Low Dead Space Syringe

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ファイザー社製新型コロナウイルスワクチンの1バイアルの原液量は 0.45 mL ですが、
1.8mL の 生理食塩水を足して希釈するため、2.25 mL の量となります。

1回の接種で1人に投与するワクチンは 0.3mL のため、
計算上7回採取できますが、一般的な注射器を使う場合、
注射器の構造上、薬液の一部が筒先*1 に残ってしまうため実際には 0.3 mL 以上 を吸い上げます。

薬液が残る隙間の部分をデッドスペースといい、
そこに残ってしまった薬液は、押し込んでも出てきません。
注射器で薬液を吸い出していくと、6回目には1回の接種に必要な 0.3 mL は残っていないとされます。

厚生労働省も国内で普通に使用されている注射器では、5回分しか採取できないことを認めています。
注射器に残った薬液は破棄されます。


 この薬液のロスを防ぐために開発されたのが、ローデッドスペースタイプの注射器です。
外筒と押子 *2 の先端が精密な合わせになっているため、
筒先に残る薬液を最大限に押し出すことが可能です。

こちらのタイプの注射器を使うと、
注射器先端の隙間に残る薬液ロスが 0.035 mL 以下にすることが可能で、
6回分の採取が可能となります。



*1:  バレル

*2:  プランジャー