撃波とともに芦ノ湖をも蒸発させる輝き。

発令所

おさまる画面ブレ。
衝撃に耐えていた一同。(赤パラ)
青葉 「チッ! 云わんこっちゃない!」
日向 「奴ら、加減ってものを知らないのか!」
冬月(苦笑気味に) 「無茶をしおる」
熱に歪む、剥き出しのジオフロント。(波ガラス・DF)
地上から次々に撃ち込まれるミサイル群。
いとも簡単に破壊されていく露出施設。
伊吹(パニクって) 「ねぇ! どうしてそんなにエヴァが欲しいのっ!?」

セントラルドグマ・大深度施設

主観っぽく、トンネルを抜けるミサトの車。
10年前に破棄されたエヴァ数十体の墓場。
苗床から生えてる芽か、白い精子のごとく闇に並んでいる。(#23新作でも使用)
ケイジへと進む、ミサトとシンジ。
ミサト 「サードインパクトを起こすつもりなのよ。エヴァシリーズを使ってね」
ミサト 「人間を全て、無に還すつもりなんだわ」
ミサト 「15年前のセカンドインパクトでは、アダムを分解させることで、その規模を縮小できた。あなたのお母さんたちが、やっ
たのよ」
ミサト 「シンジ君。あなたこれまで、何と戦ってきたの?」
沈黙のシンジ。
ミサト 「使徒だったわね。得体のしれない、コミュニケーション不能なモノたち。その最後に残った18番目の使徒は、人間なの
よ。アダムと同じリリスから生まれたリリンと呼ばれる、使徒なのよ。個体としてではなく、できそこないの群体としてのね」
ミサト 「使徒も人間も基本は同じものなの。ただ使徒はもう一つの人類の可能性なのよ。ヒトの形を捨てた人類の」
ミサト 「人間は生命の母である、太陽と地球と月がなければ、生きていけないわ。でも、使徒はそれらに依存せず、過酷な状況で
も生きている、新しい生命なのよ」
ミサト 「エヴァは、その雛形でもあったのね」
ミサト 「いずれヒトも滅びるかもしれない。でも、今黙って同じ人間に殺される訳にはいかないわ」
ミサト 「いい、エヴァシリーズを全て、消滅させるのよ。それ以外にサードインパクトを防ぎ、みんなが生き延びる手段はないわ」

第2新東京市首相官邸

かん高いノイズしか聞こえない受話器のアップ。
首相(OFF) 「電話が通じなくなったな」
受話器を、卓上にもどす首相、窓外を見る。(顔は見えない)
T『長野県 第2新東京市首相官邸 第3執務室』
秘書 「はい。3分前に弾道弾の爆発を確認しております」
首相 「ネルフが裏で進行させていた人類補完計画。人間全てを消し去るサードインパクトの誘発が目的だったとは・・・とんで
もない話だ」
秘書 「自らを憎むことのできる生物は、人間ぐらいのものでしょう」
首相 「さて、残りはネルフ本部施設の後始末をどうするかだが」
秘書 「独国か中国に、再開発を委託されますか?」
首相 「買いたたかれるのがオチだ
首相 「マギ以外は買い叩かれるのがオチだ。資金もない。20年は封地だな。旧東京と同じくね」

ジオフロント

の、全景。下方には、高圧蒸気がまだ少したまっている。(DF・波ガラス弱)
倒壊した木々ごしに、中心部側の壁面が融解している、ネルフ本部施設。
(下方に蒸気のモヤ有)に、OFFで台詞。
通信兵A 「表層部の熱は引きました。高圧蒸気も問題ありません」
通信兵B 「全部隊の初期配置、完了」
指揮者の横に立つ、隊長ら。
戦自副長 「現在、ドグマ第3層とムラサキの奴は制圧下にあります」
戦自隊長 「赤い奴は?」
戦自隊員 「地底湖の水深320にて発見。専属パイロットの生死は、不明です」

水底

の、エヴァ弐号機。
至近距離で爆雷が爆発している。
大揺れのプラグ内。
怯えているアスカ。
アスカ 「・・・生きてる?」

ジオフロント

地底湖周辺にグルリと配置されている爆雷用車両。射出されている爆雷
次々と水面に立つ巨大な水柱。

再び水底

の、弐号機。
至近距離で次々に爆発している爆雷
大揺れのプラグ内。(赤と紫パラの置き換えで)
アスカ 「ATフィールドが張られていない。どうして?」
アスカ 「怖い・・・ママ、助けて、ママ」
頭部に直撃。(眼は消えてる)
両手で頭を押さえるアスカ。
アスカ 「いや・・・死ぬのはイヤ。死ぬのはイヤ」
7
衝撃に揺れ続けるアスカ。(長尺で)
アスカ 「死ぬのはいやぁああああああっ!!」
インサート。アスカの母のやさしいイメージ。(TU加味)
泣き笑いのアスカの表情。
アスカ 「ママ・・・ここにいたのね。ママ」
突然、点灯するエントリープラグ。
モニターも生き返る。
呆然のアスカ。冷たい笑みに。
光が灯る4つのモニター眼。

ジオフロント

ドンッと大きく立つ、一本の水柱。
水しぶきが雨となり、地上部隊の頭上に降り注ぐ。
兵士 「これは」
隊長 「エヴァ弐号機。まだパイロットが生きていたか」
水面を割り、湖から姿を現す、弐号機。(背中から、横位置で?)
アスカ 「ママ。ママ。わかったわ」
発射されるミサイル群。
アスカ 「ATフィールドの意味」
発射されるミサイル群。(引き絵で)
アスカ 「ママの、ママの気持ちなのね」
弐号機周辺に着弾するミサイル群。(腰から下が水面下)
周囲に上がる、水柱と火柱。
アスカ 「私を守ってくれてる」
弐号機の顔に直撃する大型ミサイル。
アスカ 「私を見てくれてる」
爆発球の中から顔を出す弐号機。
アスカ 「ママ・・・ずっと、ずっと、いつもいっしょだったのね。ママ!」

狭い通路・壁はパイプやコードだらけ

ドンッ、と死体を轢くミサトの車。
車中のミサト。(左手には銃?)
伊吹(アナウンス) 「エヴァエヴァ弐号機、起動!! アスカは無事ですっ! 生きてます!!」
わずかに反応するシンジ。に、ミサトの声がかぶる。
ミサト(OFF) 「アスカが!?」
重火器による集中砲火をものともしない弐号機。
ATフィールドが、その全てをはじき返す。
電源ケーブルを切断される、弐号機。
タイマーのカウントダウンが始まる。
アスカ 「アンビリカル・ケーブルがなくってって」
アスカ 「こちとらには、1万2千枚の特殊装甲とATフィールドがあるんだから!」
重戦闘機をなぎ払い、次々と戦車等を踏み潰していく弐号機。
アスカ 「負けてらんないのよ! あんたたちなんかにっ!」

ゼーレの会議室

「忌むべき存在のエヴァ
「またも我らの妨げとなるか」
キール 「やはり、毒は同じ毒をもって制すべきだな」
上空を埋め尽くす、3機のエヴァ専用大型輸送機。
翼下面に3体づつ搭載されている。
ガシュッと打ち込まれる、真っ赤なダミープラグ。
一斉に外されるガントリーロック。
投下される、エヴァ5、6、7、8、9、10、11、12、13号機。
2枚の光る翼を広げ、ジオフロント内に降り立つ、白いエヴァシリーズ。
見上げている弐号機。
アスカ(ごちる) 「エヴァシリーズ・・・完成していたの」
ゆっくりと着地する9体のエヴァ
一斉に翼が消える。(収納のイメージ、一考)

発令所

冬月 「エヴァ9機投下とはドグマの直接侵入には、大袈裟すぎる」
思い当たる冬月。
冬月 「まさか、ここで起こすつもりか?」

薄暗いパイプスペース(場所は一考)

壁に追突したまま破棄されているミサトの車。
銃痕を残し、ドアも開きっぱなしの状態である。
周囲を伺いつつ、携帯をかけてるミサト。(フレーム外でマガジンを交換している)
ミサト 「いい、アスカ。必ず、EVAシリーズは殲滅させるのよ。シンジ君もすぐに上げるわ。がんばって(ピッと転送先の切り
替わる音)で、初号機へは、非常用のルート20でいけるのね」
日向(無線・ノイズだらけ) 「はい。電源は3重に防壁してあります。3分以内に乗り込めば、第7ケイジに直通できます」
ガシャッと、新しいマガジンを差し込むミサト。後ろで怯えてるシンジ。
そんなシンジを無言でムンズとつかみ、連れていくミサト。(シンジ、フレームアウトまで)

ジオフロント・地底湖と人工山の側

対峙する真紅のエヴァと、白色のエヴァシリーズ。
重厚な槍を持っている。
恐怖を通り越した笑みを見せるアスカ。
アスカ 「必ず殲滅ね。ミサトも病み上がりに、軽く云ってくれるわ」
アスカ 「残り3分で九つ。一つにつき20秒!」
アスカ 「ぅおーりゃー」
跳躍する弐号機。
ついにエヴァ同士の格闘戦が、始まる。
着地と同時に、エヴァ9号機の頭を両手で握りつぶす。
倒れかかる9号機。
そのままグッと上に掲げ上げる。
頭上で9号機の背骨を二つにへし折る弐号機。
その顔に滝のように赤い液体が流れ落ちていく。
冷たい笑顔のアスカ。
アスカ 「ひとつ」

エレベーター入口

無理やり、シンジを連れてくるミサト。(引き画で)
コンクリの壁にルーと20の標記。
ミサト 「これね」
下のフロアから突然発砲される。
シンジをかばい、背中を撃たれるミサト。
ミサト 「うっ」
非常スイッチを押し、隔壁を閉めるミサト。
隔壁に着弾。続いて爆発。下のフロアに残された兵士ら。
兵士A 「逃がしたか!」
兵士B 「目標は射殺できず。ルート20にて第7ケイジへ移動中。追跡の是非を問う」
無線の声 「追跡不要。十分な足止めはできている。そこは爆破予定である。至急戻れ」
兵士B 「了解」

8

エレベーター前

非常灯の赤い光が二人を照らしている。(血が目立たないので、他のモノトーンか?)
ミサト 「これで、数分は稼げるわ」
怯えているシンジ。(自分を守ってくれる人が消えるかも知れないという、漠然とした恐怖)
ミサトの背中の銃創から、血が広がっている。
ミサト 「大丈夫。大したことないわ」
エレベーターのドアを開けるミサト。
ミサト 「電源は生きてる。いけるわね」
ミサト、シンジに顔を寄せて、台詞。
ミサト 「いい、シンジ君。ここから先はもうあなたひとりよ。全て、一人で決めなさい。誰の助けもなく」
涙も出ないシンジ。
シンジ 「僕はダメだ。ダメなんですよ・・・ヒトを、ヒトを傷つけてまで、殺してまでエヴァに乗るなんて、そんな資格ないんだ。
僕は、エヴァに乗るしかないと思ってた。
でも、そんなのごまかしだ。
何も、何もわかってない僕には、エヴァに乗る価値もないんだ。僕には何もない。
僕にはヒトの為に出来ることなんて、何もないんだ。
アスカにひどいことしたんだ。カヲル君も殺してしまったんだ。
やさしさなんか、かけらもない。ズルくて臆病なだけだ。
僕には、ヒトを傷つけるしか出来ないんだ。
だったら何もしない方がいい!!」
ミサト 「同情なんかしないわよ。自分が傷つくのがイヤだったら、ここで何もせずに死になさい」
ただ、嗚咽を繰り返すだけのシンジ。
ミサト 「今泣いたって何にもならないわよ」
ただ、嗚咽を繰り返すだけのシンジ。
ミサト 「自分が嫌いなのね。だからヒトも傷つける。自分が傷つくより、ヒトを傷つけた方が、心が痛いことも知っている。ただ、
どんな思いが待っていても、それはあなたが自分一人で決めたことだわ。価値のあることなのよ、シンジ君。あなた自身のことなの
よ。ごまかさずに、自分の出来ることを考え、償いは自分でやりなさい」
シンジ 「・・・ミサトさんだって、他人のくせに!!何もわかってないくせに」
ミサト 「他人だからどうだってぇのよ! あんたが今ここで何もしなかったら、私、許さないからね。一生、あんたを許さないか
らね!」
びっくりしているシンジ。
泣くのを止めて、ミサトを見つめている。
ミサト 「今の自分が絶対じゃないわ。後で間違いに気づき、後悔する。
私はその繰り返しだった。ぬか喜びと自己嫌悪を重ねるだけ。でも、その度に前に進めたわ」
聞いているシンジ
ミサト 「いい、シンジ君。もう一度エヴァに乗って、ケリをつけなさい。
エヴァに乗っていた自分に、何のためにここにきたのか、何のためにここにいるのか、今の自分
の答えを見つけなさい。そしてケリをつけたら、必ず帰って来るのよ」
シンジに胸のペンダントを渡すミサト。
ミサト 「約束よ」
シンジ(ポツリと) 「・・・うん」
シンジを抱き締めるミサト。
ミサト 「いってらっしゃい
と、シンジにキスを送る。
唇を重ねる二人。(途中ミサトからディープなやつに)
ミサト 「大人のキスよ。帰ってきたら続きをしましょう」
壁のスイッチを入れるミサト。
あっ、となるシンジ。
シンジの見た目、笑顔のミサト。
ドアが閉まり、下降を始めるエレベーター。
壁に血痕を残しながら、ズズッと倒れる。
ミサト 「こんなことなら、アスカの云うとおり、カーペット変えときゃよかった」
ミサト 「ねぇペンペン」
ミサト、最後の力で顔を上げ---
ミサト(少し甘えた声で) 「加持君。私、これでよかったわよね」
爆発するブロック。その火球に包まれるミサト。その直前に見えるレイの姿。

エレベーター内

涙と共に、グチャグチャになった顔を両手で拭うシンジ。
その手を見て、唇についていた血に気づく。
涙が止まらないシンジ。
ズズン。遠く、ケイジにベークライトが注ぎ込まれる音が響く。

ジオフロント

その様にもまるで動じず、、ゆっくりと包囲して行くエヴァシリーズ。
プログナイフを取り出すに号機。
11号機の顔面にナイフを突き刺す。
パキッと折れるナイフの刃。
火花を散らしながら、その刃が頭部に入り込んで行く。
弐号機の右手。ジャリリッと次の刃が出てくる。
アスカ 「次っ!」
6号機に飛びかかろうとする弐号機。
が、頭部が破壊されつつある11号機に腕を押されられてしまう。
さらに他の機体によりケーブルが切断される。
スタートするカウントダウン。
アスカ 「チッ!」
格闘インサート。
アスカ 「チックショーッ! あいつらだって内蔵電源だけのはずなのにぃ!」
格闘インサート。
アスカ 「なんでまだ、稼働してんのよ!」
11号機の首を引きちぎる弐号機。(首には脊椎パーツが付いたまま)
アスカ 「・・・まさかS2機関?」
首が折れても追ってくる11号機。
アスカ 「もぉうっ! こいつら、切りないわね! バカシンジなんか、当てに出来ないのにっ!」

○ 第7ケイジ前

初号機に四方からベークライトが注ぎ込まれた跡。
拘束具の大半がすでに埋まっている。溢れたベークライトも固まっている。
呆然とするシンジ。
シンジ 「・・・」

ジオフロント

ひねり回し蹴り等でもう1、2体倒すか?(一考)
一撃、何かを食らわした後、
ついに『0』になるタイマーカウント。
ガクンと突如、停止する弐号機。
アスカ 「キショーっ!! もう動けないのっ!」
軽く正面からケリを入れられる弐号機。
ズズンと森の上に倒れる。
組み敷かれ、両腕をナイフ(槍か?)で固定される弐号機。
大きく口が裂けていくエヴァシリーズ。
そのまま上乗りにされ、胸部から装甲を食いちぎられて行く。
(これもまた、ストレートに強姦のイメージで)
胸を押さえ、屈辱に染まるアスカの表情。
9

セントラルドグマ

リリスの下にたどり着く碇と全裸のレイ。
人の気配に気づく碇。
リツコ 「お待ちしていましたわ」
ゆっくりと二人の前で立ち上がるリツコ。
白衣のポケットから拳銃を取り出す。(右手のみ・左手はポケットのまま)
リリスの前で対峙する人々。(ある程度の距離あり)
リツコ 「ごめんなさい。あなたに黙って、先ほどマギのプログラムを変えさせてもらいました」
リツコ 「娘からの最後のたのみよ」
リツコ 「母さん。いっしょに死んでちょうだい」
左手がポケットの中でスイッチを入れる。
静寂。
リツコ 「作動しない? 何故?」
装置をみるリツコ、愕然となる。
カスパーが否決サインを出している。
リツコ 「カスパーが裏切った?・・・母さん、母さんは自分の娘より、自分の男を選ぶのね!」
銃をリツコに向ける碇。
その引き絵。
ゲンドウ 「赤木リツコ君。本当に・・・(爆発音か何かでよく聞き取れない)」
リツコ、自嘲の笑みを浮かべ---
リツコ 「うそつき」
響き渡る銃音。
レイの悲しそうな幻影を一瞬垣間見るリツコ。
LCLの湖の上がる水柱。

○ 再びジオフロント

装甲を剥がされ、素体が剥き出しの弐号機。
上乗りのまま頭を押されられ、顎部ジョイントを無理やり外そうとしている白いエヴァ
まるで顎を掴まれたこのように顔が歪んでいるアスカ。
屈辱と怒りにまみれたその表情。
アスカ 「チクショーッ! 殺してやる。殺してやる。殺してやる。 殺してやるっ!!」
いきなり開く弐号機の四つ眼。
暴走である。
右肩パーツのニードルガンを発射する弐号機。
グシャグシャにされるエヴァの頭部。
そのまま背中に蹴りを入れ、起き上がる弐号機。
アスカ 「よくもこのきれいなボディを、台なしにしてくれたわね」
突如飛来する、ロンギヌスの槍。(エヴァシリーズからか、大型輸送機からの射出か一考)
ATフィールドにて一度止まるが光を巻き込み侵食してくる。
アスカ 「まさか、ATフィールドが!?」
弐号機の頭部を貫通するロンギヌスの槍
顔を上げるアスカ。
左目を左手で押さえ、指の間からは血が止まらずに流れ出ている。。
アスカ(痛みをこらえて) 「何よ、これぇ」
貫いた槍が、地面に突き刺さる形で固定されてしまっている弐号機の姿。
アスカ 「まさか、ロンギヌスの槍?」
ザシュッ! ガシュッ! ズシュッ!
続いて胸部や腹部、足等が次々に貫かれていく。
瞬時のうちに、オブジェと化す、弐号機。
※どこか、アスカの戦闘シーンの間に---

○ 第7ケイジ前

ベークライトで固められた称号機に前でただ、うずくまっているシンジ。
アスカ(スピーカー) 「負けてらんないのよっ! ママが見てるのに!」
シンジ 「ママ?」
シンジ、目前の初号機。(インサート)
シンジ 「母さん?」

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○ 第7ケイジ前

ベークライトで固められた初号機の前でただ、うずくまっているシンジ。
突如、半狂乱の伊吹の声が響く。
伊吹 「シンジ君!! 弐号機が! アスカがぁ! アスカがぁ!あああああああっ!!!」
シンジ(ブツブツと) 「やっぱり、来なきゃよかったんだ。エヴァなんかに乗らなきゃよかったんだ」
ガコンと歪む、拘束具。ズズンと割れるベークライトの音。(OFFで音のみの芝居か?)
シンジの前に差し出される、初号機の左手。
泣き顔のまま硬直しているシンジ、
シンジ 「・・・母さん?」

○ ターミナルドグマ

に、立つレイと碇。
重く遠く響く音ともに、微かに揺れるLCL。(リツコを入れ込むか?)
碇 「初号機が、動き出したか」

ジオフロント

突然、ジオフロントの地面を突き破り現れる、2枚の光の翼
風を受け、驚愕の人々。
参謀 「エ、エヴァンゲリオン初号機」
隊長 「まさに、悪魔か」
キール 「この時を待っていた」(いらんか?)
森をとどろかし、2枚に翼で空中に滞空する初号機。
悪魔のようなその顔。
プラグ内のシンジ。(頭のインターフェイスは、ナシで)
シンジ 「アスカ?」
エヴァシリーズの口に咥わえられた弐号機の頭部。
(切り口はきれいではなく、無理やり引きちぎったように)
シンジの瞳孔が開く。
他のエヴァシリーズの口にも同様に弐号機のバラバラにされた身体が見える。
シンジ 「うわあああああああああああっ!!!」
ただ、激昂するシンジ。
4枚の光の翼を開く初号機。
周囲が全て、赤い光に変わっていく。
森も、廃虚も、兵器も、そして人々も、赤い光の粒となっていく。
そこに立つ、エヴァシリーズと弐号機を除いて。
T: ---つづく---