銃器・軍艦オタクな押井守が、「バトルシップ」監督の軍艦オタク度を辛口分析


自称海軍オタクのピーター・バーグ監督が、魂を込めて作ったのがその名もズバリの「バトルシップ」。
世界連合艦隊 VS エイリアン、戦艦 VS スターシップ という熱血SF海戦アクションだ。
が、果たしてバーグは本当にオタクなのか? その愛の深さを確かめるべく、自他共に認める銃器オタクで軍艦オタクな監督・押井守が登場。


本作の舞台はハワイ沖。米海軍主催の環太平洋合同演習が行われる最中、真珠湾付近に謎の物体が落下する。
中身はお約束のエイリアンだ。
押井監督はその武器が気になったようで、「エイリアンが放つ“ぐるぐる弾”は確かに凄い破壊力だけど、ピーター・バーグが描こうとしているのはそれよりヘッジホッグっぽい武器のほう。
ヘッジホッグは第二次大戦時にイギリスが開発した対潜水艦用の前方投射兵器。
それまでは後ろに爆雷を落とすことしか出来なかったから当時としては画期的だったんだけど、技術力に勝るだろうエイリアンの武器なのに慣性誘導のみの投射兵器とうのは無理があり過ぎ」と指摘。
「が、そういうことすべて判った上で、これを登場させたかったという感じだから、そこに監督の熱意とオタク魂は感じるよ。映画として絵になる武器だしね」とシンパシーを感じる部分もあったようだ。


その他にも「5インチ砲をボコボコ撃っている横でバレットなんか撃ってたら爆風で死んでしまう」などとツッコミどころは多かったようだが、「映画的には間違っていない。あえてこういう描写をしたことでノリのいい戦争映画になっているんだから」とのこと。
「これまで巡洋艦駆逐艦(デストロイヤー)が主役級に扱われる映画はあまりなかった。
というのもデカ過ぎるし、動きが少ないから映画には向かないんだよ。
でも、そういう連中をあえて主役級に扱い、ちゃんと彼らの登場の瞬間もとらえている。
嬉しいよね、そういうショット、めったに拝めないから。監督の軍艦愛は十分に感じる映画だと認定してもいいんじゃない?(笑)」と最終的にはお墨付き(?)をもらった。
押井監督が「笑うしかない」と語ったクライマックスシーンを含め、見どころ満載の超大作。