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ミステリー作家の多島斗志之さん失跡
出版社に手紙
直木賞候補にもなったミステリー作家で京都市伏見区在住の多島斗志之(たじま・としゆき)(本名・鈴田恵)さん(61)が手紙を家族や出版社に残し、行方不明になっていることが、25日わかった。
京都府警伏見署によると、家族が19日に捜索願を出した。
多島さんは19日、宿泊していた京都市内のホテルを出たまま行方がわからなくなっている。
東京創元社(東京都新宿区)によると、21日に多島さんから「体調が悪いので、引退する」という趣旨の手紙が届き、事務的な連絡が書かれていたという。
また、角川書店(東京都千代田区)にも「(右目を失明している上に)左目の不調を感じていたが、悪化しました。
もう筆を折ります。社会生活を終了します」という内容の簡易書留が、21日に届いている。
家族は「目は病院にいってみてもらえば大丈夫」と訴えているという。
多島さんは1948年大阪生まれ。「密約幻書」「不思議島」で89年と92年に直木賞候補になった。
謀略小説から海洋冒険小説、多重人格を扱った「症例A」など作風は幅広く、綿密な構成と鮮やかなどんでん返しで知られる。
「クリスマス黙示録」は映画化された。