フィクション……もしくは実体験？ I
なんの展示会かって？。
デモが上手くいかなくて途方にくれる説明員の展示会です。
あたりまえであるが、展示会には最新鋭の機器が展示される。
その最新鋭の機器には、まだ量産品どころか試作品が、
間に合わせのケースに入れられて展示される場合も多い。
俗に言う「絶対に、お手を触れないでください」である。
私が見学側として出席した展示会で、是非とも触りたかったモノは、
たしかＰ社だったかの、液晶フィルムである。
これに触れなかったのはつくづく残念である。
なにしろ、コンパニオンのコスチュームの胸の部分に付いていたのであるから……。
というのはおいておいて。
さて、試作品の展示となるといろいろな問題が発生する。
つまりは、設営どころか、会場への搬入までに配線が外れてしまうことがあるのである。
この場合、開発担当者が説明員として居てくれれば、その人に任せてしまえばいいのであるが、
その開発担当者がいなかった場合が大変である。
なにしろ事実上、手の打ちようがないのである。
また、梱包した人がこれくらいわかるだろうと勝手に思って、
ケーブルを外して梱包し送ってくる場合がある。
私は単なる説明員で、その製品に関しては無知なんだよぉおおおおお。
というわけで、展示会会場での開始時刻直前は、
デモが上手くいかなくて途方にくれる説明員の展示会なのである。
