神楽坂倶楽部 2008.12.12

screenshot  .
2008年12月12日(金)


 しばらくのごぶさたになってしまいました。
 その間にグイン124巻「ミロクの巡礼」も発売されてしまったので、なんとか早く更新しなくちゃと多少気は焦っていたのですが、12月に入ってから体調どん底もいいところとなり、なんとか毎日生きてはいたものの予定は次々とキャンセル、鎮痛剤を使うか睡眠薬を使うか毎晩選択肢に悩む、といったなかなかな日々を送っておりました。


 ことに夕方以降から、特に疲れたり冷えたりしていなくても背中の何ヶ所かがひどく痛くなってくるのですが、これはガンとは関係のない、消化不良のせいのようです。胃がぎゅーっと固くなるので背中の筋肉が張って痛くなるということで、それでいろいろいたみどめを頂いてるのですが、座薬というのが私はどうも過敏性大腸だもので苦手で……今度もらったお薬がまたべらぼうに強くて、痛みはこれをほんの半錠飲みさえすれば嘘のようになくなってしまうのですが、そのかわりにどういうわけか、一晩眠れないんですねえ。ただ眠れないんではなくて、なんとなく半覚醒というのか、悪夢のなかみたいな、ぼーっとした状態で全然眠りに入れない。


 だけど同じような成分が入ってるから、出ている睡眠薬とは一緒に飲まないように、という注意を受けているので、睡眠薬飲んで寝るわけにゆかないわけです。それで、「鎮痛剤を飲んで、痛くないけど寝られないで一晩起きているか」「痛いけれども睡眠薬で強引に眠ってしまうか」のセレクト、というのが毎晩やってきてしまうようになったわけです。


 もちろんこれは正しい状態じゃあないんでしょうけれども、とりあえず痛いので仕方がない。で、そうしてるところへちょっとどうもカゼをいただいてしまった、というおばかなことになりまして、ノドは腫れてものは飲み込めないわ、口内炎で痛いわ、からだはヘロヘロに弱るわ……ということでまあ、これも結局のところ免疫力の低下のせいなんでしょうけれど、このところもう完全に不義理をしてばかりですが、当面、もう私は半分以上「自宅入院患者」にすぎないとおぼしめして、メッセージのお返事だの、お約束のキャンセルだのは、大目に見ていただきたいと思います。私もそろそろ、腹をくくって、よろよろとなんとか続けようとしてきた「まがりなりにも普通人ぽい生活」はいまの私にはムリなんだと自分に納得させなくてはダメそうです。


 とはいえまあ調子がよければ起きて着替えも出来るし、ほんのちょこっと、車に乗せて貰って買物にくらいはあまり長時間でなければゆけるわけで、それに、自分では「ほんのほんの少しづつだが調子はよくなってきつつある」とは思っているんですけれどもね。今回のカゼさえなければ、もうちょっと調子があげられたのに、と思うと残念ですが……


 まあ、でもなかなか、普通に健康な生活を送っていられるかたには、このような状態の病人が「どの程度病人か」というのは想像おつきになりにくいかと思います。特に私は見かけがかなり元気そうに見えまして、実際には25,6㎏痩せて5分間立ってるのもしんどい、みたいな状態なんですが、「元気そうじゃない」とか、「あまりやつれてない」「全然変わってない」とよく云われます。そういってもらうと、それはそれで安心するんですが、一方では内実は悲惨なので「ううむ」と思ったりしますが、もうあまりそういう「悲惨な内実」を隠して元気そうにふるまう元気もなくなってきているので、おおっぴらに「もう立っていられません」「もうムリです」「痛くて倒れそうです」というようなことははっきり、一緒にいる人にいってしまうことにします。そのほうが、おそらく一緒に仕事する人とかにも、ちゃんと伝わると思うんですね。ムリして、そのあとひどい状態に落ち込んで、そうさせた相手を恨んだり、とかというのはあんまり健康的じゃないし。


 というわけで、たとえ見かけがかなり「一見元気そう」に見えたにせよ、いまのところ、私は半日出かけていても帰りは辛くて死にそうになる程度には体が弱っております。仕事も「1日25枚」なんとか書いてしまうと、必ず熱が38度くらいにあがってしまうようになってきました。それでも1年なんとか生きてきました。ライブもなんとかやっちゃいますが、それは私がすごく元気がよくなってきたからではなくて、「これが最後のライブかもしれない」といつも思っているからだと理解していただけたら幸いです。ってなんか、やなことばかり云うようですが、健康なかたにはやっぱり、ある程度繰り返して「私は現在かなり状態のよくない病人なんです」ということを、お伝えしておかないと、理解してもらえない、と思うようになってきたので、あえて書きました。


 ムリはしません。ムリはしませんが、でもなるべくからだのきくうちにやりたいことをすべてやっておきたい、と切実に思っています。このあともしかしたら、どっとすごく元気を取り戻して、前のように活動しはじめることだってないとはいえないかもしれないんだし。とにかくでも、いまのひどい状態は「ガン性疼痛なら消えることはないので、ガン性の痛みではありませんね」と主治医に云って貰ったことだけが頼みの綱で、そのうちいつか、あちこち切り取られたこの根性無しの私の内臓も多少動きを復活してくれるのじゃないかと期待しています。多少人並みに食べられるようになりさえすれば、栄養もとれるだろうし、そしたらカロリー切れで蒼白になってひっくり返ることもなくなるだろうし、もうちょっとはなんとかなるんじゃないかなと思っているんですけれどね。というより……春がきたらいいのかなあ。寒さはことのほか、やはり手術の傷にはこたえるようですし。冬きたりなば、春遠からじ、ですかね。毎日毎日、どこが痛い、ここが痛いとヨレヨレの日々ですが、それでもデジャー・ソリスの名セリフ、「わたくしはまだ生きているわ!」――なんとか、頑張ります。



2008年12月12日(金)



※ 本コンテンツの使用は σ(-_-)個人の責任と趣味によるもので
  著作権・肖像権を侵害する目的や営利目的などは一切ありません m(_ _)m 。